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恋もサウナも、温度が大事(寺田千尋)

女性会社員:千尋の恋愛模様

「ねえ千尋、あんたそろそろ本気で恋愛したら?」


 昼休みの定食屋。ジューシーな唐揚げ定食を前に、親友であり同僚のケイコが真顔で口火を切った。


「またその話?」


 箸を止め、千尋は困ったように笑う。


 千尋の至福は“サ活”──サウナ活動だ。愛知県江南市で働く彼女は、名古屋を中心にありとあらゆるサウナ施設を巡ってきた、サウナ歴6年の筋金入り。そんな千尋の習慣を熟知しているケイコの視線は、まるで恋愛の神様からのお告げのように鋭い。


「休日は毎週サウナで整ってるんでしょ? そりゃ男できないって」

「いいのよ。汗かいて、水風呂でシャキッとして、外気浴で空見上げると、もう全部どうでもよくなるの。最高の癒しよ」


「いや、整ってる場合じゃないから。今度の合コン、絶対参加ね。断ったら、あんた一生独りってことで」

「えぇっ!? なんでそんな呪いみたいなこと言うの!?」


 ──かくして千尋は、週末に予定していた大好きなサウナを泣く泣くキャンセルし、“数合わせ”という名目の合コンへと向かうこととなった。


 金曜の夜。駅近くのこぢんまりとした居酒屋。木のぬくもりが心地よい個室には、間接照明の優しい光と、グラスのぶつかる音、控えめな笑い声が漂っていた。男女六人の中で、千尋の隣に座ったのは藤井誠也。IT企業の営業で、年齢は千尋と同じ二十八。物腰が柔らかく、落ち着いた空気を纏った男性だった。


「僕も今日、数合わせなんですよ。実は、こういう場、あんまり得意じゃなくて」

「ほんと? 私もなんです。正直、来るつもりなかったくらいで」


 思わず、ふたりは小さく笑い合った。最初は“たまたま隣に座っただけ”だったのに、会話が想像以上に心地よい。やがて趣味の話に。千尋がサウナ愛を語ると、誠也の目がまんまるになった。


「えっ、サウナってそんなにいいんですか?」

「ええっ、行ったことないの?」

「暑いの苦手なんです。むしろ避けて生きてきたかも」


 その言葉に、千尋はグラスをテーブルに置いて前のめりになる。お酒のせいか、頬が火照り、勢いも止まらない。


「サウナってね、ただの汗かき場じゃないのよ。心が整うの。頭の中がすーっと空っぽになって、終わったあとは、世界が優しく見えるんだから!」

「せ、世界が……優しく?」


「そう! よし、決まり。今度一緒に行きましょう。人生、変えてあげる!」

「えっ、今の……もしかして、デートのお誘い?」

「ち、違う! これは、布教活動ですっ!」


 必死に否定する千尋の頬は、真っ赤だった。誠也は優しい目でくすっと笑う。その笑顔を見た瞬間、千尋の胸の奥に、小さな灯がともるのを感じた。


 数日後の休日。千尋が案内したのは、彼女が“ホーム”と呼ぶ銭湯併設のサウナ。年季こそあるが、掃除は行き届き、水風呂の温度と外気浴の導線が“完璧”な場所だ。


(ここなら絶対気に入ってもらえるはず……)


 そう思いながら、緊張と期待を胸に、ふたりは別々の暖簾をくぐった。サウナでは話せない。けれど、入浴後に脱衣所前で再会したときの誠也の表情ですべてが伝わった。


「……めちゃくちゃ、気持ちよかったです」

「でしょーっ!?」

「頭が空っぽになって、でも心が満たされたような……なんとも言えない、幸せな気持ち」

「それが、“ととのう”ってことなのよ!」


 千尋の声が弾んだ。まるで子どものように目を輝かせながらサウナを語る彼女に、誠也は魅了されていた。媚びるでもなく、取り繕いもせず、“好き”を素直に語るその姿に、心がゆっくりと引き寄せられていく。


 千尋もまた、誠也のまっすぐな反応に心が温まっていた。


(私の好きなものを、こんな風に受け入れてくれるなんて……なんだか、嬉しい)


 帰り道。ふたりは近くのカフェでアイスを手に腰を下ろした。春の風が、ほんのり甘く肌をなでる。


「千尋さんの話を聞いてると、僕も……自分の生活、もう少し大切にしたいなって思いました」

「えっ……なにそれ……なんか、すごく嬉しいんだけど」


 誠也は、少し照れくさそうに笑うと、視線をまっすぐに向けてきた。


「それとね。今日、誘ってもらえてほんとによかった。また一緒に、サウナ行ってくれますか?」

「もちろん。でも、次は水風呂30秒がんばってもらうからね?」

「うぅ……ハードルが上がってる……!」


 ふたりの笑い声が、柔らかな春の夜にとけていった。


 翌週、いつもの定食屋にて。


「で? その後どうなったの?」


 と、ケイコの鋭い質問が千尋に飛ぶ。千尋は、唐揚げを頬張りながら、ほんの少し、恥ずかしそうに笑った。


「……次のサウナ、もう約束してる」

「なにそれ! あんた、恋愛よりサウナ優先だったじゃん!」

「だって……彼と一緒にいると、“ととのう”んだもん」


 ──サウナは、湿度と温度のバランスが合ったとき、人を整えてくれる。恋だって、きっと同じ。無理に熱くなりすぎなくていい。冷たすぎても長続きしない。ちょうどいい温度で、少しずつ、心を溶かしていけばいい。


 ふたりがいつか、「ととのう人生」を一緒に歩いていけたら──。千尋はそっと胸に手をあてて、ほんのりと温かくなった気持ちを、静かに感じていた。

- キャラクター プロフィール -

名前:寺田千尋てらだちひろ

職業:不動産業会社員

好きな事:サウナ

年齢:28

身長:160㎝(5'3")

体重:51㎏(112.4lb)

誕生日:3月3日

星座:魚座

血液型:O型


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