叶わぬ願い
優華「きたよー!!!」
一つの病室の向こうから大きな声が聞こえる。
麗衣「!優ちゃん!!」
病室の窓の奥を見ていた少女は、病室に来た彼女を見て表情が変わる。
麗衣「学校、どうだった?」
優華「きょうねー先生にちょー怒られたー」
麗衣「またなんかやらかしたの?w」
とても普通の会話に見えるだろう。
でも、どこかが違う。
ベットで寝ている少女・麗衣の腕には何本もの細いつつのようなものでつながれている。
その少女の横でベットに座っている少女・優華はいくつもの傷跡が残ってる。
優華「ねーそれいつになったらとれるのー?」
麗衣「さぁ?でも悪くなってきてるみたい」
優華「いいなぁ」
麗衣「何でよー?私からしたら優ちゃんのほうが羨ましいよ?
優華「なんでー?最近知ったけど女子って意外と力強いんだって」
そう。
麗衣という少女はある不思議な病気にかかっており、優華という少女は学校でイジメに遭っているのだ。
優華「けっこー学校辛いよー?」
麗衣「こっちも寝たきりで辛いよー?」
しばらくの沈黙のあと、二人はプッ噴出した。
優華「じゃーまたねー!!」
麗衣「うん、またね!」
パタン...
優華は病室を出ると痛々しい足で病院の廊下を歩いた。
時々すれ違う看護師らはコソコソ話してる。
看護師「みて、あのこの傷((コソッ」
看護師「可哀想ね...((コソッ」
優華「...」
《聞こえてんだっつーの 》
そう思いながら廊下を歩く。
病院から出ると優華はある所に行った。
優華「ついた...」
たどり着いたのは、一つの雑木林。
奥に進んでいくと“スノードロップ”がたくさん咲いていた。
優華「なんでスノードロップなんだろ」
スノードロップの花言葉は
【希望】、【慰め】
もう一つは
【あなたの死を望みます】
優華「まるで私に言ってるみたい」
そうつぶやくと、優華は立ち上がり
人生最後のところに行った。
優華が病室を出ていくとき、何か決心したような顔をしていた。
麗衣「なんだろう...胸騒ぎがする...」
優華は、実をいうとお嬢様だ。
お嬢様だからという理由でイジメられてる。
麗衣「ッ‼ゴホッゴホッ‼」
激しく咳き込むと赤い液体が手についた。
赤い液体には花びらが付いていた。
麗衣「あと、一日...か」
今日は18日。
明日で、もう死ぬといわれている。
麗衣「今日ぐらいいいよね...」
そういうと、ベットから降りふらついた足で病室を出た。
優華が言行ってそうな場所に行くために。
優華が行った場所は
崖だ。
下には海が広がっており、ここから落ちれば確実に死ねる。
優華「ここには誰もいないよね...?」
優華はあたりを見回すとバックを置いた。
そして、崖の淵まで行った。
優華「さようなら」
そうして、飛び降りた
はずだった。
パシッ‼
誰かが優華の手を握った。
その腕には青い血管が浮かびあがってる。
優華「麗衣?!」
そう、麗衣だ。
麗衣は走ったのだろうかとても汗をかいていた。
口元には血がついていた。
麗衣は優華を持ち上げると
麗衣「ば...いば...い」
と言い、こときれた
麗衣が走ってきただろう道には血がついてあった。
その中の一つに真っ赤な彼岸の花が綺麗に咲き誇ってた。
END