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■2024年10月24日

時空魔法の魔導書を手に入れた。これは時や空間を操ることができる。しかし余りの難易度に学ぶ者がいなくなったのだ。


私は時空魔法に挑戦したが、やはり習得には困難を極めた。一人前になった頃には、すっかり老境。私は何のために時空魔法を覚えたのか……


そうだ。時を遡って若返れば良いのか。


お題・時の魔法



■2024年10月24日

親の教師の言いなりになって夢のない人生だった。ところがある日、マッチを擦ると何か光景が浮かび上がる。これは『マッチ売りの少女』にあるやつだ。この光景には私の欲しいものが映っているはず。


けど何もなかったらと恐くて中をのぞき込めなかった瞬間。私の心はとっくに凍えていると知った。


お題・マッチ見ずの少女



■2024年10月24日

高校卒業と同時にお兄ちゃんはニューヨークへ行ってしまった。バイト代で行ったのだから文句も言えない。

「頑張って一流ミュージシャンになって欲しいよね」と私が言うと、


「えっ、俳優になるためって聞いたのだけど」と母。

「俺は武者修行だと」と父。


アイツは何考えてんだと大騒ぎになった。


お題・新たなる旅立ち



■2024年10月25日

賢者様が不意に話し出した。

「始まりの神話を語ろう……」


そう仰って語るのは創世の物語。女神の国生み、戦神たちの闘い、終わりの黄昏。まさか、我らが世界はこう創造されたなんて。


「初耳でした」

「さっき適当にでっち上げた創作だからね。そりゃ初めてだろ。えっ、信じた?」

殴っといた。


お題・誰も知らない創世譚



■2024年10月25日

この国には結婚した女性は髪を結い上げるという文化がある。


職人のスミスは、機織りのエマに結婚を申し込もうとしていた。プロポーズの言葉はもちろん「髪を結い上げてくれ」だと決めてある。


すると、バザールでちょうど彼女の姿を見かけた。


エマは髪を結い上げるための髪飾りを買っていた。


お題・君の髪が



■2024年10月25日

情報化社会。僕の住む島に、子供は自分しかいない。もちろん学校なんてないけど、高速ネットワークと教師AIのおかげで、高度な教育は受けられる。


けど、この島の外に他の子供、いや人類はまだ生存しているのだろうか。僕は「社会」というものを情報で知っていても、実際に目で見たことはない。


お題・情報となった社会



■2024年10月25日

今さらだけど、僕はラジオをよく聞く。けど引っ越した先は立地が悪くて、電波状態が良くない。その割に謎な外国のラジオが入ったりした。


今日は特に、どこへ合わせても騒音だ。

「もう、いい加減にしてくれよ」

「すまねえな」

とラジオから聞こえたのは、どこかの周波数か。ラジオ自身の声なのか。


お題・ラジオジャンク



■2024年10月26日

思えば、凄まじく早い出会いだった。初めてはお見合い。


時間がもったいない。断る気がないなら、さっさと結婚しましょうと、トントン拍子に挙式。


なんて冷たい人だ、この人とは仲良くなれない、と感じたものだけど。

「まさか別れるのは、こんな遅くなるなんてね」

と夫の墓に花を供えた。


お題・素早い出会い



■2024年10月26日

「器用」パラメーターによって、攻撃の命中率が変わるというけれど。俺は不器用だ。小さな細工など指が回らないし、字も下手糞。出来ることと言えば、ガキの頃からやってきた弓だけだ。

「いや、充分に器用だと思うぞ?」

十回連続で継ぎ矢になった的を見て、友人はそう呆れる。


お題・器用な命中



■2024年10月26日

かの大海賊は宝をどこかへ隠すと、地図を残した。その地図は一匹の蝶々の羽根に描いてある。


「というわけで、その蝶を見つけれはお宝ザックザクという寸法よ」

「で、肝心の蝶はどこにいるんだ?」

「羽根に描かれた場所を目指して飛んでいるという噂だ」


お題・宝蝶

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