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■2024年11月17日
私はヒモ男と暮らしてる。
「博打で負けちゃってさ。また金を貸してくれないかな」
「これが最後よ」
何度も繰り返したやり取り。
これも最後だ。借りた金で背広を揃え、俺はやっと就職を決めた。
そして彼女へ就職したことを打ち明ける。
「なあ話があるんだ」
「またお金? 今度こそ最後よ」
お題・今度こそ最後
■2024年11月17日
膨大な計算力を持ち、宇宙全ての事象を知るという悪魔ラプラス。遂に私は召喚した。
「あなたはいつから存在する?」
「この宇宙の出来る前、他の宇宙から存在し、事象を操ってきた。人類も私が創造したのだ」
「それは何のために!?」
「いや、私の名前は『ラプラス』じゃないと気に入らなくてさ」
お題・ラプラスの悪魔
■2024年11月18日
特異な文化を持つ少数民族が国際会議へ出席することになった。その格好を見て列席者は目を疑う。頭の上へ岩を載せているのだ。これが彼らにとって最高の正装だというのだ。
岩の重みでフラフラしているが、頑なに下ろそうとしない。
「石頭め、ああまでこだわると逆に脱帽だよ」
お題・岩帽子
■2024年11月18日
流浪の学者が、歴史に数人しかいない「賢者」の称号を得た。しかし彼は称号を固辞する。学徒に過ぎない私が賢者など、とんでもない。私はまだ何も知らないのだ。
そう言って称号を返した後も旅を続け、各地の王に民に知恵を貸した。
かくして彼は称号によらず、人々からの賞賛により賢者と呼ばれた
お題・賢者の称号
■2024年11月18日
色付いた山を見て、君はやっと秋が始まったと言う。対して私は、今年の終わりが見えてきたと言った。
終わりより、これから始まることを考えた方が楽しいんじゃないかな。じゃあ秋が終わったら? その頃には来年が始まってるよ、と互いに笑う。
そろそろ来年を語っても鬼は笑わない頃だろう。
お題・冬隣
■2024年11月18日
私の眼前には三途の川。舟に乗ろうとしたら引き留められた。着ている服を全部脱げ。コイツが脱衣婆というやつか。服を脱いだが、まだ止められる。その指輪も外しな。これは母の形見で、と言い訳する暇もなく奪われる。絶望した私は石に頭を打ち付け自殺すると、この世に戻っていた。指輪は失っていた。
お題・三途の川で奪われて
■2024年11月18日
「アンタら夫婦って喧嘩しないけど何かコツあるの?」
妻は殺人拳の継承者だ。手を出せば五体無事でいられない。
夫はまず弁護士だ。怪我をさせると社会的に殺されてしまう。
つまり夫婦喧嘩でもしたら、先に仕掛けた方が負ける。なので
「「やっぱり、お互いの思いやりかな」」
と答えておいた。
お題・夫婦喧嘩をしないコツ
■2024年11月18日
超能力を持つヴィランを倒せるのは、同じく超能力を持つヒーローのみ。
「ありがとう、おかげで街は救われたよ!」
ヒーローに感謝を述べる子供たち。
彼らはいわゆるサクラだ。ヒーローには常に上機嫌でいてもらわねばならない。そのために危険な超能力者と接する役目を持つ、彼らこそ真の守護者だ。
お題・ヒーローに憧れる子供たち
■2024年11月19日
霧人間は最強のヒーロー。だが霧だけに影が薄く、いつもヒーローランキングは低い。そのためヒーローを辞めてしまった。
ところが最強のヴィラン現れる。こいつに勝てるのは霧の能力のみ。
「霧人間はどうした!?」
「辞めたよ」
「代わりになる霧の能力者はいないのか」
「アイツ、一人きりだ」
お題・霧人間
■2024年11月19日
俺はUFOにさらわれた。謎の光線で中空へ引っ張られる。だが途中で光線が故障した。俺は地上にも降りられず、UFOの中にも入れない。宙ぶらりん。困ったUFOも、そのまま俺を連れて飛行を始めた。その様子を大勢が目撃していたらしい。
翌日の新聞で俺は未確認飛行物体ということになっていた。
お題・未確認飛行俺




