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■2024年8月30日
ゴールドドラゴンはかつて強敵だったが、横方向への移動に弱いと判明した。しかもその情報が広く明かされる。こうなると狩り放題。経験値も素材も美味しいということで、絶滅しかけた。そこでギルドは禁猟を布告。免許制とすることにした。
免許試験後。
「いやー、今回の試験問題は強敵だったな」
お題・ザコと分かって
■2024年8月30日
ずっと私があいつの手を引っ張る役だった。それが今じゃ高校生。
車に飛び出しかけて、「危ない!」とあいつに手を引かれる。その時の力強さと、骨張った手の感覚がまだ残っていた。
そうか。あいつも大人の男になってるんだよな。じゃあ私は?
自分の心が何者かに引っ張られているのを感じた。
お題・あなたの手を引く
■2024年8月30日
王様がまた無茶を言い出した。風船を沢山つけて、城を浮かせるのだ。
王様のわがままにも呆れた国民は一計を案じる。この城は王あってのもの。王なくて城はなし。と玉座に風船をつけて、王様ごと空の彼方へ飛ばしてしまった。
かくして王様はひとりぼっち、空の国を治めている……のではないかなあ。
お題・天空の城
■2024年8月31日
八月末にして夏休みの宿題が終わってない。一応明日の九月一日は日曜だが、この程度で終わる気もしない。
お前という奴は毎年この有様だ。貴様に課せられたのは宿題ではなく、もはや宿命。このサガから逃げられぬなら、いっそ有意義に遊んだ方が……
「スマホいじってないで、手を動かせ」
「はい」
お題・夏休みの宿題
■2024年8月31日
「究極の無人航空機を作りました!」
というから使ってみたら、デタラメな方向へ飛んで行く。これはどうしたことだと詰問すると
「人の思い通りになるようでは、無人とは言えないので」
などと屁理屈こねだした。
けしからん。あいつへの開発費は打ち切ろうとしたら、既にドロンと雲隠れしていた。
お題・ままならないドローン
■2024年8月31日
好き好き大好き、一生あなたを愛してる。なんて言ったけど、ごめんね、あれは嘘だったみたい。
あなたが肺病で逝ってからも、思いは募るばかり。私は結局、再婚もしないまま。すっかりお婆ちゃん。
だから今こそ胸を張って言える。あなたの一生が終わっても、あなたを愛していましたよ。
お題・一生ぶんより愛してる
■2024年8月31日
我がM大学には、内容を理解できてしまうと破滅する本というのがある。私も読んでみたが、冗談ではない。あれは本ではなく扉にして鍵、宇宙の果てにて眠る紡錘形だ。
あの本を読んで以来、私の傍には名状しがたい陥穽が立ち竦んでいるが、誰も見えないという。けど私は本を読んでないのだから大丈夫。
お題・分からない本
■2024年9月1日
猫は航海の守り神。というわけで猫の形をした灯台が造られた。灯台のてっぺんが猫の頭になっており。夜になると、目から光線を放つのだ。
しかし灯台として欠陥があり、猫の目のように光量が安定しない。
それでも船乗りたちは、もともと灯台のない海域だ。猫の手でも借りてるさ、と重宝した。
お題・猫灯台
■2024年9月1日
冒険者ギルドで、ひとりぼっちの戦士がいた。どうやら「仲間殺し」の異名を持つらしい。しかし緊急だからと手を借りることにした。なかなかの腕前で、気も利く奴だ。
それにしても
「俺たち最高の相棒になれそうだ」
「お前は必ず守る」
「夢、叶うといいな」
こいつ、殺し文句が多すぎる。
お題・仲間殺し
■2024年9月1日
王様が川に石橋をかけた。しかし慎重な性格なので、まずはハンマーで叩かせて耐久性を見る。
「頑丈な橋でした」
まだ王様は安心しない。今度は象にハンマーを持たせて叩かせろという。
仕方ない、象を呼ぶしかないか。と南国へ使いを出そうとしたのを、王様が引き留めた。
「象が暴れないかな?」
お題・石橋を象で叩いて渡る




