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■2024年10月5日

酷い母親だ。遊び回って借金を作り、娘を捨てて逃げた。あげく病気に倒れて、連絡したのが娘のところ。恨まれて当然。


しかし寝たきりの私を、娘は甲斐甲斐しく看護してくれた。恐る恐る尋ねる。

「なんで私を」


すると娘は手錠で私をベッドに拘束した。

「ずっと、お母さん『役』に憧れてたの」


お題・憧れのお母さん



■2024年10月5日

マクスウェルの悪魔。分子運動を司ると言われる悪魔は実在した。


皆さんもエアコンがどう部屋を冷やすか不思議に思ったことはないだろうか。実は各家庭のエアコンの中には悪魔が入っているのだ。


今年は猛暑で酷使され、さすがの悪魔も過労気味だ。

「来年も猛暑らしいから頼むよ」

「この悪魔!」


お題・マクスウェルと悪魔



■2024年10月6日

とあるアイドルのライブ会場。

「陰陽師アイドルグループなんて、色物かと思ってたけど。輝くものがあるよ。特にセンターの娘がいいね。どこから見つけてきたの」

「いえ、注目すべきは端っこの暗くて冴えない娘ですよ。ああいうのを入れることで、センターが映えるという」

「げ……芸能界の闇」


お題・陰陽師アイドル



■2024年10月6日

さすがに風が冷たくなってきたので、長袖のシャツを出した。つい先日、長ズボンの衣替えをしたばかりなのに。それにしても布団が恋しくなって、休日の朝ともなるとベッドから出づらくなった。


そうか、これが秋か。夏の猛暑の記憶が強烈過ぎて、今が秋だと忘れてた。せいぜい「涼しい夏」くらいだと。


お題・秋麗



■2024年10月6日

世界で最も美しい宝石がある。


ある時、狂った王妃が私の持つ宝石こそ世界一美しいと言い出した。もちろん美しさの基準など、人それぞれ。


なので王妃は国中の宝石を打ち砕かせた。あげく他国に戦争を仕掛けてまで、宝石を砕かせた。


結果、世界に宝石はこれ一個のみ。ゆえに世界で最も美しい。


お題・世界で最も美しい宝石



■2024年10月6日

そこで雨は木に生る。


葉は霧で、花は雨雲。やがて果実の水滴が垂れて垂れて、ぽちょんと雨になり地へ落ちる。


ところが雨として落ちた水は、雨の木の根が全て吸い上げてしまう。


だから雨の木しか、そこでは育たない。あたり一面砂漠となった中、ただ唯一、雨の木だけがそそり立つ。


お題・雨の木



■2024年10月7日

僕らの住む港町は、霧の日が多い。今日は特に濃霧でこれは航行不能だなと思ってたら、霧笛が鳴った。うちの窓から海を見ると、ゆっくり大きな船のようなものが港から出て行く。と同時に霧も引いていった。


なるほど。霧を出すアイツがたまに港へ停泊するから、この町は霧が多いのだな、と納得した。


お題・霧の港町



■2024年10月7日

牧場にて。

「何だか変わった鳴き声の馬がいるな」

「あいつ犬に育てられたから、自分を犬と思い込んでるんだよ」


数年後。

「あの犬みたいな馬はどうした?」

「もう年だから殺処分されて……」

「ああ残念だ」

「今お前が食ってる」

と私は食べかけのホットドッグを取り落とした。


お題・うまドッグ



■2024年10月7日

冒険者が見つけたのは、無限に刀身の伸びる魔法の剣。伸びるだけで、特に名剣というわけではない。また伸ばし過ぎれば当然、使いにくくなる。


しかし冒険者は気付いた。こいつの刃はいくら折っても伸びてくる。


そして冒険者は折った刃を打ち直し。新しい剣として売り、大儲けしたという話。


お題・長



■2024年10月7日

親友のn氏から連絡。失恋したから愚痴に付き合え。仕方なく行ってやる。

「いい加減、その恋は諦めたらどうだ」

と言っても聞く様子はない。代わりに聞き返してくる。

「奥さんとは仲良くやってるのか」

「毎日アツアツだよ」


n氏は妻に恋をしている。そして、ずっと失恋し続けている。


お題・長

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