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■2024年11月3日
昔、可憐な彼女に恋をしてた。
「アンタ、私が好きだったんだろ。いやあ金に困ってさ。今なら結婚でも何でもしてやるぜ」
それが小汚くなって、思わず口を出てしまう。
「台無しだ……」
「ああ、この格好かい? それはとりあえず棚に上げてさ」
と言ってるが、上げる棚の前に、台が無いんだって。
お題・可憐台無し
■2024年11月3日
異世界転生した俺は能力の鑑定を受けることになった。水晶玉に文字が浮かび上がる。
筋力、敏捷、器用さ、魔力、とそれぞれの数値。
それを見た周囲の人々が騒ぎ出す。
「能力といえば普通は健康とか賢いとかだろ。何だよ、あの数は」
それもそうだ。
もしかして俺、こんなことで追放される?
お題・衝撃的な能力鑑定
■2024年11月3日
地元が文化の最先端都市として花開いたのも過去の話。今や老朽化に高齢化で、かつての活気もなくなった。
人気のなくなったデパートを歩いていると、都市の花弁が落ちた跡に、種子を発見した。しばらくしたら弾けて、辺りに町の芽が生えるのだ。
その瞬間を見るために私はこの町を離れないでいる。
お題・かつては花の都
■2024年11月3日
舞踏会で出会った君。また会いたい。あなたの屋敷に忍び込むも、どうやら私は隠れるのが下手らしい。何度やっても、つまみ出される。
だが後日、やっと君に再会できた。
「どうして来てくれないの」
「月に君の面影を」
と言い訳するのを、見た悪友に「落ち度を隠すのは得意なのにな」と揶揄された。
お題・愛を忍ばせて
■2024年11月4日
「コレがバズった百円玉だ」
刻印ズレの起こった百円玉に、嘘八百と話を盛って動画を撮った。おかげでバズったが、嘘もバレて大炎上。かっと来て悪言罵倒で言い返したら、名誉毀損で訴えられる。おかげで裁判沙汰の大損害。
「で、どれだけ儲けた?」
「バズったのに、百円ていどだ」
お題・バズった百円玉
■2024年11月4日
子供の頃の話。扉を開くと、そこは不思議の国。そこで大冒険を繰り広げた。
そんな僕も今や大人に。あの時の記憶も現実だったか、あやふやになってきた。
ただ、扉を開くたび、どこかへ通じているか期待していたのが。
「明日は仕事だから、どこにも通じて欲しくない」と思うようになっていた。
お題・大人への扉
■2024年11月4日
彼と大喧嘩をして、別れ、ヨリを戻した。もうこれで五回目だっけ。
だから今度こその別れ話を持ちかけた。せっかくヨリを戻せたのに、なぜと問う彼。
だからだよ。あなたのことは信頼しているよ。必ず私たちはまた互いを嫌いになってしまう。
だったら、あなたを好きなうちに別れたい。
お題・別れたいほど好きな人
■2024年11月4日
遂に敵軍は都まで迫った。死を恐れた王は、周囲の制止も聞かず「災禍の鎧」に身を包む。これを着た者は狂戦士となる代わり、あらゆる災いから装着者を守ってくれるのだ。
かくして狂戦士となった王は敵を討ち滅ぼした後。装着者が矢面に立つのも、守るべき民がいるからだと鎧は判断。自国も滅ぼした。
お題・災いから守る鎧
■2024年11月5日
工業国の使節団が、富裕国へ視察に来た。
「我らも貴国のように脱工業化、サービスや金融で豊かになりたいのです」
ならばと連れてこられたのは大工場。中には水槽があり、無数の人間が浮かんでいる。
「ここでサービスを行う人間を生産しているのですよ」
使節団は逃げ出した。
お題・脱工業化社会工場
■2024年11月5日
「俺って今までお笑いキャラだったけどさ」
「いや、お前がお笑いキャラとか初耳だぞ」
「これからは真面目になろうと思うんだ」
「その前に試しに何かギャグやってくれよ」
「ガチョーン、なんちゃって!」
「うん、お前のギャグセンスは終わってるし、これからは真面目でやると良いよ」
お題・シリアス始動




