1801~1810
■2025年7月5日
新しい課長は泥人形、マッドゴーレムだった。頼りなさそうで大丈夫かなと心配した矢先。僕は取引先で大失敗。それを代わりに課長が謝ってくれた。
すっかり泥が乾いた課長。
「部下の代わりに泥をかぶるのが上司の役割だからね」
と水と土で削れた体を補充した。
泥をかぶるって、そっちの話!?
お題・泥上司
■2025年7月5日
すぐに消えてしまうのがもったいなくて、花火を夜空に固定することにした。だが花火が打ち上げられるごとに眩しくなる夜空。
今度は固定した光を打ち消すことになった。だが消す方は、なかなか難しい。だから一年に一度だけ、眩い夜空から闇を取り戻す。
それを人々は黒い花のようだと呼んだ。
お題・花火
■2025年7月5日
満月はその身を人々に施して、三日月になったんだって。そんな話を聞いた。
僕も若い頃は満たされ輝いていた気がするけど。あれを譲り、これを退き、今や楽隠居。夜には気軽な散歩、空に三日月。
なんだ、何も欠けてない。そのままで美しい月じゃないか。と僕はコンビニ袋から出したビールを開けた。
お題・三日月
■2025年7月5日
皆で夏祭り。途中、彼女だけ連れ出して告白しようとした。だがそこは蚊柱が立って、話すどころじゃない。何も言えず戻ったら、彼女の首筋に虫刺され。お前がキスマークをつけたのかと、散々にからかわれた。結果、付き合うことになったのを
「でも、あれはないわ」と今でも彼女にチクチク言われる。
お題・蚊柱
■2025年7月6日
とんでもないことをしてくれた。研究所からナノマシンが流出。周囲の元素を固定し、便器が増殖し始めたのだ。
便器破壊のために軍隊まで出動。どうにか地表が便器に覆われるのは阻止された。だが迷惑かけられた皆は大激怒。
これに研究所長はこう答えた。
「便器のことは、水に流してくれ」
お題・便器増殖
■2025年7月6日
光熱費や、特に食費が高騰化した昨今。私は節約に節約を、何重にも重ねてきた。
結果とうとう家計は黒字に、貯金もたまってきた!
と友人に自慢したら、逆に心配される。
「だからアンタ、そんな体重が減って」
お題・重ねる
■2025年7月6日
私の予言は当たらない。だけど予言なんて数打ちゃ当たるもの。毎日何かの予言をしてりゃ、いつか命中。私もカリスマ予言者だ。
そんな時、本物の神託が下った。私には分かる。これは絶対に当たる。さあ私に予言を下さい!
「お前の予言は絶対に当たらないぞ」
お題・予言
■2025年7月6日
古びたランプから魔神が現れた。何でも一つだけ願いを叶えてくれるという。当時、自棄になっていた私は、世界が滅んでくれと頼んだ。
だが何も起こらない。代わりに私はやり甲斐ある仕事に就け、恋人ができ、結婚して幸せな家庭を築いた。
その時、あの魔神が現れる。
「今から願いを叶えましょう」
お題・願い事
■2025年7月7日
「頼む、幽霊部員になってくれないか。定員割れで廃部寸前なんだ」
何の部活かと訊いたら、自動販売機部。町中の場所を調べたり、新商品を試し飲みする部活らしい。
楽しそうじゃないか。どうして廃部寸前なんかに。
「かつての仲間が俺たちを売りやがったんだ。百円で、コンビニ部に」
お題・自動販売機部
■2025年7月7日
無人島に漂着してしまった。幸いここは航路の近くにあるらしい。何度も沖に船を見かける。ならば後は狼煙か何かでSOSを出すだけだ。
しかし上手く煙が立ち上らない。どうすればいいんだろう。
「この木を使うといいぞ」
そうだったか。ありがとう、親切な船乗りさん。
……待って、行かないで!?
お題・無人島




