表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/240

1881~1890

■2025年7月23日

我が校ではチャイムに、鐘の代わりに天使がラッパを吹き鳴らす。


天使がいつから学校に住み着いたか分からない。けど放課後、夕焼けに照らされる天使の姿は神々しかった。


ただし登校時。遅刻するかギリギリで、ニヤニヤしながらラッパを吹こうとする姿。あれは悪魔のようだと皆は語った。


お題・放課後天使



■2025年7月23日

友人はこう見えても腕利きの名探偵だ。失せ猫、浮気相手、殺人事件の真犯人。あらゆるものを見つけてきた。

「なのに、なんで儲け話は見つけられないかね」


俺からの差し入れを受け取りながら。貧乏探偵は申し訳なさそうに苦笑いした。


お題・探偵



■2025年7月23日

なりたての若いヒーローは、ナンバーワンヒーローに握手を求めた。

「他の奴なんてどうでもいい。あなたに憧れてヒーローになったんだ!」


すると彼はこう返す。

「私がナンバーワンになったのは最近さ。君が憧れているのは僕と、ナンバーワンという立場。どっちかな?」


お題・ナンバーワンに憧れて



■2025年7月23日

「君子豹変すると言うが。私もね、過ちはさっと改める方なんだよ。君子だからさ?」

「けど最近はすぐ態度をコロコロ変える奴、という意味もあるみたいですよ」

「なんだと、私がコロコロ態度を変えているというのか!」

「うわっ、態度が豹変した!?」


お題・君子豹変す



■2025年7月24日

石けんを燃料とするエンジンが開発された。このエンジン、排気ガスが出るどころか、大気汚染を綺麗に洗い流しながら走ってくれる。しかもとっとも良い臭い。


これこそ新時代のエコエネルギーだと、人々は飛びつく。結果、石けんエンジンは世界を席巻した、


お題・石けんエンジン



■2025年7月24日

実家に帰ると、母が見せてくれた。私が初めて履いた靴を取っておいたのだという。妙に爪先だけがヨレていた。昔の私はきっと何度も背伸びしたのだろう。実際我が人生そんなことばかりだった。


けど、これからは上ではなく、下を見ていかないと。と大きくなり出したお腹を撫でてみる。


お題・爪先



■2025年7月24日

太陽が増えてしまった。代わりばんこに出てくるものだから、大地はずっと照りつける昼。ところがしばらくすると、夜でもないのに静かになった。


疑問に思った太陽は、地球最後の花に訊く。どうして皆眠ってしまったんだい?

「暑いから枯れて、永遠の眠りについたに決まってるでしょ!」


お題・太陽がいっぱい



■2025年7月24日

田舎者は美術館に行ったこともない。本当の文化を知らないと陰口を叩かれた。


確かに俺が知っているのは、村人総出の大衆演劇、年寄りどもの長唄、虫取りに川遊び、昔話、夏祭りの盆踊り、といったところが精々。


しかし、田舎者は文化を知らないで構わないが。都会者は品を知らないのだな。


お題・文化資本



■2025年7月25日

私は激辛のジャングルを探検することになった。そこは香辛料の密生地。入れば涙が止まらず、吸う息で肺すら痛い。けど激辛好きの私には天国だ。


だが刺激が強すぎたらしい。都会に戻ると全てが物足りなくなっていた。甘さ、香ばしさといった様々な香りに満ちた、だがここは砂漠のようだ。


お題・激辛ジャングル



■2025年7月25日

宿題の感想文で読んだ小説。タイトルと主人公の名前が違っていた。何だよ、アルジャーノンは主人公じゃなかったのか。危ない、危ない。読まずにネット情報だけで感想文を書こうとしたら、お母さんに止められて良かった。さっそく僕は感想文を書き出す。

「『チャーリーに花束を』を読みました」


お題・主人公の名前

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ