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■2024年8月20日
私はいい女だ。だから高収入イケメンの夫を手に入れ、タワマンに住み、子供の成績も良く。けど考えてしまった。私ほどのいい女が、この程度で満足していいのか。
「それがアタシを捨てた理由?」
大人になった娘が私をなじる。なんで私が責められないといけないんだ。私はいい女なのに。
お題・私はいい女なので
■2024年8月21日
「では裁判を始めます。被告の訴えによると、宝くじを買いすぎたため損をしたとのことですが……」
「裁判、負けちゃいましたね(そりゃ勝てるわけがないよ)」
「お前がもっと頑張れば勝てたんじゃないか? くそっ、ヘボ弁護士を引いちまった。宝くじも当たらないし。なんて俺は運がないんだ」
お題・宝くじ弁護士
■2024年8月21日
魔族の正体とは少数民族である。そういうフリをすることで、国内の結束を高めるため、王が密かに雇っていたのだ。しかし、すっかり治安も良くなった。
「というわけで魔族の契約は今年いっぱいで終わります」
「待ってくれ、じゃあ我らはどう食ってけばいいんだ?」
「と言われても」
「この悪魔!」
お題・魔族はつらいよ
■2024年8月21日
親の決めた結婚は華族の定め。とはいえ夫がどんな人か分からないまま結婚してしまった。夕食でもと思ったけど、彼が何を好きなのかも知らない。
すると「カフェーでもどうだ」と誘われた。
カレェライスを頼むと。「好物なのかい」と問われる。
ああ、彼も私のことを知らない、お互い様なのか。
お題・お互いをよく知らないまま
■2024年8月21日
私は命を狙われている。雪原についた獲物の足跡を追う狼のように、アイツは必ずやって来る。
私はナイフを研ぎ、銃弾を込める。アイツが足跡を追うなら、私は足跡を辿るアイツを追ってやろう。私自身が囮で、狩るのも私。
私は今から狼をも食い殺す獣になると誓う。
お題・黒犬
■2024年8月22日
飴玉を植物の種と勘違いした男がいた。
「なんと美味いんだ。これは育てて収穫したら大儲けだぞ」
と一粒持ち帰り、土に埋めてみた。
当然ながら虫がたかり、何も芽吹かない。
「虫に食われちまったか。こんな美味いもんな。なかなか難しい。世の中そんな甘い話はないということか」
お題・甘い種
■2024年8月22日
どいつもこいつも馬鹿正直に渋滞道路に並んでご苦労様だね。俺は賢いから自動車に風船をくくりつけた。これで渋滞をひとっ飛びだ。
と思ったらハンドルを回しても、エンジンを吹かしても、好きな方へ行かない。風船まかせ、風まかせ。
仕方ないから風が来るまで、車で待つか。
お題・風船自動車
■2024年8月22日
弓は矢になりたかった。矢になって、どこかへ飛んで行ってみたかった。
そこで無理を言って自分も羽根を付けて、矢に加工してもらう。そして他の弓に飛ばして貰ったが、元が曲がった体。足下へぽてりと落ちてしまう。
弓はどこかへ飛ばすのが仕事。無理に矢となっても、どこへも行けなかった。
お題・矢に憧れた弓
■2024年8月22日
僕が先に好きだったのに。夏休みが終わると、腐れ縁の彼女に恋人ができていた。僕ら、いい感じじゃなかったの?
馴れ馴れしく彼女の肩へアイツの手が回され、また彼女も嬉しそう。
どうしてなんて分かってる。彼女へ思いを伝えなかったからだ。僕だけが好きだった、その先がなかったことに気づく。
お題・僕が先に好きだったのに
■2024年8月22日
「どうしたの?」
「お土産に貰った牡蠣を若社長が独り占めして、全部持って帰ってしまったんです」
「あの人は譲り合いの精神が分からないというか、いつまでも子供気分だな」
「クソガキですね」
お題・牡蠣独り占め




