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■2025年2月4日

友人の趣味はデスマスクを収集することだ。それも変顔のデスマスク。それは遺族も心中、穏やかではないだろうなと思ってたが。


コレクションを見るかと友人宅に誘われたら、家の周りで壮絶な反対運動が起こってる。泣き叫ぶ人たち。


死者の変顔を巡って、マスクの地獄となっていた。


お題・あの世の変顔



■2025年2月4日

田舎ではガリ勉してると、周囲からバカにされる。けど僕は都会へ進学。大出世して故郷へ戻った。途端にへこへこ頭を下げる、かつての級友たち。さすがに頭にきた。

「勉強するのに、どんだけ勇気が必要だったか」

「こちらも、からかうのに勇気を使ったんだよ」

ならばと勇気を持って、殴っといた。


お題・勇気があれば



■2025年2月4日

彼は強くない。だがヒーローの中のヒーローと呼ばれている。


いかなヒーローといえど、初心者の頃はあり、失敗することもある。そんな時に彼はいつも助けてくれる。


彼の世話になったことのないヒーローはいないほどだ。どんなヒーローたちからも頼りにされている。


ゆえにヒーローの中のヒーロー。


お題・ヒーロー



■2025年2月4日

僕は売れないバンドマン。貧乏は嫌だからと愛する彼女が出て行った。それからというもの必死に努力し、僕は有名ミュージシャンに。すると彼女も帰ってきた。


僕は彼女を愛してる。それは間違いない。だけど貧しさが消えた代わりに、コイツ僕の金が目当てじゃないかという疑いが生じて消えてくれない、


お題・貧しい頃の恋



■2025年2月5日

ビルの林立する様をコンクリートジャングルという。そこから「沢山あること」を何でもジャングルと呼ぶようになる。とうとう人々は「ジャングル」から森林の意味を忘れてしまった。

「環境破壊で失われた。ここが地球最後のジャングルだ」

「ああ、木が沢山あるからジャングル!?」


お題・最後のジャングル



■2025年2月5日

夫の浮気が判明した。もう何度目だろう。

「今度あなたが浮気したら、私たち別れましょう」

「そんなの嫌だ! 僕には君がいないと駄目なんだ」

「じゃあ、もう浮気はしない?」

「いや浮気はする」

は?

「妻子ある身で浮気しているという背徳感がないと興奮しないんだ。そのためには君がいないと」


お題・I need you



■2025年2月5日

王は戦場にて、常に最前線を駆け、兵を鼓舞した。まさに負けなし。家臣たちは王のことを、後の歴史に勇猛果敢と名が残るだろうと語った。


ところが流れ矢が当たり、あっさり王は亡くなってしまう。こうなると台無しの大敗北。


後の歴史家はかの王をこう語る。

「勇猛果敢ではあったけど」


お題・勇猛な王様



■2025年2月5日

スノードームを覗くと、しんしんと雪が降り続けている。僕らの住む町はずっと暖かな晴ればかりだ。だから雪景色を見てると不思議な気持ちになる。


外界は毒性の灰が雪のように降り積もり、もはや生物は生きていられない。このドームの中だけが世界の全て。けど、たまにドームの外を見てしまうのだ。


お題・スノードーム



■2025年2月6日

不老不死といってもオイラの人生、薄っぺらなもんさ。飢えはするから働かないといけない。物覚えが悪いから、いつまでも下っ端。慣れた頃には不老を怪しまれるから、辞めないといけない。人間関係なんて持ちようもない。


今や夢は死ぬことだけ。薄っぺらな人生のぶん、せめて手厚く葬ってくれないか。


お題・薄い不老不死



■2025年2月6日

日照りが続くので、僧侶に雨乞いをしてもらう。お経を唱えると、にわかにかき曇り雨が降り出した。だがこの雨が止まらなくなり、洪水をもたらす。


後に僧侶へ問うた。あの雨乞いは失敗だったのか? ああ失敗だ。私は関係ないお経を唱えただけで、まだ雨乞いの儀式を始めてなかったのだから。


お題・雨乞いの失敗

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