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■2024年7月11日
悪友はどうやら夏休みが待ちきれない様子。
「お前どこ行くんだ? 俺はやっぱ海かな。彼女作りてえ~」
「俺も海だよ」
「そうだよな。ああ、夏の解放感! なんなら一緒にナンパすっか?」
「あ、いや俺は家の手伝いで夏中ずっと海でバイト……」
「束縛の夏……」
お題・夏の解放感
■2024年7月12日
「その事件、吾輩が解決して見せよう」
「あなたは探偵ウロボロス!?」
「なんだその格好いい名前」
「ウロボロスとは自らの尻尾を食らい輪となった蛇で、無限の象徴」
「ますます格好いい」
「その名の通り彼の関わった事件は堂々巡りとなり、無限に解決されることがないという」
「つまみ出せ」
お題・ウロボロスの探偵
■2024年7月12日
「この酒場では冒険の仲間を紹介するぜ」
「腕のいい魔法使いはいないか」
「生憎、今はいないな」
「じゃあ戦士を」
「それもいない」
「じゃあ誰を紹介できるんだ」
「実は人手不足でなあ。誰もいない」
「なんだい。まあ仕方ない。酒飲んで帰るか」
「飲食業務も人手不足で停止してるぜ」
お題・紹介所の欠乏
■2024年7月12日
ここは死期を悟ったゲームが自ら訪れるというゲームの墓場。辺りには忘れ去られたクソゲーの白骨死体が転がる。
哀れに思い、せめてもの供養。骨を拾うつもりで、遊んでやることにした。
……面白くねぇ~。まさしく無駄骨、骨折り損のくたびれ儲けだったわ。
お題・ゲームの骨
■2024年7月12日
天才と呼ばれたデスゲーム主催者がいた。彼の主催するデスゲームは絶妙かつ残虐、多くの観客を沸かせる。
彼の作るゲームはどんどん難しくなり、単なる処刑ショーと化した。すると観客も興ざめ。天才と呼ばれた男はそれを、参加者と観客の質が悪いせいにする。
人々は男の才能が死んだのだと噂した。
お題・天才デスゲーム主催者
■2024年7月13日
県外の大学へ進学、就職。もう俺の顔を覚えてる奴もいまい。
俺もクラスでは陽キャだった。しかし腹が痛いのに、皆で卒アルの写真撮影しようぜという誘いを断れず……まあ悲劇的事故があったわけだ。
実家の庭で焚き火に卒アルを放り込むと母が驚く。
「何やってんの!?」
「悲劇からの卒業、かな」
お題・卒業アルバムの悲劇
■2024年7月13日
衛兵も長年やってきたが、なぜか将軍に呼ばれた。
「町の入り口に立っている人がいるだろう」
「どこにも『この町はナンタラだぜ』という人がいますね」
「あれはな、町の建設時から立ち続けている」
「待って下さい、じゃあ何百年……」
「そして今度、新しい町を建設予定でな」
嫌な予感がする。
お題・町に立つ人
■2024年7月13日
また夫がおかしな物を買ってきた。聖者の血を受けたセイハイ? 汚いコップねえ。洗っときましょう。何この頑固な染み、ああ血とか言ってたっけ。まあ私にかかれば染み抜きなんて朝飯前よ。中性洗剤を入れたぬるま湯に漬けて……
ほうら清らかな杯になりましたー!
お題・聖なる杯
■2024年7月14日
カフェ「飛び跳ねる」の、私はすっかり常連となっていた。
「変わった名前だよね。『飛び跳ねる』って」
「カフェとしてはごく普通ですよ」
疑問に思っている間にも、カフェ中に漂う薫り。
マスターは私にガラスポットを見せてくれた。
「ほら飛び跳ねてる」
なるほど、紅茶のジャンピング。
お題・飛び跳ねるカフェ
■2024年7月14日
冒険の仲間たちがプラカードを持っている。
「俺たちはもう命令を聞かないぞ」
確かに昨日の冒険は散々だった。俺が「ガンガンいこうぜ」と指示したせいで、全滅しかけた。
「今度からはもっと慎重に指示するからさ」
と謝る。
「しかしそのプラカードは誰の命令だ?」
サブリーダーが目を逸らした。
お題・命令撲滅運動




