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■2025年9月7日
単なる猛獣ではない、異能を持つ魔獣に対するのは軍の職務だった。だが魔獣の増加により、軍だけでは手が回らなくなる。そのため冒険者にも一部の軍用魔法が民間転用された。ゆえに今でも軍時代の慣例で魔獣を倒すのは「討伐」と呼称する。
と「魔獣に討伐はおかしいだろ」という主張を論破した。
お題・討伐
■2025年9月7日
「家を守るため」
と決められた結婚。相手は一回りも年上の実業家。傾きかけた家業を支援する代わりだという。
だが夫は良い人で、私は学を身につけられ、共に会社を支えた。その頃に入った知らせ。実家は放漫経営により倒産したという。
……私はこちらの家を守るのに忙しいから無視しましょ。
お題・家を守るための結婚
■2025年9月8日
夜寝る前に子供が歯磨きをしていない。そのことを叱ると
「歯科技術は向上しているんだ。近い将来、虫歯すら治るようになる。それなら今の歯磨きなんて無駄な時間は不要だよ」
と言ってたら、その技術が向上してない今のうちに虫歯になった。
「しまった。将来の計画を洗い直さないと」
先に歯を磨け。
お題・将来の歯磨き
■2025年9月8日
古代には超文明が存在し、現代を凌ぐテクノロジーがあったはずだ。
と信じて発掘を続けてきた。そして、ようやく見つけた古代文明の遺跡。なんて優れたテクノロジーを持っていたんだ。私は見つけた古文書を解読する。
「古代には超文明が存在し、現代を凌ぐテクノロジーがあったはず」
お題・古代の超文明
■2025年9月8日
今日も店は閑古鳥。ボケッと青空を眺めていたら思いついた。雲で看板を作ろう。さっそく雲発生機を製作。当店の名前を雲で作った。
これが評判を呼び、客が大勢来てくれるようになるも。最近の豪雨は雲発生機のせいじゃないかと疑いをかけられた。
おかげでウチの評判は雲散霧消。また閑古鳥さ。
お題・雲の看板
■2025年9月8日
神殿には「信仰値」を測る水晶球がある。これに手を置くと、信仰の深さによって光る強さが変わる。そして近頃は不信心ですよ、酒の量を減らし、もっと祈りましょう、とお説教を貰うのだ。
私も随分と信仰値が減っていた。これでは貴族としての面子が立たない。後で袖の下の「信仰」を渡しておこう。
お題・信仰値測定
■2025年9月9日
「やはり大切なのはやる気ですよね。というわけで我が社の就職試験に導入しました。ハート測定器」
「そんな物で本当にやる気が分かるんですか? 心とはそんな簡単ではないでしょう」
「ちなみにレベルは最高。社に命を捧げる気でないと就職できないと伝えています」
「アンタは人の心がない」
お題・測定困難なハート
■2025年9月9日
異世界に召喚され俺は勇者になった。超パワーで活躍の連続。皆が俺を肯定してくれる。完全な失敗も流石と言われ。飯を食うだけで健啖家と称えられた。
それが俺には不気味でならない。いつか裏切られるんじゃないか。
「分かるわ。あなたの気持ち」
俺のことを理解してくれるのは姫、あなただけだよ。
お題・全肯定ヒロイン
■2025年9月9日
僕の弟は怪物だ。村では、たまにそんな子が産まれる。怪物の子が産まれたら村から鏡を処分する。そして絶対に怪物だと言わないよう、普通の子として接しないといけない。でないと自分が怪物だと気付いた者により、一度村は滅びかけたそうな。
だから僕は牙や爪に傷つきながら、怪物を弟と呼んでいる。
お題・怪物
■2025年9月9日
「私が犯人なわけないだろう。そもそも密室でどうやって」
「いえ犯人は何らかのトリックに失敗したのか、ドアノブに細工はありましたが。部屋は密室ではありません」
「えっ、まさか!?」
「なのに、なぜ密室殺人だと御存知で?」
「ははは、密室トリックに最も失敗したのは、私のお喋りな口らしい」
お題・密室トリック




