391~400
■2024年7月30日
邪神復活、宇宙人襲来、大怪獣と数ある世界滅亡の危機にヒーローは対処してきた。結果
「世界滅亡の危機も何十回目だよ。戦ってるの俺だけだし。もう動きたくない」
ウンザリしていた。
これを聞いた国防軍長官は青ざめる。
「ヒーローが世界滅亡の危機に疲れて、世界が滅亡の危機だ!」
お題・世界滅亡疲れ
■2024年7月30日
「満員電車の配車サービス? そんなの、わざわざ頼む人がいるのか」
「割と人気なんだよ。満員電車なら乗車賃も低くなるし」
「ならアリなのかな。よし、じゃあ一丁頼むよ」
「待ってくれよ……おや。配車中止だって?」
「なぜそんなことに」
「どうやら人気過ぎて、予約が満員らしい」
お題・満員電車配車サービス
■2024年7月30日
コンビニへ行ったら、夕立に遭う。けど構わない。どうせ手荷物なんてないし。スマホだけビニール袋に包んだら、濡れて帰ろう。
もう何日ぶりの雨か。これで涼しくなってくれたら嬉しいのだけど。僕は身に雨を受け歩く。服は後で洗濯したらいい。
ベランダに干しっぱなしの服も洗濯やり直しだからな!
お題・夕立に唄えば
■2024年7月30日
賢者から弟子が受け継いだのは際限なく物事を記憶できる「無限書庫」の魔法。
これを賢者は知恵の引き出しだと教えた。しかし弟子は知恵を仕舞うのが大事だろうと。引き出し方の話を聞いてなかった。
結果、彼は老いてから後悔する。憶えたことが多すぎて、何を記憶したか分からなくなったから。
お題・無限の引き出し
■2024年7月30日
「n君の幼なじみなんでしょ? 好きになったから紹介してくれない」
その場では首肯したが。後になって胸が苦しくなってきた。
なぜかなんて考えるまでもない。そうか、私は嫉妬しているのだ。
そうと決まったら、紹介するというのも断らないと。きっと当たり散らされる。けど覚悟はもうできていた。
お題・覚悟の天秤
■2024年7月31日
彼は女たらしだ。分かっただけで私以外の女と五又をかけていた。私だけと言ってたのに。
さすがに別れを告げると、彼は承諾する。軽く、あっさりと。
あんな浮気者、別れて清々した。途端にこぼれ出す涙と後悔。別れたくなんて、なかった。
ああ、彼は本当に女たらしだ。
お題・本当の女たらし
■2024年7月31日
エロトラップダンジョンの噂を聞きやって来たら地獄だった。捕まっているのは男ばかり。
「ちょっと噂を流せば釣られるバカな男たち。安心して頂戴。ここの記憶は消してから出してあげるから。そして他のイイ男を連れてきてね」
迫るガチムチのモンスター。えっちな噂こそが罠だったのか。助けて。
お題・エロトラップのダンジョン
■2024年7月31日
「欲しいものが多くて、ヘソクリが貯まらないんだ」
「じゃあ買ったつもり貯金ということで、欲しいものを紙に書いたら、その分を貯金したらどうだ」
その後。
「かなり貯金できたよ」
「良かったな」
「けど欲しいものを書きすぎて、欲がなくなってしまった。何か私の欲しくなりそうなものないか?」
お題・煩悩ヘソクリ
■2024年7月31日
崖から落ちそうな男がいるのを悪魔が見かける。
「高い場所は恐いか」
「高所恐怖症で」
「もっと恐がらせてやる」
悪魔が魔法を使うと、崖は高くなる。山を越え、雲を抜ける。
「どうだ恐いか」
「落ちたら死ぬので変わりませんね」
代わりに魔法を使い過ぎた悪魔が疲れて崖っぷちになってたとさ。
お題・どんどん高くなるクリフハンガー
■2024年7月31日
夏練の帰り道。
「汗が凄いぞ」
「だって仕方ないじゃない! 恥ずかしかったんだから」
からかいながら、彼は私に塩分補給だと塩飴を投げてよこした。
口に放り込んだ塩飴はクエン酸入りの酸っぱい奴。思わず口をすぼめる。
なるほど。初めてのキスはレモン味とはこういうことかと私は納得した。
お題・塩飴クエン酸入り




