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■2024年9月4日
「瓦や藁の代わりに、フォークで屋根を葺いてみたよ」
「軒先にいたら、フォークが落ちてきそうで恐いな」
「フォークボールみたいに?」
「大体なぜフォークで屋根を葺こうと思いついたんだ。雨漏りするだろ」
「そこの意見は分かれるところかもね。フォークみたいに」
お題・フォーク屋根
■2024年9月4日
あいつに彼女ができた時は、いつか別れるかもと淡い期待を抱き続けた。それから数年、結婚式の招待状が届く。
一晩泣き疲れて翌朝、スッキリした自分に気付く。そうか、ズルズル引き伸ばしてきた恋を、やっと終われるのだ。
そんな自分が滑稽で、嬉しくて、笑えてくる。
お題・失恋の旅立ち
■2024年9月4日
その国の王はネクロマンサーだ。そこで死んだ者はアンデッドとなり永遠に働くので、生きる者は働かないで済む。
だが全ての人がアンデッドとなり、魂が輪廻しないからか。その国では赤ん坊の数が少なくなっている。きっといつか生きる者はいなくなり、アンデッドだけが動く国となるだろう。
お題・死にゆく国
■2024年9月4日
「姫に勝利の花束を」
と誓ったのに、騎士は戦争に勝てず、母国は姫もろとも灰燼と帰した。
敵国への憎悪で幽鬼と化した騎士は各地を彷徨う。そして人々を襲い、首級を奪うのだ。
片手に血塗られた剣を、もう片手には首級でできた花束を。捧げる者を亡くした彼を人は「花束の騎士」と呼んだ。
お題・花束の騎士
■2024年9月4日
回復魔法の回復とは何を基準にして戻しているのか。ある神学者が、天界にある人間の理想形、イデアが基準になっているのではという説を出した。
そこで実験が行われる。死刑囚に回復魔法を重ねがけしてゆく。すると人としての輪郭はぼやけ、やがて発光し。最後には閃光となって辺り一面を消滅させた。
お題・天国へ至る階段は
■2024年9月5日
ベテラン船乗りにして、海の勇者と呼ばれる男がいる。数多の航海路を開拓。クラーケンの討伐。リヴァイアサンと邂逅しての生還など、功績は多い。
そんな彼に子供が質問した。一番恐ろしかった海の魔物は何だったのかと。すると彼は即答した。
「そりゃ荒れ狂う海よ」
お題・海の勇者
■2024年9月5日
彼と私との愛の結晶が誕生した。光を通すときらきら、透明な六角柱の形をしている。
私は毎日、結晶の世話をした。常に話しかけ、何度も磨き上げる。
結晶の世話に夢中なものだから、彼は怒り出した。自分は放置かよと。そして家を出て行ったが関係ない。
だって私には愛の結晶があるのだから。
お題・愛の結晶
■2024年9月5日
コンパの罰ゲームでなんやかんやあって
「じゃあさ、もうノリで私たち付き合っちゃう?」
と恋人になった。
「それが結婚とはなあ」
旧友が呆れる。
「ほら行くよー!」
と妻の声に
「にしてもお前、尻に敷かれてそうだな」
とからかわれた。だから答える。
「まあ妻のノリが良いからなあ」
お題・ノリで付き合っちゃう?
■2024年9月5日
人類は晩年になり科学の総力でもって壊れない時計を作った。
やがて人類が滅び、地球が太陽系が滅びるとなった際。時計はコンピューターの自己判断で外宇宙へ脱出する。時計はとうとう知的存在へ進化しても、時を計り続けた。
現在人類がいなくなって○時間……。
もはや人とは何か誰も忘れたのに。
お題・おじいさんの時計
■2024年9月6日
故郷の村には古いだけの寺があり小さな塔もあった。けど海沿いの村だから潮を防ぐため、黒い焼板で建てられて、えらく貧相に見える。
けど夏至の頃、夕日がちょうど塔にさしかかり輝いて見えた。「曜」とは日に輝く様。そこから村人は宝石に例えて、「黒曜の塔」なんてシャレた名前で呼んでたっけ。
お題・黒曜石の塔




