641~650
■2024年9月25日
帰宅すると玄関のセンサーライトが点灯する。つるべ落としではないが、確かに暗くなるのが早くなった。
まだ昼日中は暑いけど、夕闇の濃くなったぶんだけ、肌に秋を感じる。
お題・長い夜
■2024年9月26日
「出張の経費お願いしまーす」
と経理さんに領収証を渡したら、背後にルーレットがある。
「ダーツを投げて、経費が支払われるか、どうか決まります」
結果は外れ。ふざけるな。
と気付いた。経理の机に「ダーツ代」という領収証がある。
「これを作るために、会社のお金を使い過ぎたんですよね」
お題・領収証ダーツ
■2024年9月26日
いつの世でも戦士階級とは特権階級であった。だがそれは自らの命と引き換えに共同体を守ってきたからこそ。
「そんな風潮に戦士として反対するぞ!」
「ほう、お前らは何と戦う戦士だ?」
「タカった金で毎日ダラダラ食っちゃ寝、親家族近所の世間体からの冷たい目とずっと戦ってきた!」
「帰れ」
お題・戦士の特権
■2024年9月26日
神から魔法の王冠を授かった。この冠を戴けるのは真の王のみ。でなければ死ぬ。
数多の者が冠に挑んだため、王家の血は途絶えた。今や王になりたがる者すらいない。
仕方なく国民は自分たちで政治を始めて、今や百年目。人の力だけで平和を保ってきた。この国の民は神も王も信じていない。
お題・闇に浮かぶ王冠
■2024年9月26日
野球選手は浮かぬ顔をしていた。彼は病気の少年と約束する。ホームランを打ったら手術を受けるんだよ。そして野球選手はホームランを打ち、少年の手術も成功した。
けど前は打てる気がしなかったのが、偶然ホームランになっただけ。次のホームランが打てた時、野球選手はやっと晴れやかな顔になれた。
お題・ホームランが打てたなら
■2024年9月26日
帰宅すると、まだ部屋は暑いから、すぐクーラーを入れる。それが夜になると秋らしい涼しさになるから、窓を開けて網戸にできる。
まだ少し、むっとした空気。けど我慢できる。この夏はずっとクーラーをつけて寝ていた。それを扇風機で寝られるのが秋の涼しさになるとはなあ、と笑ってしまう。
お題・秋扇
■2024年9月27日
「その国は椅子が支配している。椅子だけが国のトップに存在し、実際の権力を扱う人間が代わる代わる座るのだ」
「姿勢補助具が国体のトップだとは、地球人も変わってるね」
「ああ、それ玉座のことですか」
お題・国の椅子
■2024年9月27日
王国を覆い尽くす深い森。そこには幻獣が棲むと言われてきた。人々は恐れ森に入ろうとしない。
ところが王命により森が切り拓かれることとなる。すると幻獣なぞ出てこない。きっと捻れた枝葉、木陰の見せる錯覚なのだと、人々は納得した。
その様子を見ていた幻獣たちは、宵闇の国へと消えていった。
お題・森の幻獣
■2024年9月27日
「物質転送装置を発明したよ。さっそく中に入ってくれ。成功すれば遠くの転送装置と入れ替わるはずだ」
「安全性とか大丈夫だろうな」
「そこは問題ない。さあスイッチオン!」
「成功だ!」
「……まさか自分を入れた転送装置のガワの方が転送して入れ替わって、自分が移動しないとはなあ」
お題・転送される物質
■2024年9月27日
「勇者の剣を打てる鍛冶屋はこの森に?」
「魔王を倒せるのは勇者の剣のみ。そして勇者の剣を持てるのは選ばれた勇者のみ」
「あれ? じゃあ、どうしてその鍛冶屋さんは勇者の剣を作れるんだ」
「彼こそ先代勇者ですから」
「それ、もしかして僕も勇者の後は鍛冶屋にならないといけないパターン?」
お題・勇者の鍛冶屋




