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■2025年10月1日
節約部とはいかに金を使わず生活するかを探求する集まりだ。特にうちは全国大会にも行った名門。今年は二連覇を目指したいが難しいかもな。
そこへ才能ある新入生がいると聞く。彼のケチケチぶりは、まさにエース級。さっそく勧誘することにした。
「時間の無駄なので嫌です」
こいつは有望だぜ!
お題・節約部
■2025年10月1日
新番組のヒーローは元バイクレーサーで、早さで戦う。ほほう、正統派で良いじゃないの。
展開もサクサク早いな。えっ、一回の放送で新フォームが二つも登場するの? 明らかにCMが間に合ってない。番組はまだ前半なのに最強フォームが出た。打ち切られた。
なるほど確かに最速のヒーロー。
お題・早いヒーロー
■2025年10月1日
人類の管理者は満足していた。人類は今まさに黄金期。もうこのままで構わない。そこで人類に休んでもらうことにした。しばらく進歩しなくて構わないよ。新たな発見など要らないから。
そんな期間が何百年かあって、まだ黄金期は続いているかなと思ったのに。人類はこの時代を「暗黒期」と呼んでいた。
お題・黄金期の続き
■2025年10月1日
「またフラれた」
コイツは熱しやすく冷めやすい。
「だけど、他に好きな子ができてさあ」
「さっさと告白したらいいんじゃない」
そんな時に決まって私が背中を押す役目になるのだ。
一体、いつになったら私の方を振り向いてくれるのだろう。
(さっさと告白したらいいんじゃない)
と内心で呟く。
お題・順番待ち
■2025年10月2日
冒険者ギルドの正体。それは人類文明の促進を裏から操る「管理者」の集まりだった。
彼らは有史より存在する。なので長年の間に変な文化も形成されてしまった。
「ハンコは少し傾けて!」
「面倒くせえ」
「私たち、自分らの文化も思い通りにならないのに、人類の文明なんて支配できるのかね?」
お題・文明ギルド
■2025年10月2日
万事休す。明日で連休が終わるというのに、宿題を全くやってない。このペースだと絶対に提出は無理だ。
「なんで少しずつでもやらなかったの」
「万事休す」
「だからピンチになった理由よ」
「いや連休だからと、ひたすら休んでダラダラしたのが万事全ての元凶でして」
「それは返答に窮する理由ね」
お題・万事休す
■2025年10月2日
帰ると誕生ケーキが用意されていた。テーブルにはご馳走が並ぶ。
「ハッピーバースデー」
お父さんとお母さんが歌ってくれるけど、おかしいよ。私の誕生日は来月だったよね。今日はお姉ちゃんの命日でしょ。
私たちはあの日、大怪我をした。生き残ったのは自分一人だけ。ねえ、あの日なにがあったの?
お題・誕生日
■2025年10月2日
自宅の書斎をいくら探しても、目当ての本が見つからない。代わりに買ったはずのない本がある。どうやら我が家の本棚は、どこか別の本棚と繋がってしまったらしい。
以来やたらと置かれている特殊な趣味の本。こいつ私を染めようとしているな? 面白いから良いけれど。
私も負けてなるものか。
お題・本棚
■2025年10月3日
子を残してから宦官になった。全ては一族繁栄のため。だが王朝が滅んで、宦官も解雇される。
そんな先祖を持ったことを今でも馬鹿にされる。やーい、お前の先祖は玉なし。
だから言い返してやった。うるせえ、じゃあお前は家族のために去勢ができるのか。
と精一杯の虚勢を張る。
お題・去勢の末裔
■2025年10月3日
後頭部に人面瘡ができてしまった。気味が悪いと思ったら、今度は喋りだす。だがこの喋りが案外に面白い。あっという間に人面瘡はクラスの人気者になってしまった。けど僕自身が会話に参加できないので、話しかけてみる。
「あの……」
「あっ、悪い悪い。頭のそっち側にも顔がついているんだっけ」
お題・人面瘡




