表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/240

151~160

■2024年6月1日

「もしもし」

「俺俺」

「もしかして息子の太郎?」

「そう、それの友達のマンモス」

「マンモス」

「実は交通事故に遭ったから振り込んでくれないかな。でないと氷河期になっちゃうよ」

「それは大変。振り込んどくね」

「マンモスうれぴー!」


「……マンモスだけに、スケールの大きな嘘だったな」


お題・マンモスの保険金詐欺



■2024年6月2日

数カ国の隣接する地に城を建てろ。命を受けた武将は一計を案じる。材料の種類を減らしたのだ。斯くして出来た一夜城は立方体であった。これには周辺諸国も、自らの目がバグったのではと気味悪がって近寄ろうとしなかった。その隙に天下を統一した殿様は、箱に天下を収めたと称されたのだった。


お題・立方体の城



■2024年6月2日

「結婚する二人に、夫婦生活には大事な三つの『ばん』があります。


一つは地域社会との繋がりで『地盤』。


二つ目はこれから子供も作ろうということで『胎盤』。


そしてお金の計算もしなければならぬので『そろばん』であります」


新郎新婦「だからと結婚祝いに算盤はないよなあ」


お題・結婚式用そろばん



■2024年6月2日

部屋を片付けていると、高校受験の参考書が出てきた。中三の時に好きな人がいて、難関校を受験すると聞いた。そこで私も追いかけようと無理して難しい参考書を買ったのだ。


結局読みもせず、私が行くことになったのは第二志望。あの人は今どうしてるやら。この本、結局なんの参考にもならなかったな。


お題・使わなかった参考書



■2024年6月2日

朝廷において紅色の冠は裁判官の証だ。しかし紅色の冠位は家督制により独占され、法を無視した裁判により横暴を極める。なので人からは罪を遅らせる冠と揶揄された。


止めたではなく遅らせたというのも、朝廷が滅んだ際。この一族は悉く首を切られ冠のような紅に染まった。結局、罪は返ってきたのだ。


お題・罪遅冠



■2024年6月3日

食品開発局の同僚Nさんは男前だ。トレンチコートに中折れ帽。先日は雨の中、捨てられた子猫を助けていた。


我らに課せられたのは半熟玉子製造機の開発。だが上手く行かない。


「俺は決して諦めない。フッ、昔の女も半熟玉子が好きだったか」

この人、半熟玉子を作らせるにはハードボイルド過ぎる。


お題・執念半熟玉子



■2024年6月3日

芸は身を助くと仰いますが。手妻の先生が腕を怪我して職を失った。仕方ないので他の職へついたもの、昔が忘れられない。自分も新人だというのに、丁稚小僧へ俺の若い頃はと武勇伝ばかり。とうとう、うるさがられて追い出されてしまった。芸は身を助くとも限らない、まずは身を修めなければという話。


お題・弊芸



■2024年6月3日

長年つきあってきた彼氏と、つまらない喧嘩で別れた。自棄になり、二人で写った写真を全て、アルバムから破り捨てる。


そして気付いた。私一人だけの写真、どれも誰かを見ている。カメラを持った彼に向いているのだ。


もう誰も見ない、見られることもない。これが孤独だと悟り、それから泣いた。


お題・ひとりぼっちの写真



■2024年6月3日

深夜にしか使えないというボールペンを買った。確かに朝昼はインクが出ない。かといって深夜に字を書こうとする機会などない。たまに気分の落ち込んで眠れない日、柄にもない下手な詩を書くだけ。だから、いつまでもインクはなくならず。未だに机のペン立てに刺さったまま、ずっと夜を待っている。


お題・深夜限定ボールペン



■2024年6月4日

珍しいプラモデルを買った。手順がサイコロで決まり、何が完成するか分からないというのだ。


……数十個は作ったが、全て立方体のサイコロが出来たじゃねーか! おや説明書に何か書いてる。


「予言しよう。貴方はサイコロを作る。占いだけにサイコロには裏がない、なんてね」


お題・占いの結果で作るプラモデル

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ