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■2024年8月12日

墓参りの前にホームセンターへ寄る。しきびを供えるにも、今の時期だと墓に供えた日の内に煮え野菜となってしまう。皆、同じ考えらしく、造花も売り切れ寸前となっていた。


しきびのあの清涼な匂いは嫌いじゃないんだけどな。彼岸が来ても暑いから仕方ない。


代わりの匂いとして線香も一緒に買った。


お題・草市



■2024年8月12日

エアコンの設定を下げすぎた上、寝違えたか、首筋が痛い。仕事の合間に腕をぐるぐる回し、ぐーっと首も伸ばす。ああ、気持ち良い。


「肩こりかい?」

「どうもエアコンで冷えすぎたみたいで」

目の前にいたのは社長だった。別に悪いことしたわけではないのに気まずい。


ああ、空気がひやりとした。


お題・肩こりエアコン



■2024年8月12日

深山幽谷の奥で、遂に天界への扉を発見した。しかし扉には避難誘導灯がついている。逃げて扉をくぐる人と、矢印の、緑に輝くアレだ。


途端に気味悪くなる。我々の世界には、避難しなければならない何かがあるというのか。


扉の向こうを冒険しようと思っていたが止めた。そいつを見る方が面白そうだ。


お題・夏への非常口



■2024年8月13日

nの奴が怪物に遭ったという。とてつもなく恐ろしい姿をしているという。あまりに怯えるから

「とりあえず名前をつけよう。『ぷーすけ』とかどうだ?」

と提案すると、変な名前に気が楽になった様子。


だがしばらく経つと「ぷ」の一語を聞いただけで

「世にも恐ろしい名前だ」

と恐がるようになった。


お題・恐怖の名前



■2024年8月13日

絶世の美女と言われた私も、とうとう歳で魅力値が減りだした。こうなると教養値といった内面がいかに大事か気付かされる。


なのに娘と来たら、生来の美貌で毎日遊び呆けている。見かねて説教するも失敗してしまった。


説得ロールは魅力値を基準とするから仕方ないわ。やはり人間、魅力値が全てね。


お題・魅力の説得力



■2024年8月13日

感情を顔に出すのは失礼だということで、抱いた感情をアイコンとして頭の上に映像で表示するようになった。


しかしこの機械が故障。操作通りの感情アイコンが出なくなった。なのに世間は混乱もないまま。


結局、人はいちいち他人の顔色を見ながら行動なんてしない、と分かったのだった。


お題・感情ポップアップ



■2024年8月14日

僕はポケットに何を入れるか、毎日の予定を立てている。さっとポケットから物を出せる快適生活が自慢だ。


ところがライバルが現れた。アイツは常に鞄を持ち歩いていて、僕より沢山の物を持ち歩いている。おかげで僕の出番はなくなってしまう。


ポケットの予定にエアポケットができてしまったようだ。


お題・ポケットスケジュール



■2024年8月14日

彼女はいわゆるツンデレだ。僕がどれだけ愛の言葉を呟いても、全て悪口罵倒で返ってくる。


周囲の人はそんな彼女に呆れている。けど僕はそれが彼女の愛情表現だと知っている。


それは結婚し、子供が産まれ、こうして死の間際に僕の手を握り涙を流していても変わらない。これが彼女の愛情表現だから。


お題・デレのないツンデレ



■2024年8月14日

主君を失い、騎士崩れで山賊となった。しばらくは盗っ人生活も上手くいっていたが、連日の大雨。すると根城にしていた山が崩落、街道を塞いでしまった。仕方ないから傭兵働きでもするかと人里へ下りる。しばらくすると、変なあだ名を付けられていた。


騎士崩れの山賊崩れ、こいつはまさに山崩れ。


お題・山賊くずれ



■2024年8月15日

呪われた鎧を着てしまい、外せなくなった。寝るにも困るし、風呂にも入れない。


大金を集め、ようやく高レベルの僧侶に解呪を頼んだ。しかし呪いが解け、鎧が外れた途端、猛烈な悪臭が教会に漂う。何年も風呂に入れなかったから、そうなるよな。


以来、俺は臭い男という悪評が外れないでいる。


お題・呪われた鎧

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