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■2025年4月14日

真っ白な原稿用紙とは例えるなら、無限の可能性だ。これから何でも書ける。


そこに我ら文章書きは文字を詰め込むことで小説に、エッセイにと可能性を収束させる。書くとは可能性を潰してゆく行為なのだ。

「それはそれとして原稿を上げて貰わないと、本の出る可能性がなくなります」

あっ、はい。


お題・無限の可能性



■2025年4月15日

ある能楽師が伝説の面を手に入れた。その面をつけて以来、彼の舞は絶賛を浴びるようになる。能を見たければ、彼を見ろ。安定して必ず感動できる、まで評判は増す。


「なのに、どうして暗いんだい」

「この名声も自分の力ではなく、面のおかげかと思って」

「だからそんなに素顔は不安そうなのか」


お題・仮面の安定性



■2025年4月15日

魔術師は永遠の生を望んだ。この世には輪廻転生があるようだ。ならば自己を保ったまま転生すれば実質の不死ではないか。魔術師は儀式を施した上で毒を呷る。


死の間際に思い出したのは、前世でも自分は不死を願い輪廻転生したこと。


魔術師はきっと来世でも同じことを繰り返すだろうと絶望した。


お題・輪廻の監獄



■2025年4月15日

春なはずなのに急な寒さ。片付けていた厚着を引っ張りだし、電気ストーブを付ける。


異常気象だね。春が弱まったようだ、と人と話していて気づく。春が弱まったのであって、冬が戻ったのではない。一応、私たちの気分は春らしい。


早く暖かくなって欲しいね、と言いながらエアコンも付けた。


お題・春気分



■2025年4月15日

初めての日本観光。忍者ショーは最高だ。

「しかし忍者とは『隠れる者』という意味。ショーに出て大丈夫ですか?」

ショーを終えた忍者マスターに冗談で尋ねる。すると

「ちゃんと隠れてますよ」

と声がして後ろを向くと誰もいない。


成程。現代の忍者はショーのスポットライトの中に隠れるらしい。


お題・忍者ショータイム



■2025年4月16日

村には壮絶なまでの美少女がいた。だが村人たちは、彼女とあまり話すなという。


だがある日、少女とばったり会ってしまい、思わず言ってしまった。

「美しい……」

「アンダ、コラァ。人のツラ、ジロジロ見てんじゃねえぞ、クソ野郎」

顔に似合わず、こんな口汚いとは。話しかけるんじゃなかった。


お題・言ってはいけない美形



■2025年4月16日

秘密結社では予算削減のため改造人間を作らないことになった。テロを起こすなら、社会に溶け込んだ普通の人にやらせた方がいいだろうとの方針だ。


結果、我が部局は見た目普通のおじさん、おばさんだらけになってしまった。


余りに普通過ぎて、そろそろ我が部局は「怪人部」ではなくなってきた。


お題・怪しい人たち



■2025年4月16日

健康診断に引っかかり、病院に行くと薬を処方された。

「毎食後、必ず飲んでください。一度でも忘れると死にます」

以来、絶対に服用している。


しかし何の薬なんだろうと調べたら、どうやら猛毒らしい。


一体私は薬に生かされているのか、殺されつつあるのか。分からないまま、今も薬を飲んでいる。


お題・一日三回毎食後



■2025年4月16日

近頃、闇夜に隠れた魔獣が都に出没する。やつの弱点は光の剣だ。騎士は刀身の輝く聖剣を手渡された。


さあこれで魔獣を討つぞと思ったが、それからというもの、魔獣がぱたと出なくなる。


「なぜ魔獣はいなくなった。まるで逃げたようではないか」

すると従者。

「その剣、夜だと丸見えですしね」


お題・光の剣



■2025年4月17日

誘拐事件は解決した。人質は無事に確保。犯人は逮捕。もう問題は残っていないはずだ。


だが犯人の動機ははっきりしない。そもそも、どうやって誘拐したのか。調査すればするほど、不可能犯罪だったとしか思えない。


誘拐は解決したはずなのに、謎のあり方だけが行方不明のままだ。


お題・どのように誘拐

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