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■2025年1月15日

近所に動物園ができたらしい。看板には「笑顔動物園」とある。入った人がみんな笑顔になれるということなのだろうな。なんて素敵な。さっそく日曜に家族を連れて行ってみた。ところが檻の中に何もいない。


そこへ飼育員がこちらへ走ってきた。手には網を抱えている。

「笑顔の動物だ、捕まえろ!」


お題・笑顔動物園



■2025年1月15日

村に古い時計がある。うちの一族は代々、この時計を守ってきた。何でも世界で最初の時計らしい。それはさぞかし古いのだろう。けど、どのくらい昔からあるのだろうか。


僕は村長に聞いてみた。この時計はいま何時を指しているの?

「ちょうど139億年目になったところだな」


お題・最初の時計



■2025年1月15日

見合い相手は陸軍さん。どうも終始むすっとしている。当人いわく、自分は隠し事が苦手な性分、無理やり連れてこられてこうなっているという。大丈夫かなと思ったが。しばらくして分かる。

「本当は女性が苦手なだけだった、なんてね」

その話はもう勘弁してくれよ、と夫は赤くなった耳を隠した。


お題・仏頂面



■2025年1月15日

近所の神社に初詣の人が押し寄せている。あそこは寂れていたはずなのに。どうしたんだと神主に訊いてみた。

「ここは商売繁盛だろう」

「それじゃ流行らないからな、今年からは縁結びということにしておいた」

「そんなの構わないのかよ」

「いいさ、商売繁盛で賽銭のご円は結ばれたのだから」


お題・えん結び



■2025年1月16日

記憶喪失マシンは現代人に必須のものとなった。私もよく愛用ししている。だが記憶喪失で仕事に支障を来してはいけない。前もっての準備は念入りにやらないと。というわけで同僚に連絡する。ところが

「あれ、先日記憶喪失したばかりだよね?」

どうやら記憶喪失した記憶をなくしていたらしい。


お題・記憶喪失準備



■2025年1月16日

武器屋に冒険者志望の若者がやって来た。

「オイラは敵の攻撃攻撃をひらりと避ける軽戦士を務める目指してるんだが、装備一式を見繕ってくれないか」

「だったら頭の守りは必要だな」

「確かに」

「あと足と腕と心臓と……」


その後、彼は仲間に自己紹介する。

「軽戦士だ」

「その重装備で?」


お題・軽武装



■2025年1月16日

最終を逃してタクシーを拾った。車中にはカーラジオが流れている。

「カーラジオを流しながらのドライブ、って奴に憧れてて」

と語るドライバー。私は耐えられなくなって、途中で下車する。


あのまま、耳をつんざくほどのノイズ音を聞かされながら、どこへ連れて行かれるか。分かったもんじゃない。


お題・カーラジオの夜



■2025年1月16日

我が国はかろうじて戦争に勝利した。しかし敵兵の一糸乱れぬ動き。あの結束力はどこから来ているのやら。


「やあ負けた負けた」

「おのれ敵国めー(棒読み)」

「やはり国内を結束させるには仮想敵が一番ですな」

「これで王の治世もあと百年は保つでしょう」


お題・愛国心



■2025年1月17日

新しいカレは世界中を飛び回るビジネスマン。時間に超正確な辺りがクールなの!


「とかノロけてたのに、もう別れたんだ」

「だって私にまで時間時間ってうるさいんだもん。熱烈な恋も冷めちゃった」

「時計は時計でも、目覚まし時計だったかー」


お題・恋時計



■2025年1月17日

一月も気付けば半分を過ぎた。こうして、気付けば今年もどれだけ過ぎた、とか言いながら、あっという間に年末になるのだろう。


本当に正月を食っちゃ寝してたら、もう半分だよね、と話すと。あなたは「こっちは仕事仕事で一月が過ぎた感じだけどな……」と力ない返事が戻ってきた。


あ、ごめん。


お題・半分も

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