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■2024年11月29日
国からの私掠船免除も貰い、俺たちゃ海賊として上手くやってきた。けど自国の船まで襲ったのはやり過ぎたか。免除を失ってしまう。
「どうしやす、お頭」
「なあに簡単だ。他の私掠船から免除を奪えばいい」
「流石、冴えてるぅ!」
各国が海軍を整備させ私掠船制度がなくなる、直前の時代だった。
お題・上手い海賊
■2024年11月29日
私には婚約者がいた。しかし別の男に決闘を申し込まれ敗北。私はその男と結婚する。いわゆる略奪婚。周囲からは可哀相にと気の毒がられている。
それにしても婚約者は最低の酷い男だった。だから今の結婚に私は満足している。今の夫に私を略奪させるよう、彼の心を奪っておいて本当に良かった。
お題・奪いあい
■2024年11月29日
エリートは大衆どもを見下していた。大衆は愚かなままで構わない。賢いと支配がしにくくなる。学なぞ必要ないのだ。
「とエリートさんたちは思ってるんだって」
「まあ俺たち、実際に国を動かす大衆たちで、エリートを囲い込んでないと」
「馬鹿に動かれると鬱陶しいからな」
お題・愚かな者たち
■2024年11月30日
僕はいじめられていた。
「オラ、金出せよ」
「どうして自分がこんな」
「お前は俺のATMだからな。金を出す義務があるんだよ」
という一部始終を録音しておいた。いま彼は警察に連れて行かれようとしている。
「どうして俺がこんな目に!」
「そりゃ、人のお金を使った責任があるからでしょ」
お題・ATM義務
■2024年11月30日
冒険へ出る前に、武器のエンチャントを頼んだ。
「俺は腕利きだぜ。なにせ術が永続する」
と言ったのに、術は早々に弱まる。剣の魔力はないも同然だ。当然その冒険は苦労した。帰ったら術者は逃げてるし。
だが永続というのは本当らしい。あれから数十年。剣が錆びてなくなっても、魔力は残っている。
お題・永続付与
■2024年11月30日
彼女との同棲生活でした約束。家事の当番をサボったら、貯金箱へ罰金。その際必ず、これも将来のためだからと言われた。
けど今や彼女はいない。家事の分担もなくなって用済みか。僕は陶器の貯金箱を打ち壊す。すると
「これも将来のためだから」
硬貨と一緒に貯まっていた彼女の声も溢れて聞こえた。
お題・そのために貯めた
■2024年11月30日
傑作と呼ばれる泣きゲーがある。ストーリーは攻略キャラたちの不幸を解決するというもの。その続編を作るため、再びキャラたちが集められた。
「というわけで君たちには再び不幸になってもらいます」
上がる悲鳴。
「じゃあ君はどう不幸になってもらおうか」
「ここに集められたのが既に不幸だわ」
お題・泣きゲーの続き
■2024年12月1日
「嘘をつくとね、お天道様が見ているからバレるもんだ」
長屋の八っつぁんの言葉に、熊さんは驚いた。
「本当かい。だったら曇り空ならバレないかね。いやいっそ雨だったら」
「おいおい、こいつは例え話さ」
「何だ嘘かい。いいか熊さんや、嘘をつくとね、お天道様が見ているよ」
お題・嘘とお天道様
■2024年12月1日
私には産まれる前の記憶がある。確かサイコロを振り、ステータスを決定するのだ。それによると私は筋力は低く、知力が高い。
そうやって自分の傾向を予め知っていられたのは幸運だ。能力に合った進路を選べば良いのだから。
後はその記憶が真実かどうか賭けるだけか。ああ、幸運値が高ければなあ。
お題・キャラメイク
■2024年12月1日
「近頃の文学は堕落した! 馬鹿な大衆向けでなく落語のような伝統が」
「なに言ってるんだ、落語こそ大衆向けだぞ」
「それは例えに過ぎず、私の話を理解しようともしない輩こそ……」
「ああ、落語のことを知らないんだな。落語らしいオチもなければ、下らない」
お題・落語を知らない




