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■2025年5月31日
テレビのリモコンも長く使っていると劣化するらしい。今ではかなり近づけないとテレビが反応しない。だがそれではリモコンの意味がない。
どこならリモコンが反応するか。距離を測りながら、コタツの位置を調整する。全てはリモコンのため。
これ……僕の方がリモコンに操られているみたいだな?
お題・リモコンの果て
■2025年5月31日
遙か昔に滅んだ古代王国の遺跡にて、我々探検隊は大発見をした。どうやら古代王国の歴史書らしい。これで多くのことが分かるに違いないぞ。早速、歴史書を解読する。
「我々探検隊は遺跡にて、遙か昔に滅んだ古代帝国の歴史書を発見した」
まだ昔の国があるの!?
お題・昔に滅んだ国
■2025年5月31日
パトカーがいると、悪いことしてなくても気まずいってことあるよね。
私の父は警官。もちろん帰宅すれば普通の人だ。駅まで車で迎えに来てくれた帰り。お母さんには内緒だと、アイスを買い食いすることになった。その時父は様子がおかしいと思ったら、告白する。
「警官だからか、余計に罪悪感が」
お題・警官のいる罪悪感
■2025年5月31日
去年は妻の誕生日を忘れて、散々な目に遭った。なので今年は忘れず、ちゃんと祝う。
ところが翌日。妻がまたケーキを買ってきてる。
「どうしたんだい」
「あなたが私の誕生日を忘れた記念、一周年よ」
しまった、まだ根に持っていたか。誕生日を忘れたせいで、変な記念日まで誕生してしまった。
お題・誕生日を忘れて
■2025年6月1日
久しぶりにその国を訪れた学者は驚いた。町中にある石碑、これ実は歴史的な価値あるものだ。なのに町中にあるせいで、広告がべたべたと貼られている。
「これは国に対策してもらわないとな」
すると助手が尋ねる。
「石碑には何と書かれているのですか」
「むやみに広告用の石碑を置くな、だそうな」
お題・石碑の貼り紙
■2025年6月1日
起きれば朝。どうやら私は寝落ちしてしまったらしい。昨晩までは、徹夜で頑張れば締め切りに間に合うと思ったのに。今日がその締め切り。このままじゃ間に合わない。
「どうすれば良いと思う?」
「まずは人に早朝から電話してないで、今からでも作業すれば?」
本当だ、さらに時間がなくなってる。
お題・失われた時を求めて
■2025年6月1日
うちの爺様は昔気質で、衣替えが来るまで絶対に夏服を出そうとしない。だけど昨今の異常気象だ。昨日は肌寒いかと思えば、今日は暑い。
熱中症になってないかと様子を見に行ったら、パンツ一丁の裸になってた。
「まだ夏服には早いからな」
だからと春秋物の厚着を着ないのは、セーフらしい。
お題・衣替え
■2025年6月1日
演劇、今の演目は「月光の悲劇」か。夜にしか会えない恋人たちの悲恋。名作だな。
と話すと彼女がいきなり顔を真っ赤にした。
「その恋人、私の両親。結婚したら喧嘩ばかりになって。しかもその家庭事情がバレちゃってさあ」
喜劇的状況が日の当たるようになるとは、また悲劇的な。
お題・月光の悲劇
■2025年6月2日
まだ幼い息子は風呂嫌いだ。そこで、ちゃんと風呂に入ってくれるよう、水鉄砲やアヒルなど風呂のオモチャを買った。
「今回はちゃんとお風呂に入ってくれたみたいね」
と妻。だが実際は
「夢中で僕に水鉄砲で乱射を浴びせかけてきてさ。こちらは入浴どころじゃなかったよ……」
お題・沐浴乱射
■2025年6月2日
俺も年だからと息子に町工場を継がせたが、てんで駄目だ。危なっかしくて見ていられねえ。あげくデジタル化とかフラフラしやがって。そのことを愚痴ると
「隠居は黙ってろ」
と言われた。とたん既視感が起こる。そうだ、俺も親父に同じことを言ったんだっけ。
てんで駄目な隠居になったの俺の方か。
お題・駄目な後継ぎ




