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■2024年10月31日

様々な苦難の末、私が勇者に選ばれた。渡されたのは邪悪のみを斬るという『破邪の剣』。なのに

「どうしてアイツは斬れないのよ!?」


破邪の剣は困って答える。

「いや邪悪だけをね。魔王とかさ」

「アイツは両親を騙して……だから私は奴隷に売られて……」

「ああもう、邪悪の定義が難しいな!」


お題・邪悪のみを斬る剣



■2024年10月31日

俺様は悪霊ジャック。普段は地獄にいるが、ハロウィンの日だけは地上に出られる。


今はガキの作ったカボチャの中。優しい家族に囲まれ、ハロウィンを祝ってやがる。


けっ、何がハッピーハロウィンだ。けど、俺様も生前はこんな団欒に憧れたっけ。


ジャック・オー・ランタンならぬ、ジャックの団欒。


お題・ハロウィン



■2024年11月1日

俺たち健康部は全国大会目指して頑張ってきた。なのに、n田が部活を辞めるという。

「俺たち仲間じゃなかったのかよ!」

「実は親が倒れて、俺が代わりにバイトもしてるんだ」

なんだよ、水くさい。そんなの……

「そしたら医者から過労と言われて」

それは健康のために部活やってる場合じゃないな。


お題・健康部の活動



■2024年11月1日

「古代王国の支配者だった天人族は、自分に似せた隷属種として我ら人間を創造した」

「そんな凄い英知を持った天人族がなぜ滅んだんだ」

「いや、滅んでない」

「まさかどこかに隠れて」

「人間があまりに似てたため、混血が進み、自分が天人族だと分からなくなったらしい」

「まあ裸にすれば同じか」


お題・超越者たちの末路



■2024年11月1日

村のポストが撤去される。まだ子供の頃に出来て、最初は手紙を届けるのも下手糞だったけど、村の皆に可愛がられたもんだ。けど村も過疎。時代の流れだ、仕方ない。今はスマホとかあるしな。


「寂しくなるな」

別れを告げると、ポストのやつ

「アドレス交換しとく?」

とテメエのスマホを取り出した。


お題・ラストメール



■2024年11月1日

魔法で起こした霧が戦場に立ちこめる。こうなると両軍、うかつに動けない。だが

「探知魔法に感あり!」

そちらへ火球が撃たれると、悲鳴が上がった。


「いやあ、新開発された探知魔法は優秀だな。敵が面白いように見つかる」

「見つけているのは敵ではありません。探知魔法を探知する魔法なのです」


お題・探知する魔法



■2024年11月2日

「最高に萌える抱き枕だよ!」と言って出されたのは、真っ黒なカバーの枕だった。

「まずは一度、試してくれよ」


抱きしめてみると低反発、人肌の温もり、呼吸音、そして微かな声で「たすけて」と聞こえた。


「いやあ人身売買でね」

枕カバーより、コイツの頭の中の方がブラック過ぎる。


お題・ブラック抱き枕



■2024年11月2日

異世界転生したら、膨大な魔力を持てた。せっかくだからと魔法使いを目指すも、攻撃魔法を使うには免許が必要らしい。


そして、ようやく普通攻撃魔法免許を取得した。だけど普通攻撃魔法とやらは、威力も範囲も小さい。もっと派手な魔法を使いたい。

「だったら大型攻撃一種と二種免許があってね」


お題・普通の攻撃魔法



■2024年11月2日

テストの選択問題で迷った。こんな時は鉛筆サイコロに頼るのが一番。鉛筆を転がすと「7」の目が出た。


待て。鉛筆は六角形だぞ。7の目が出るわけがない。私は鉛筆を確認してみた。


3、2、1、8


8って何だよ!


と鉛筆を見て試験時間が来てしまった。もう偶然には頼るまい。鉛筆は書くものだ。


お題・鉛筆サイコロの転



■2024年11月2日

私には長年の付き合いになる、異性の友人がいる。その友人から、もういっそ結婚しないかと言われた。けどノリの合う友人から、関係が変わるのはなあ。

「それはそれとして来週の映画」

「行く行く」

「来月のキャンプ」

「やるやる」

「結婚しとく?」

「するする」

全くノリの合う相方は貴重だ。


お題・気の合う相手

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