901~910
■2024年11月26日
オイラは恐い物知らず冒険者家業。敵ん中へ飛び込み、段平振り回しゃ、後は生きるか死ぬかの丁半博打。今まで勝ち続けて宝だ名誉だ女だの贅沢三昧。
そんなオイラもやっと学んだことがある。今や体は上下で泣き別れ。回復魔法も間に合わない。オイラは死ぬ。ああ、死ぬってこんな恐かったんだな。
お題・恐い物知らず
■2024年11月27日
「ここが、さしすせそ丘です」
「わあ~、綺麗な場所ですね」
「……」
「タ○リさん?」
「もしかして断層かな」
ナレーション「よく分かりましたね。そう、本来なら『おか』の前は『あいうえ』で、後ろには『きくけこ』が来るはず。ここは改行が地殻変動を起こし、断層になったんです」
お題・さしすせそ丘
■2024年11月27日
老師は後悔した。弟子は今や増長し、外道になり果てている。才能があるからと拳を教えなければ良かった。弟子の責任は師が取らねば。
「老いぼれが!」
「お前に教えてない技はまだある」
かくして老師は弟子を手に掛ける。弟子の最期の言葉は
「アンタに習わなければ良かった」
という後悔だった。
お題・後悔の師弟
■2024年11月27日
「誕生日おめでとう!」
幼稚園児の娘が似顔絵をプレゼントしてくれる。私は近所のスーパーで買ってきたケーキのロウソクを吹き消した。
ああ、二十代の頃ならホストに囲まれてブランド品を山と贈られていたのに。今や落書きか。
と考えているのに気付き、自分は母親に向いてないと思い知らされた。
お題・比べてしまい
■2024年11月27日
隣国の友人とある約束をした。もし戦争となれば、互いに手加減して生き残ろう。
かくして開戦。紆余曲折の末、私は一騎打ちすることになる。相手は偶然にも友。
今も彼は信頼している。だが奴は強くなっていた。命の危険を感じ、思わず強打する。
剣に貫かれ友は「信じていたのに」と亡くなった。
お題・信頼しあう友
■2024年11月28日
「お前の息子は誘拐した。無事に返して欲しければ、身代金を一億円よこせ」
「無事に返ってくるんだろうな!?」
「勿論」
「だが私はお前らを信頼できない」
「どうしろと」
「まずはお前らが保証金を一億円よこせ。そうすれば私も一億円渡そう」
「なるほど、それなら安心だな」
お題・安心身代金
■2024年11月28日
近頃の若者が使うファイアボールの魔法な。あんなのファイアボールじゃねえよ。昔のファイアボールといえば爆裂を起こした炎が球状になるからボールつったんだ。それが今じゃ小さな球を投げてやがる。だったらファイアアローで構わねえじゃないか。けど使ってみたら便利でよ。
俺も丸くなったもんだ。
お題・ファイアボールの歴史
■2024年11月28日
弥助は武家の出だ。しかし御維新大政奉還。今や自分は侍ではないと弥助は商売に精を出した。そして周囲には武家の商法と馬鹿にされながらも、繁盛する。
ところがある日、弥助の倅は聞いてしまう。ちょうど商いの上手く行かない頃だ。弥助は苦しげに、ぽつりと呟いた。
「武士は食わねど高楊枝」
お題・武家の商法
■2024年11月28日
「正しく生きてくれ」
そう親と約束したのに。国が戦争に巻き込まれ、私は孤児となる。生き残るため、どんな汚いこともやってきた。
それも昔の話。今は落ち着き、家庭を持って子供も産まれた。まるで過去の地獄が嘘のよう。私は子供に願いを託す。
「正しく生きてくれ」
お題・約束と願い
■2024年11月29日
「近所でダーツ投げ放題やっててさ。そこダーツだけじゃなく手裏剣もやってるの。楽しいよ」
「うるさい! どうせ頼まれたから来ただけでしょ。偉そうに」
「どうだ、あの子は。同級生が来てくれたんだろ。せめて引きこもりは」
「駄目。当たり散らすもなだから、匙を投げられたわ」
お題・ヒーリング手裏剣




