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■2025年4月19日
遂にデスゲーム最終局面。
「全員生き残るとはね。この通路の先が出口だが、あちこちから殺人ノコギリが飛び出してくるのだ」
自慢げな主催者。だが
「あれ?」
機械の故障で無事、生還できてしまった。どうも尻切れトンボだなあ。
「まさか人を切り刻む前に、通路の電気回路が切れているとは」
お題・通路ノコギリ
■2025年4月19日
思い出にある父王の姿とは、玉座にて威厳ある姿か、僕が肩たたきをする疲れ切った姿。父はいつも肩が凝っていた。
そんな父は過労で亡くなり、僕が王位を継ぐことになる。そして父が背負っていた苦労を思い知った。
この双肩に王の責務は重すぎる。そりゃあ父上も肩こりになるわけだ。
お題・肩こり玉座
■2025年4月19日
友人は優柔不断な上に、高所恐怖症だ。だから一緒に旅行へ行こう、そのためには飛行機に乗らないといけない。そう決まり、散々に愚痴った。
「旅行へ行きたくないわけじゃないんだけど、飛行機は~、でも~」
そうして予定は未定に。高い所は恐いくせして、旅行の計画は宙ぶらりんのままだ。
お題・空飛ぶ優柔不断
■2025年4月20日
勇者は流行遅れだよな。というわけで勇者制度は廃止になった。これも全ては流行を司る「流行の魔王」の企て通り。かくして勇者は魔王に敗北する。そのまま世界は魔王たちに支配されてしまうのだろうか。だが
「魔王ってオワコンだよなー」
魔王の流行も時代遅れとなっていった。
お題・流行の魔王
■2025年4月20日
ランプから魔神が出てきた。
「我が手を取れば一億円を与えよう。代わりに貴様の大事な物を奪うぞ」
俺は丁度、彼女にフラれ、職を失い、大事な物などない状態だ。迷う間もなく魔神の手を取った。
直後、現れる一億円。大喜びした瞬間、
「では貴様の大事な物を奪おう」
俺の一億円は魔神に奪われた。
お題・願いの代償
■2025年4月20日
涼しくなった隙にと草刈りを敢行。途中、ぽつぽつと雨が降ったような気がする。そういえば先週の天気予報では、本日降るはずだった雨が、後日にずれ込んだのだった。いま降らなくて良かった。
穀雨。畑に恵みをもたらす雨だが。きっと雑草にも恵みを与えるのだろうなと、ウンザリする。
お題・穀雨
■2025年4月20日
アイツは誰が誰を好きなのか「好感度」を見ることのできる超能力を持つという。
けどトラブルに遭って以来、そのことは皆に黙るようになった。知ってるのは自分だけだ。
「で、ワタシの好感度は見えてるんだろ?」
「分かってるなら、言わねーよ」
とアイツはワタシの肩を抱き寄せた。
お題・好きなのが見えてる
■2025年4月21日
話題の銭湯に来てみたら、中からむっと立ちこめる匂い。豚骨に出汁醤油。麺類風呂。想像以上の光景だ。
裸のまま入る勇気はない。水着で入ろうとして気付いた。この麺類風呂。汁はあっても麺がない。そこで店員に注意された。
「水着は脱いでください」
「ヌードルの代わりに、ヌードを入れるわけね」
お題・麺類風呂
■2025年4月21日
多くの神話において、月は女性の象徴とされている。周期的に満ち欠けする不安定さが、女性を連想させたのだろう。といったら彼女に笑われた。
だって、地上からは常に表側だけを向けて、絶対に裏を見せない頑なさも、月の特徴でしょう。
とうそぶく彼女は僕に何を隠しているのだろうか。
お題・月面
■2025年4月21日
妻が泣いている。なぜかと訊いたら、自分は未来からこの過去に戻ってきた。懐かしさで涙が止まらないのだという。
僕は妻をひしと抱きしめた。
「こんな荒唐無稽な話を信じてくれるの?」
「過去に戻った君と会うのは、僕も二度目だからね。懐かしくて」
すると妻は信じられないという顔をした。
お題・君と再び




