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■2025年9月12日
僕には相思相愛の彼女がいる。けど僕、実は寝取られ性癖を持つ。ある日、我慢できなくなって、そのことを彼女へ告白した。
すると当然、猛烈に叱られる。私そんなことしないからね。そんな性癖、絶対に止めて頂戴。
僕は約束させられ、寝取られ性癖を改めることにする。……ああ、性癖を奪われたっ!
お題・寝取られ性癖
■2025年9月12日
ようこそ、霧の都へ。ここは一年中、霧に包まれているのさ。不思議だろ?
確かに、季節があるから、いつも霧が発生するわけじゃないよね。
そこでこの街は霧のある地を求めて、足を生やし、建物ごと彷徨っているのさ。
街の足って何なのか? 動力はどうする? それは知らないなあ。不思議だろ?
お題・霧の都
■2025年9月12日
唐突な大雨。大粒の水滴が、裏山の木の葉や実を激しく叩く。私は音に聞き入っていた。
今年の夏は長かった。これでようやく秋に入ってくれるだろうか。その前に今まで雨が降らなさ過ぎた。ダムの貯水率は空っぽだ。恵みの雨よ、せいぜい降ってくれ。栗、柿、梨と食欲の秋が待っているのだから。
お題・木の実時雨
■2025年9月12日
模試の結果は散々だった。もう夏休みも終わったというのに、評価は下の方。親から、いつまでもフワフワした夢をと叱られた。
まるで僕は弱い魚。ならば、たくさんの夢で群になれば、大きな魚に見せかけられるかな。この秋空のように。
と僕はフワフワした夢よ、雲になれと願った。
お題・鰯雲
■2025年9月13日
俺は弱いスライム。ぬるぬるしているだけの弱い存在。けど自分にも決めセリフが欲しくなってきた。
無茶だという仲間たち。それでも遂にチャンスが訪れた。
「お前もローション塗れにしてやろうか」
少し沈黙の後「ダサっ」という呟きが聞こえる。
やってしまった。恥を上からぬるだけだったか。
お題・ぬるぬる決めゼリフ
■2025年9月13日
捨て犬に餌をやったら情が移るよ。お母さんの言葉の意味が分かった。給食のパンを少し投げてやったら、ずっと子犬がついてくる。
こいつ本当にバカ犬だな。僕が悪者で、あのパンは罠だったらどうするんだ。ああ、バカだ。
今からお母さんにどう言い訳するか、考えてるようなヤツについてくるなんて。
お題・バカな犬
■2025年9月13日
n子と私とは同じ男を好きになった。だけど今年は部活も全国大会を控えて、波風を立てている場合ではない。というわけで、しばらくは現状維持のまま、という協定を結んだ。
「破ったら承知しないから」
「分かってる」
ああ良かった。協定を結ぶ前に、彼へ告白しておいて。
現状維持、現状維持。
お題・恋愛協定
■2025年9月13日
独裁者は悩んでいた。私に逆らう者を単に処刑していては風体が悪い。そこで都合の悪い者は、病気だということにした。
もちろん医者には反対されるが、そんな奴らは真っ先に「病気」行きだ。
そんな時、国に本当の伝染病が蔓延した。しかし医者は既にいない。
どいつもこいつも私に反逆しやがって。
お題・病
■2025年9月14日
業界に激震が走る。過去に天才と呼ばれた人が復活、また活躍しだしたのだ。
だがそれも一時の話。また彼の名は忘れられ、業界は新人の活躍する場に置き換わる。
とそこへまた彼が復活。若者に混じって活躍しだす。が忘れられ……。
ということを数度繰り返した。
「あの人はまず、復活の天才だよ」
お題・よみがえる天才
■2025年9月14日
父の言いつけ。お前は会社を継ぐ身だ。遊ぶなど無駄。付き合う友人も選んでやる。と僕は親しかった子と絶交。父の選んだ子としか人間関係を持たなかった。
だが父の事業は倒産。気付けば父の選んだ「友人」はいなくなっていた。
今だから思う。友達を捨てるなんて、無駄なことやめれば良かったと。
お題・無駄な友達




