表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/240

401~410

■2024年8月1日

魔王討伐の仲間を求めて勇者は神殿に来た。そこで見たのは、幼く見習いながらも、膨大な魔力を持つ聖女。彼女を是非仲間にと頼むも、神殿長に断られる。そして、こっそり見せてくれた。親からの手紙を抱きしめ泣いている聖女を。


「彼女にはまだ何の覚悟もない。だから、見習いのままなのですよ」


お題・まだ見習いの聖女



■2024年8月1日

隣領との戦が始まる。緊張で皆の表情が固い中、初陣の若君は満面の笑顔だ。


不思議に思った老将は尋ねてみる。

「若は豪気ですな」

「いやな、隣領といえば人質に取られた弟が、そのまま養子になっているだろう。奴も初陣らしい。会えると思うと嬉しくてな」

と刃を交わす支度をするのだった。


お題・戦中で会える



■2024年8月1日

軍用マッサージチェア? これのどこが。ガンホルダーがある。これだけでは軍用とは言えないだろ。


あっ、でも気持ち良いな。ああ~、背筋が伸びる~。


何? 将軍がコイツで背筋を伸ばしている間に、戦線も伸びきった。


縁起でもない!


お題・軍用マッサージチェア



■2024年8月1日

夏の日差しが強くなり過ぎて、遂に帽子では通用しない。日傘も面倒。結果、笠を誰もが使うようになった。


しかし笠では今いちダサい。そこでアパレルでは日傘帽子として売ることに。そのうち笠は忘れられた。だが名は略される。


親が子供にを声かけた。

「外出るならカサをかぶって行きなさい」


お題・夏帽子



■2024年8月1日

未来を映す魔法の鏡があった。噂を聴いたお妃様が鏡を覗くと、醜く老いた自分の姿がある。


「こんなの間違ってる!」

以来、お妃様はどうすれば醜く老いないか。ありとあらゆる手段を試した結果、体を壊してしまう。


人々はあんな鏡さえ見なければ、お妃様も美しいままだったろうにと噂した。


お題・曲げられた鏡像



■2024年8月2日

「悪のみを斬る聖剣」でもって勇者は魔王を討ち果たす。しかし権力を簒奪されるのではと恐れた王により、勇者は謀殺される。なにせ勇者は「悪しか斬れない」から、安心してなぶり殺しだ。


……ああその通り。


俺たちが戦っている相手の正体とは、その「悪である人類を皆殺しにする聖剣」さ。


お題・裏切りの聖剣



■2024年8月2日

「剣聖は剣を選ばず」というが、実際の剣聖は古今東西の妖刀魔剣を収集、使いこなしていた。死後も邸宅にはコレクションが残る。


だが近頃、邸宅から大事に隠された一振りが出てきた。それは手垢のついた単なる木刀。


誰も知るまい。幼い少年が剣聖を夢見るきっかけとなった、「良い感じの棒」だと。


お題・隠された憧れ



■2024年8月2日

そろそろ私たち夫婦にも子供が欲しいよねという話になり、市役所へ行くことにした。近頃は妊娠するにも許可が必要なのだ。


散々たらい回しされて、ようやく手続きが終わった。さあ妊活しなきゃ。


「あ、妊活はまた新しい課が出来ましたので許可を取って下さい」

役所も、面倒を産むのは早いのね!?


お題・お役所妊活



■2024年8月2日

工場勤めだと室内とはいえ、スレート屋根が焼けて屋外より暑くなる。だから昼休みの屋外、それも木陰は天国とすら言える。


夏の強烈な日で、陰はより暗く見えた。怪談の幽霊が出ても不思議じゃないくらい。


だが! 涼しくなるなら、幽霊でも今はドンと来いだけどな。さー、また午後から仕事だ。


お題・より暗い緑陰



■2024年8月2日

信じてもらえないだろう。故郷のバスはピアノで出来ていた。座席は鍵盤で、人が座って山道で揺れるたび、ぽろんぽろんと曲を演奏する。


さすがに今はバスも廃線になって、誰も存在すら憶えちゃいない。


ただバスがあった証拠に、今でもあの曲を忘れていない。たまに歌いながら故郷を思い出すんだ。


お題・ピアノのバス

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ