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■2025年3月8日

母は猛烈な愛国者で、父も兄も兵として見送った。私は虚弱で兵役を逃れてしまったら、母に詰られる。それが嫌で家を出た。


戦後、久しぶりに帰郷すると。母は家族の戦死届を抱いたまま、魂が抜けたようになっていた。きっと母の愛情も戦争に行ったまま、帰って来れなくなったのだ。


お題・出征の愛情



■2025年3月8日

私は何の取り柄もないオタクのネクラ女だ。そんな私の恋人はバスケ部キャプテンでイケメンの「陽」の者。


周囲の女子たちは、なぜあんな奴と、と噂する。けど皆は知らないのだ。


「あんなの聞かなくていいからね。僕のことだけを見ていて」

彼の中身が「根暗」を越えた、闇深だということを。


お題・根暗女と



■2025年3月9日

僕はやたら幽体離脱してしまう。日常生活にも支障を来すレベルだ。なので霊媒師に見てもらった。

「あなたの霊魂は抜けやすいんですね」

「どうにかなりませんか」

「これはもう生まれつきの体質です」

どうやら、そういう星の下に生まれたらしい。魂が外れやすくって、僕の人生は外れだなあ。


お題・外れ霊魂



■2025年3月9日

聖女は救国の旅に出る。お供には選ばれた騎士。聖女は僧院育ち。初めて見るものばかりの中で、聖女は騎士に恋をしてゆく。


……聖女を国に縛り付けるため、お前に恋をさせろ。そう騎士は命を受けた。初心な少女をその気にさせるのは簡単だ。しかし彼女を哀れと思うと同時に、生じたこの気持ちは何だ?


お題・聖女の初恋



■2025年3月9日

春は、変化の季節。卒業の試験、入学、人間関係、何もかもが変わってゆく。他人も、そして私自身も。


そんな中、ふと振り返ってしまうのだ。春の愁い、春愁。昔は良かったなあ。


今年から私にも花粉症が来てしまった。鼻水が止まらない。どうにかしてよ! ああ昔に戻りたい。


お題・春愁



■2025年3月9日

他人への態度が顔に出るのは人権問題だと騒がれるようになった。仕方ないので、その日の表情はサイコロで決めるべしという法律ができる。


すると、表情から感情が読めなくなった。これでは、どんな顔をしても、無表情と変わりない。


サイコロのせいで、四角四面な仏頂面ばかりになってしまった。


お題・サイコロで決まる顔



■2025年3月10日

世界が未完成とはどういうことか。真実を求め、賢者は旅を続けてきた。そんな彼の前に天使が現れる。

「語りましょう、未完成創世譚を」

と竪琴を爪弾きだす。

「神様はいい感じにアレして、何か出来たラララ~」

しかし歌はつっかえつっかえ。

「申し訳ない、来週また」

まず曲の方が未完成だった。


お題・未完成創世譚



■2025年3月10日

かのヒーローは強すぎた。なので本人より、まず周囲が命を狙われる。彼は幾度となく悲しい別れに遭った。だが周囲の期待もあり、ヒーローはやめられない。


気付けば彼は孤独の身。それでも今なお戦っているが。涙しているのを目撃されたことがある。

「こんな力とは、もう別れてしまいたい」


お題・別れのヒーロー



■2025年3月10日

いつもの朝、無愛想な妻の顔、食べ飽きた朝食。これらが今の私に希望の全て。


隕石の衝突で、今や外界は果てぬ嵐が吹き荒れる。一度出れば生きて帰れるか分からない。


だから変化や挑戦、出会いなんて要らない。明日もまた君と変わりない朝を送りたい。そう願いながら、私は外界へ出る。


お題・変わらぬ輝き



■2025年3月10日

恋人は俺様系。卒業後も付き合い続けて、とうとう結婚した。じゃあと家事の分担を話し合う。


だが彼は家事の類を全くやったことがないと判明。特に料理が苦手で、どんぶり物すら彼には高い壁。


仕方なく私は彼に家事に料理を教え込む。ついでに

「壁ドンなら得意なのにね」とおちょくっといた。


お題・丼の壁

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