781~790
■2024年10月29日
最も美しい宝石?
そうね。私は貧しい家の出だった。結婚した旦那も貧乏。なのに婚約指輪は買ってやると、無理して一番安いものを買ってくれたのが嬉しくて嬉しくて。日がな一日、眺めてたわ。
それが事業も成功して、私は宝石コレクター。山ほど持ってるけど、最初のあの感動だけは忘れられないわ。
お題・最も美しい宝石
■2024年10月29日
その螺旋階段は音でできていた。ステップは鍵盤。登れば音は高くなり、降れば音は低くなる。
頭上は天国のように眩しくて、足下は地獄のように暗い。どちらへ行けば良いのか、と、ウロウロする。
迷った歩みは、まるで一曲の音楽のようだった。
お題・音は階段
■2024年10月29日
恋愛結婚がしたかった。けど父から前々より聞かされていた。私には既に決まった相手がいる。
そこで探偵を雇い、先回り。何度か会っておく。
そしてお見合い当日。彼は許嫁の顔に驚いている様子。この分なら脈もありそうね。
この見合い結婚、意地でも恋愛結婚に変えてやる。
お題・恋愛結婚がしたかった
■2024年10月30日
空から傘が降ってきた。当然、道行く人の頭に傘がばんばん落ちる。痛くて堪らない。
何か防ぐ物はないか、人々が入ったのは傘屋。おい、傘を防ぐ傘はないか。
しかし店の棚には何もない。傘屋の主人いわく、あの降っている傘はうちの傘だ。突風で商品が飛ばされた。
おかげでウチに傘はカラだ。
お題・空傘
■2024年10月30日
国民に中間層が増えれば、内需が充実し国が富む。そう聞いた政治家は決める。よし、中間層の割合を増やそう。そのためには貧困層対策だ。
と言って軍を呼ぶと、スラムを焼いてしまった。これで中間層の割合は増えるぞ。
なに人命? そんなの古くからの貴族である我が輩に知ったことではないわ。
お題・新たな中間層
■2024年10月30日
俺は何かの呪いを受けていると、神殿へ行くことにした。どうやら俺は「正義感」に呪われているらしい。
途端に思い出す。俺は盗み上等の悪ガキだった。それを魔女に呪われたのだ。
司祭様に呪いを解くかと聞かれたが、やめておいた。今の生活がある。しかし呪われる前後で、どちらが本当の俺なのか。
お題・正しさの呪い
■2024年10月30日
村のバスが廃線になる。小学中学とお世話になってきたが、今や乗客も僕くらいのもの。時刻表も朝夕の一日二回のみ。そりゃ仕方ない。
そして、とうとう最終日の帰校。バスのタラップを下り、お礼に頭を下げようと振り向いたら、そこには夜の闇のみ。何もなかった。
廃線って、バスの存在ごと?
お題・バスのなくなる日
■2024年10月31日
オカルト雑誌の取材で、噂の恐怖ポイント、幽霊の出る廃病院へやってきた。だが突入しようとしたら、受け付けで止められる。
ここは廃病院なんかじゃないですよ。調子を崩した幽霊さんたちを診る幽霊の病院なんです。
なるほど、それは何も恐くないな。と取材せずに帰ったら編集長に叱られた。
お題・幽霊病院
■2024年10月31日
森の奥には回復の泉がある。魔法のかかった像から、どんな症状も治すポーションが溢れてくるのだ。
そろそろ手持ちが乏しくなってきたので、補充のため泉にやってきた。ところが誰かが汲み尽くしたのか、泉が枯れている。
ふと思いついて残ったポーションを泉に振りかけたら、水量が回復した。
お題・回復の泉
■2024年10月31日
村の結婚式では、独身者たちが嫉妬を込め水っぽい果実を新婚夫婦に投げつける、という風習がある。
今年は姉が結婚する。相手のnは良い奴だ。だけど、
「来たぞー!」
なんで、こんな風習があるのか不思議だった。でも今なら理解できる。
オイラは姉を連れたnの顔面に、思い切り果実を投げつけた。
お題・降り注ぐ祝福




