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■2025年2月14日
我が家も先祖が随分と増えた頃合いだ。このままでは家系図がいくらあっても足りない、僕は在庫一掃、先祖そうじをやることにした。
それで頑張って家系図を探したというのに。さすがは僕の先祖だ。何代も前、既に先祖そうじは行われていた。
苦労して探し出したのに。こんなこともう、せんぞ。
お題・先祖そうじ
■2025年2月14日
貧農の四男にとって、徴兵は娯楽みたいなもんだ。農作業に比べたら、訓練など軽いもの。要領良い方だから、上官に殴られたこともない。村じゃ、いつも腹を空かせてたが。白米をたんと食えて、外国へも行ける。ああ、楽しみだ。
「とか言って、戦死すれば楽しみもなくなるだろうに」
と彼の兄は泣く。
お題・出征は楽し
■2025年2月14日
今日はバレンタインデー。大好きな先輩に手作りチョコを渡したいのだけど。もう胸がドキドキ、恥ずかしくって渡せないよう。
「というわけで今年のバレンタインチョコは勘弁してくれますか」
「それを僕へ面と向かって言うのは、もう告白と変わらないよね?」
お題・バレンタインデー
■2025年2月14日
彼は錬金術師に作られたホムンクルス。しかし流石の錬金術師も心までは作れなかった。
そこでホムンクルスは錬金術により自分の心を作ろうとした。だが失敗する。
ならば、心を宿す秘宝がどこかにないか。あてのない旅に出ることにした。
さあ、どこへ行こう。それは紛れもない、好奇心であった。
お題・心
■2025年2月15日
もうじき私も社長を引退する。思えば何十年と分刻みのスケジュールに追われてきた人生だった。これからはスケジュールなんて捨ててしまい、時間なんて気にしない。悠々自適な生活を送るとしよう。
秘書に話すと、こう返された。
「ではスケジュールを捨てるのは、いつの予定になりますか?」
お題・スケジュール解除
■2025年2月15日
ある独裁国家。今までは国家を侮辱する者を、問答無用で逮捕していた。だがある日、言論の自由を認めることにする。
人々は喜んだ。学問に芸術が大いに花開く。
その様子を見て独裁者は困った。
「参ったな。今さら、言論の自由なんて嘘でした。ここれも言論の自由だろ? なんて明かせないぞ」
お題・言論の自由
■2025年2月15日
何十年かぶり、小学校の同窓会。俺たちもすっかり年寄りだ。思い出話にも花が咲く。
授業をサボった。裏山で冒険した。肝試しで確かにお化けがいたんだって。運動場にUFOが降りてきて。クラスで銀河を旅したっけ。宇宙の闇と星々の煌めき。
どの記憶も既におぼろげ。怪しい内容だけど、まあいっか。
お題・小学校の思い出
■2025年2月15日
男は拳法に憧れた。だが貧乏で学ぶ金がない。そこで覗き見た仕草を真似て稽古した。
その見よう見まねだけで、男は何度もの戦いをくぐり抜ける。その度に工夫し新手を編み出した。
男が妙手と呼ばれるようになった頃。あの道場の主がやって来て、頭を下げた。
「あなたの拳を学ばせてくれないか」
お題・見よう見まねる
■2025年2月16日
「私は二重人格マニアなんです」という人と会った。二重人格について、色々と語ってくる。けど、聞いたことない内容が多いぞ?
奇遇だが僕は精神科医の権威なんだ。詳しく質問していいかい?
というと「実は知ったかぶりの素人なんです」と返された。
素晴らしい。マニアと素人の二重人格者だとは。
お題・二重人格マニア
■2025年2月16日
リングメイル。上着に金属の輪を縫い付けた鎧だ。
このリングメイルが輪で作られているだけに、人との和、縁ができるという話になり。冒険者たちの間で流行になった。
しかし輪の穴を通るから、リングメイルは刺す攻撃に弱い。槍で倒れる者が多いぞ、と横槍が入って流行は終わった。
お題・リングの鎧




