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■2025年4月24日

人は病を克服したことで、老いて死ぬ直前まで健康に暮らすことができるようになった。今や老いは恐怖ではない。


だが、そうなると年寄りも働かないといけなくなる。しかも社会は変わってゆく。次々に新しいことも覚えないといけない。


疲れ果てた老人たちは口々に愚痴った。もう年を取るのが恐い。


お題・老いの恐怖



■2025年4月24日

私は良い女だ。大勢の男を侍らせてきた。けど、そろそろ結婚を考えてる、と言うと男は逃げて行くのだ。これは私に良縁がないせいだ。そこで縁結びで有名な神社へ向かうことにした。


しかし道に迷ってしまう。仕方なく通行人に尋ねることにした。

「縁があればたどり着けるんじゃないかねえ」


お題・良縁願



■2025年4月24日

迷宮の宝箱には時として、人食いの怪物ミミックが棲んでいる。そこで魔法使いは安全に探索できるよう、ミミックの探知魔法を開発した。


ところが迷宮内はミミックの反応だらけ。この魔法は失敗したかと思ったが違った。


冒険者を呼び寄せる、迷宮という場所がミミックの巨大な宝箱だったのだ。


お題・ミミック



■2025年4月25日

独裁者が無茶を言い出した。皿なんて料理を載せればいいのだから、どれでも同じだ。無駄をなくすため、皿の規格を統一しろ。


すると困ったのはレストラン。どんな工夫した料理も、同じ皿では味気ない。


そこで茶碗へ料理を盛ることにした。多様な皿がなくなっても、困った人の受け皿があるものだ。


お題・皿ディストピア



■2025年4月25日

「私はドラマティックな恋なんてしたくない。普通に出会えたらいいの」

友人は恋の出会いにやたらこだわりがある。今朝も遅刻しかけの通学途中、イケメンとぶつかりそうになったが。そういうのは駄目らしい。

「けど出会いなんて基本的に突然の事件みたいなものじゃない?」

「あっ、それもそうだ?」


お題・普通に出会って恋したい



■2025年4月25日

スキルを授与されてからというもの、友人がやる気を失ってしまった。

「どうしたんだ」

「俺のスキルは現在レベルと、上限レベルが見えること。自分の上限が分かってしまうとなあ」

「お前のレベル上限はいくらだったんだ?」

「9999」

「現在レベルは?」

「3」

「上限に近づいてから悩め」


お題・努力の上限



■2025年4月25日

死神たちは困っていた。近頃めっきり自殺する人間の魂が減ってしまった。自殺した人間の魂は、死神のご馳走なのに。それもこれも社会が好景気で人間どもが食うに困らないからだ。


となると死神の収穫が減ってしまう。このままではオマンマの食い上げだぞ。その不況どうにかならないものか。


お題・死神不況



■2025年4月25日

新型ゲーム機の予約は厳正なる抽選により決まるという。だけどさ


ビッグバンが起き、星が産まれ、銀河に太陽系となる。そして水の惑星に生命が誕生し、人類に進化した。ここまでに、どれだけ低い可能性をクリアしてきたか。


俺たちは既に選ばれてここにいるんだよな。ゲーム機の予約は落ちてたけど。


お題・厳正なる抽選(幻想)



■2025年4月25日

少子化対策のため、未婚者は抽選の上で強制的に結婚相手を選ばれることになった。妻になった人は、やたら気性が荒っぽい。それでも結婚生活を送ってきたが、とうとう彼女が爆発する。

「私となんて別れなさいよ!」

「いいや、別れないね。出会ったのは抽選でも、僕は自分の意志で君を選んでやる」


お題・厳正なる抽選(恋愛)



■2025年4月25日

地球の脱出ロケットに搭乗できる人員は、厳正なる抽選により決まります。あれは嘘だ。裏で賄賂が横行していたのを知っている。


かくして数光年先の惑星へ長い旅が始まった。途中の航海は厳しいものになるだろう。どれだけの宇宙船がたどり着けることやら。


今度こそ厳正なる抽選がこれから始まる。


お題・厳正なる抽選(SF)

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