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■2024年6月12日

先代が地蔵菩薩に信心深くしていたからか。大店の倉に願い事をすると、叶うという噂が立った。そのうちお祈りに来る人は増えて、仕事にならない。そこで気の毒だが人払いすることにした。


すると二代目、金でも取れば良かったとボヤく。いや、それは流石に図々しい。この話はお蔵入りということで。


お題・願いの叶う倉庫



■2024年6月12日

詩聖より、弟子は秘伝書を拝領した。だが詩の基本事項が数箇条書いてあるに過ぎない。騙されたかと思ったが、口述してみると気付いた。調は計算され、修辞は複雑に絡み合い、韻も踏んでいる。基本事項全ての完成形がそこにあった。


それを師匠に伝えると、今度こそ本当の免許皆伝だと微笑むのだった。


お題・詞基



■2024年6月12日

これからは国際平和です。もうミサイルなんて要りません。欲しいなら大国たる我らが作ってあげましょう。


なんて言ってる間に平和は続き、当の大国もミサイル工場をなくしてしまった。そこへ他の国で戦争が起こる。


「大統領、戦争が起こったのだからミサイルを寄越せと、矢の催促です」


お題・ミサイル不足



■2024年6月12日

同窓会で昔付き合ってた男と再会、意気投合して即日でホテルイン。


ああ、やっぱり私はこの男との相性が良いのだな、と思い知らされる。


「なあ俺たちやり直さないか」

少し揺れたけど「嫌よ」と返した。だって私たち相性が良すぎる。


「昔みたいに入れ込んで、また失恋で苦しみたくないから」


お題・また恋する



■2024年6月12日

誹謗中傷や炎上により、アイドルの外面は傷つき、ひび割れる。すると中から、黒くて異臭のする粘液が漏れ出してしまう。


そこをパテで埋めるのがマネージャーの腕の見せ所だ。


しかし一度中身が減ると、アイドルとしての輝きの光量も減るので。この粘液がアイドルの輝きを発していると言われている。


お題・アイドルの中身



■2024年6月13日

今付き合ってる相手に結婚を申し込むべきか。悩んだ挙げ句、勇気の出るアプリに行き着いた。


しかし、こんなアプリで勇気を出したとして、それは本当の自分なのか。誠実さに欠けてないか。


という悩みで、なんだ自分はもう結婚を申し込むつもりだったんじゃないか、と気づいて、ブラウザを落とした。


お題・勇気のインストール



■2024年6月13日

長老は若いマタギに語る。

「あの鳥は渡りの前に九つの跡を残す。特定の虫がいなくなった、木の葉を荒らした……」

「しかし、そんな跡は残ってなかった。なら、まだ渡りをしてないってことじゃ?」

「時間が経ちすぎて、そうした跡は綺麗さっぱりなくなるのが、十個目の跡だ」


お題・去十跡



■2024年6月13日

イケメン「狩猟お見合い?」

相談所「アウトドアで互いを知ろうという話です」


「ヒャッハー! イケメンの結婚相手だ、狩れ狩れ」

「狩るのは男じゃねーか!」


(そこへイケメンを庇う女性)

「つ、強え。逃げろ~」

「酷いことするわね。あなた大丈夫?」

「キュン」(ハートを射貫かれちゃった)


お題・好きな人に会える狩猟



■2024年6月13日

家族を失ってから私は、あの日と同じ時を過ごしている。同じ起床時間、同じ朝食。全ては家族を忘れないために。


けど季節は過ぎるもの。ある嵐の日、帰宅は遅れスケジュールはぐちゃぐちゃになる。いつもと違う日。家族を思い出さなくていい日。


それが楽だと気づいて、ひとり罪悪感の涙を流した。


お題・同じ日を過ごさないと



■2024年6月14日

漫画家が新しく雇ったアシスタントは、自分を漫画バカだと紹介する。期待してたら、いきなり片眉を剃られた。

「バカだ、バカの顔だ!」

これで外出せず漫画を描くだろうとのこと。


そんなの必要ないだろ。いいから仕事してくれと頼むと、こう返された。

「俺はバカだから、よく分かんねえけどよ」


お題・アシスタントバカ一代

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