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■2024年9月19日
帰宅すると夕食は赤飯を炊いていた。
「めでたいことでも?」
すると妻は答える。
「赤ちゃんができたの」
「そりゃ良かった!」
喜びの声を上げてから疑問が生じた。あれ、僕ら前に寝たのはいつだ? かなり御無沙汰だぞ。
「不倫相手、経理のn山さんでしたっけ、綺麗な方ね」
お題・苦難の誕生
■2024年9月19日
騎士は旅から戻る途中。立ち寄った城にて驚くべき知らせを聞く。自分の故郷は悪しき魔法使いによって滅ぼされたというのだ。
馬鹿な。すぐに馬を走らせようとして立ち止まる。故郷はどこにあった?
これぞ魔法使いの術。人々の記憶からも故郷は消え失せたのだ。騎士は無き故郷へ涙するのみだった。
お題・失われた故郷
■2024年9月20日
「有名な怪談師にライブをやってもらうことにしたの。知り合いから、あの人だけは止めた方がいい、霊が……なんて言われたけど。結局、ライブは成功。けど恐ろしかったのは終わってから。渡されたい請求書には零か並んでて、恐ろしい金額。思わず悲鳴をあげてしまったわ」
「こわーい」
お題・オカルト請求書
■2024年9月20日
最近太ってしまった。糖質制限で三食サラダしか食べないことにする。すると気付いてしまった。ドレッシングは案外とカロリーが高い。なので塩のみで食べていたが、やがて生野菜のみで食べるようになる。すると野菜のカロリーすら気になってきた。
「その結果がこれよ」
「何もない、皿だ」
お題・体に悪いサラダ
■2024年9月20日
気象庁は大騒ぎだ。
「また台風の進路が変わりやがった!」
「日本に張り出した高気圧が」
「偏西風はどうなった」
「だから、逆戻りするなや!」
台風の進路予報で、気象庁は今宵も大忙し。台風予報は嵐を呼ぶぜ。
お題・台風の予報
■2024年9月20日
ご先祖様はテロメア操作能力を持っていた。何で知ってるかって、子孫にまで伸ばしたテロメアが遺伝してるからだよ。当の本人は生きるのに飽きたら、さっさと亡くなりやがって。残された子孫はどうなる。テロメア操作能力がないんだぞ。
全く余計なことしやがって。蛇足にしても伸ばし過ぎだ。
お題・蛇足の遺伝子
■2024年9月20日
「新勇者よ、先代勇者の使っていた鎧で戦ってくれないか」
と王様に言われたが。百年間、全く手入れをしなかったらしい。紐や布部分はボロボロ。錆が浮き、埃まみれ。昔は強かったんだろうけどさ。
「先代の鎧じゃから強いに決まってるんじゃ!」
断ろうにも断り切れない。王様の押しが強すぎる。
お題・強い鎧も
■2024年9月20日
後ろから誰かが私をつけ回す足音がする。見ると地面に爪のある恐ろしげな獣の足跡。何か姿の見えないモノが私を追いかけているのだ。
そして足跡は日に日に、私に近づいている。きっと明日には私と重なるだろう。もしかして私こそが獣の正体なのかもしれない。
お題・私の後ろの怪物
■2024年9月21日
「亀裂ウォッチャー?」
「ハマってるんだ。人間関係が元で破綻寸前のサークルの様子を皆で見て楽しむのが」
「また悪趣味な」
「けど近頃、いかにウォッチするかの派閥ができちまって、このままだと亀裂ウォッチャーの集まりがなくなってしまう……」
「なくなれば良いんじゃないかな」
お題・亀裂ウォッチ
■2024年9月21日
新学期。我が学年は全員で百人。友達百人できるかなと言うけど無理に決まってるじゃない。だから
「おお真理の扉よ、友達を錬成したまえ」
「遂に完成。タンパク質プリンター」
「あらゆる可能性世界よ、我が友を連れてこい」
結果
先生「この学年、一万人も生徒がいたっけ?」
お題・百人生成




