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■2025年2月1日
関西の友人ちへ遊びに行くことになった。だが新宿駅で迷い、東京駅で迷い、あげく梅田駅で迷って、さんざんな目に遭った。
そのことを話すと、友人にはははと笑われる。
「で、どの駅が一番迷った?」
しばらく悩んで私は答える。
「その途中にあった、きさらぎ駅かな?」
お題・迷宮駅
■2025年2月1日
あっと気付いてカレンダーを破る。もう一月が終わってたか。こないだまで寝正月だった気がするのに。
今年も早、十二分の一が過ぎたか。いや、たったこれだけ。
と思ってるうちに、気付けば今年も「もう終わり」になるのだろうな。
せめて明日からは、もう少し有意義に過ごしたい。と二度寝する。
お題・一月も終わり
■2025年2月2日
呪術の天才がいた。どんな要望にも応え、その効果は絶大。彼ならどんなことでも叶えてくれるに違いない。期待はどんどん膨らんだ。
そんな時、突然彼は呪術師を辞めてしまう。どうしたのか友人が尋ねてみると、疲れ切った顔で
「僕にも出来ないことあるのに」
と他人の期待に呪われ、心折れていた。
お題・呪術の天才
■2025年2月2日
今日は節分。僕らスーパーの店員は早朝から駆り出され、恵方巻きを作っている。もうこんなの止めて欲しいが、去年も洒落にならない儲けがあった。まさに恵方を呼ぶ商品。止めることはないだろう。
そうこうしてる間に開店が近くなってきた。寿司を巻くの、巻きで急がないと。
お題・恵方巻き
■2025年2月2日
軍用失恋なるものがあると聞いた。何でも入隊する前に、今までの恋愛関係を捨てさせて、軍に忠誠を誓わせるためのものだという。
ミリタリーオタクとして、ぜひともどんなのか知りたい。と必死で入手したのだが。単にチープなお手紙だった。
あんな恋い焦がれていたのに。百年の恋も冷めそうだ。
お題・軍用失恋
■2025年2月2日
給料を貯めて、ようやく買えた初めてのマイカー。
ドライブに出たら、後ろからぶつかられて、ぐしゃぐしゃに。もうこれは走れない。今までの苦労が水の泡だ。
と思ったら、ぶつかってきた相手が金持ちだった。弁償にと、もっと高価な車が買えてしまう。今までの苦労は無駄じゃなかった!
お題・無駄な苦労
■2025年2月3日
推理小説がめちゃくちゃ面白くなったため、中毒者が続出。社会問題になったため、推理小説管理官が現れた。
「そこのあなた。目の隈、指先の汚れ、服の襟元がヨレている。推理小説中毒者ですね?」
「という、アンタも推理せずにいられない、かなりの中毒者に見えるがな」
お題・推理中毒
■2025年2月3日
世界は一度、大戦争により滅んだ。そのことを知った歴史家たちは各国の王にその事実を伝え、二度と大戦争が起こらないよう進言する。
だが、帝国はかつて大戦争を起こした者たちの末裔だった。そんな歴史は明るみに出されたくないと反論。やがて意見の食い違いから戦争が起こり、また世界は滅んだ。
お題・滅んだ歴史
■2025年2月3日
おうちへ帰ると突然、クラッカーが鳴る。テーブルにはケーキやごちそうがいっぱい。お父さんもお母さんも一緒。パーティーの始まりだ。
一日が終わってベッドに入ってから。何の理由のパーティーだったのか。お父さんもお母さんも泣きながら「ごめんなさい」と言ってたのか。不思議になってきた。
お題・パーティーは楽し
■2025年2月3日
あいつと夫婦になって、うん十年目。たまにはと花束を買って帰った。すると、やたら驚かれた挙げ句、何の企みだと疑われる。
「普段からの感謝でな」
「本当の本当に?」
どうやら心底驚いたらしく、心臓を押さえている。
「全くもう、これなら変わらぬ日常の方を贈って欲しいわよ」
お題・普段からの感謝




