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■2024年6月18日
「竜の胆を食べたら不老不死になるという噂は本当かな?」
「さあ知らんな。だが貴様には不要だろう」
「なぜ」
「確実な死を前に、そんな口を叩ける。大胆不敵にも程のある人間なら、他の胆なぞ、もう必要はあるまい」
と怒れる竜は、飄々とした騎士に答えた。
お題・胆問
■2024年6月19日
「鑑定の結果、あなたの能力は『気の毒』です」
「ヒャハハ、気の毒だってよ……うっ、いきなり悲しくなってきた? 涙が止まらねえ~」
「我が能力『気の毒』は精神に作用する毒を大気中に無差別散布する!」
「やべえ逃げろ」
「以来、誰も私に近づこうとしてくれない」
「あら、お気の毒様」
お題・気の毒なチート
■2024年6月19日
「ゆるキャラ卓球大会。優勝はどの子か。やはり注目は卓球連盟のゆるキャラですね。なんと今大会のため卓球ランカーを召集。中に入っての特訓を半年に及びやったそうです。
対するは資金横領問題で連盟から分裂した新連盟のゆるキャラ! こちらも世界ランカーを召集したとのこと」
「ゆるくねえ~」
お題・ゆるキャラ卓球
■2024年6月19日
友人が陰謀論にハマってしまい会話にならない。
「いやー、昨日の野球。ホームランが凄かったな」
「まあ、あれもホームランを打つよう命令された陰謀なんだけどな」
「八百長だってのかよ。何だい野球のことも知らないくせに」
「知ってるよ。まずあのボールを殴る棒が怪しい。棒に陰謀が隠されてる」
お題・ホームランの陰謀
■2024年6月19日
クローゼットのハンガーたちが労働環境の改善を訴えストライキを起こした。それは悪かった、すぐ対応しようと、気前よく返事する持ち主。だが一年たっても何か改善されたことがない。ハンガーたちは嘆いた。
「いつもそうだ。俺たちへの扱いは宙ぶらりんさ!」
お題・ハンガーのストライキ
■2024年6月20日
「なに読んでるんだ?」
「幸運値新聞さ」
「何それ」
「おいおい俺が幸運値にあぐらをかいて努力をしない男だと思ったか。こうして幸運値の国際情勢や経済動向を知ることで、的確な幸運値の使い方を勉強してるのさ」
「へえ、どこで手に入れるんだい?」
「そこは偶然の出会いだな」
お題・幸運値新聞
■2024年6月20日
晴耕雨読のスローライフなんて言うけどさ。そんな良いものでもないよ。
そろそろ畑仕事したいのに雨続きだったり。今すぐにでも読みたい本を手に入れたというのに、晴れ続きで畑に付きっきりだったり。
天気次第で何一つ自分の思い通りにならない。先日やっと晴耕に成功したところさ。
お題・問題のある晴耕雨読
■2024年6月20日
独裁者は語る。後悔? 数カ国が隣接した、火薬庫と呼ばれるあの半島な。あそこの住民に戦い方を教えたのは俺らなんだわ。帝国支配から脱出せよとか言ってね。それがまさか、ウチらに牙をむいて独立されるとはね。愚民どもに余計なことは教えるな、と教わったよ。
と独裁者は処刑台へ歩んで行った。
お題・火薬に教わる
■2024年6月21日
「地位や金など、しょせん砂上の楼閣。やはり健康、健康こそ最高の宝よ。もっとトレーニングだ!」
(その後、病院にて)
「腰いわせましたかー。あなたも年ですから。無茶しちゃいけませんよ」
「健康も……砂時計のように失われるか」
お題・砂の健康
■2024年6月21日
「助手くん、新発見だ。どうやら私は君と話したり、近距離にいると異常か起こるらしい。心拍数の上昇、血流増加、多幸感。果たしてこれは心理学的なものか、生物学なのか。いや物理現象かもしれない。どのみち君と私とで実験を重ねなければな!」
(そこまで気付いてて、正体には気付いてないかー)
お題・まだ気付かぬ思い




