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■2024年7月9日

他の人を好きになった。別れようという彼へ、最後のドライブをお願いした。よく一緒に走ったよね、なんて話してから別れる。


後日、彼があの高級車を手放したと聞いた。まだローンが残ってるのに。


そりゃあ私との思い出がべったり残ってたら、新しい恋人とはドライブできないよね。ざまあみろ。


お題・別れのドライブ



■2024年7月9日

ある候補者が選挙運動だと、街中に自分の名前が書かれたシールを貼ってまわった。しかしこれは選挙法違反。剥がすよう命令された。すると、その候補者は怒る。


「私が貼ったとは限らないでしょ。レッテルを貼らないで!」

「自分で貼るのは得意でも、貼られると嫌がるんだな」


お題・選挙のシール



■2024年7月10日

梅雨の終わりに激しく降る雨を「大糞流し」という。昔のことだから登山するにもトイレがあると限らない。それを梅雨明けの大雨で流し、綺麗にしてしまうというのだ。


それはそれとして僕は家まで走りながら

「油断した! 傘、持ってきてない! クソが!」

と大糞流しの雨に悪態をついた。


お題・大糞流し



■2024年7月10日

うちの双子はよく似ている。能力値は平均程度。けど、いつまで経ってもその能力値が同じまま。双子といっても、人生を送る中で差が出るものなのに。


それで気味が悪くなり司祭様に鑑定してもらった。

「なるほど。この子らは努力によって、同じ能力値を保っているようです。なんとズバ抜けた努力だ」


お題・非凡な平均値



■2024年7月10日

酷寒灼熱、広大な荒野の中、ぽつんと緑豊かな地がある。その地に住む人は幸福に暮らし、決して荒野のことを知らされない。


荒野で人々は飢え、修羅となり血を流し合う。少ない食料も全て、その地へ捧げられた。その地の平穏のため、無数の苦痛と怨嗟が巻き起こる。


その地の名を地獄と呼ぶ。


お題・楽園の一角



■2024年7月10日

ドラゴンは宝を溜め込むもの。しかし最近の財は紙幣と言って、紙で出来ているらしい。それでドラゴンも紙幣を溜め込んでみた。これはこれで悪くない。


そこへ宝を狙った賊が忍び込む。不埒な奴め。竜の恐ろしさを知るがいい。ドラゴンは炎の息を吐く。


あっ!


お題・ドラゴンの一億円




■2024年7月11日

梅雨明けは雷三日、その名の通り不安定な天気が続く。今まさに稲妻は光り、雨が窓を叩く。本格的な夏到来だ。


と浸ってたら母ちゃんに拳固食らわされた。


「今年こそ部活のレギュラーになるって言ってただろ。走りに行けないなら、他のことやりな。三日坊主は許さないよ!」

と雷を落とされた。


お題・雷三日



■2024年7月11日

敵対国に囲まれた帝国は徹底的な内戦作戦を採用。東西南北、すぐにでも兵員と物資を送れるよう線路を張り巡らせた。通称「大砲の道」である。


しかし四方から同時に宣戦布告され、まず狙われたのも「大砲の道」。敵の大砲により破壊し尽くされ、線路のあった場所には弾痕が続いた。


お題・大砲の道



■2024年7月11日

勇者は遂に古代王国の飛行船を発見した。これで、どこへでも自由に行けるぞ!


だが、さすがに修理しなければならない。資金が必要だった。


資金を集め、修理し、飛行船の航路を確立するのに苦労する。


気付けば、すっかり老いた勇者は呟く。

「歩いてどこへでも自由に行けた頃が懐かしい」


お題・飛行船、自由の翼



■2024年7月11日

遠征の隙を狙われ、故郷は魔物どもに焼かれた。号泣しながら、消し炭しか残らない主君を埋めて、騎士団は誓う。


我らこれより魔物どもへの復讐に生きよう。我らこれより人に非ず、一振りの剣。泣くのはこれが最後。もう涙は主君と共に、墓の下へ葬った。


よってこの地を、涙の墓所と名付ける。


お題・涙の墓

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