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ねこみみ日和  作者: むしゃとら
3/10

2人の1日【後編】

前回の2人の1日の後編です!


昼食をすませたタクヤと里咲は、空いた時間何かを話していた。


「センパイ?センパイってにゃんこ飼ってるんですか?」


里咲は疑問を感じたように問いかける


「…あぁ、飼ってるぞ?それがどうかしたのか?」

「いや、アタシ猫アレルギーなんですよ、なのにセンパイの近くにいても何もならないので…」


答えようとしたが、タクヤにもそれは分からない。少し悩んだが結局分からないままだった。


「なんでだろうな、里咲、もしかしてお前は猫好きなのか?」

「はい!大好きです!」


音速とも言える程の即答、余程猫が好きなのだろう。


「いや、アタシ猫アレルギーですけど、にゃんこは超超ちょ〜う大好きなんです。なんですかあのモフモフは、あんなモフモフににゃあ♪なんて言われたら、愛でてあげるしかないじゃありませんか!いや、愛でないなんてありえない!いや、その他にも…」

「分かった、分かったから落ち着け!」


いきなり暴走し始めた後輩にストップをかけるタクヤ、我に帰った里咲は少し息を切らしていた。


「センパイ、今度お家におじゃましてもいいですか?いや、させて下さい!」

「い、いいぞ…」


必死の形相でタクヤに迫る里咲、その押しに耐えられずOKを出してしまった


「やったぁ〜!これで、これでやっとにゃんこをモフれる!」


それを聞いた途端飛び跳ねるように喜び出す里咲、タクヤは

「やれやれ」といった様子で肩をすくめた。


「タクヤー里咲ーもう休憩終わるぞー!」


どこからか部長の声が聞こえてくる。


「「はーい!わかりました!」」


二人声を揃えて、また仕事に戻るのだった。




時刻は3時、ノアは時計の鐘の音でまぶたを開ける。


「んにゃ〜〜ぁ…もうさんじかにゃぁ」


大きなあくびをひとつ、ノアはソファから起き上がる。

そしてノアは自分の部屋へと歩いてゆく。


「じゃあ、どうしようかな…」


自分の着ていた服をハンガーにかけてゆくノア、

下着姿になったノアは小さく


「にゃぁ!」


と一言、すると、ノアの姿がだんだん小さくなってゆき…


「んにゃあ♪」


夜空のように深い黒色の毛皮に翡翠のように淡く輝く瞳を持つ黒猫となっていた。

ノアのトレードマークの耳としっぽも当然ある。


「(じゃあ、おさんぽ行こ!)」


とノアは家を後にした。



タクヤの住んでいるこの町は猫山町、町の中に緑の自然が残るとても住み良い町だ、そして、近くにはその名の元となった猫山という小さな山があり、そこには雪火(せつか)神社という神社がある。

ノアのおさんぽルートは、毎回この猫乃山に登ることから始まる、黒猫となるとあまり疲れずに行くことができるのでノアはいつもそうしていた。


「にゃんにゃん♪」


何かを口ずさみながら山を登ってゆくノア、すると、


「(こんにちは〜おさんぽですか?)」


とどこからか声が聞こえてきた。


「(は〜い!そうです。いい天気ですねぇ)」


その声の主がノアの目の前の草むらから出てくる、その正体は少し小柄な三毛猫だった。


「(初めまして!私はノアって言います。)」

「(あら、ノアちゃんって言うの?私は名前がなくてねぇ)」


傍から見ると猫同士がにゃんにゃん言っているだけのように見えるが、猫からするとこれは立派な会話だ。

ノアは猫なので、ほかの猫の言葉はわかるし、人間の言葉もわかる、一種のバイリンガルだった。


「(ノアちゃんはどこまで行の?この山の頂上まで?)」

「(はい!そうです。)」


それから少しのあいだ二匹の会話は弾んでいたのだった



ノアが家に帰る頃にはもう5時くらいになっていた。


「ただいまぁ〜」


家に入るとノアは人の姿に戻る、そして、着替えるとノアは台所に立つ。


「よし!じゃあ、始めようかにゃ」




同じく5時、タクヤは仕事にラストスパートをかけていた。


「はい、ではここを直したらまた持ってきてください。」


書類の確認と同時に自身の仕事もこなすタクヤ、


「(センパイ、頑張ってるなぁ…アタシも頑張らないと)」


里咲は心の中でそう思っていた。

それから辺りはパソコンを打つ細かな音のみが響わたっていた。



1時間後

「よし、じゃあこれで終わりか〜、」

「あ、センパイちょっと待って下さい、アタシもう少しなんで一緒に帰りましょ?」


里咲がタクヤを呼び止める。タクヤは振り返ると


「ああ、じゃあ外で待ってるぞ、でも長くなりそうだったら置いてくぞ?」


と一言と軽い忠告だけして出ていってしまう


「わかりました〜!よし、あとちょっと」


それから数分後

「センパイすいませ〜ん!ちょっと遅れました〜」


会社の中から里咲が走ってくる。


「センパイ、今日も歩き出すよね?ささ、行きましょ?」


そうして2人は各自の家へと歩いてゆくのだった。




「ノア、ただいま」

「あっ!おかえりなさい、タクヤ」


時刻は7時、タクヤが家に帰ると同時にノアが出迎える。


その光景は夫婦さながらである。


「はい、カバン持つから着替えてきてね!」


ノアにカバンを預けるとタクヤは自身の部屋へと向かう。

そのうちにノアは先程まで作っていた夕御飯をテーブルに並べる。

並べているうちにタクヤがリビングに入ってくる。


「おお!今日はハンバーグか」

「えへへ〜、タクヤ、ハンバーグ好きでしょ?」


ノアは「どうだ!」と言いたげな表情を見せる

それにタクヤは笑って


「あはは、ありがとなノア」

「にゃあ♪どういたしましてにゃ」


いつになく上機嫌になっているノア、そんな会話をしているうちにテーブルの上に全ての料理が並べられた。


「タクヤ、早く座って!」


ノアにうながされノアの前の席に座るタクヤ


「じゃあ、いただきます!」

「いただきます」


今日の夕食はどれもタクヤの好物だった、ノアはそれをも見越して作っているのだった


「タクヤ、美味しいかにゃ?」

「ああ、美味しいよ、初めの頃は料理したこともなかったのにノアはすごいな」


そう、ノアは料理を初めて半年程しか経っていないのだった、

初めの頃はどうやってもダークマターが生まれるだけだったが、今になってはタクヤの好物だけでも1人前に調理できるようになっていた。


「えへへ、ありがとうタクヤ、もっと頑張るね!」


ノアは飛びっきりの笑顔を見せるのだった。



夕食を食べ終わるとノアは台所へと向い食器を洗い始める


「あ、タクヤ!お風呂入れるよ!温まってきてね」


ノアがタクヤに呼びかける。


「そうさせてもらうよ」


そう言うとタクヤはリビングを出ていった。

その時、ノアは少し微笑んだ。



「ふわぁ…ノアはさすがだな…この数ヶ月でもうこんなに」


タオルをワシャワシャと泡立てながらタクヤはつぶやく。

すると…


「ありがと!」


後ろから元気な声が聞こえてくる

タクヤは急いで振り返るとそこには、笑顔で立ち尽くすノアの姿があった


「ち、ちょっとノア!?なんでここに…というか食器はどうしたんだ?洗いっぱなしだろ?」

「え?全部終わらせてきたよ!だから〜お背中流しますにゃ♪」


ノアはそう言うと手に持っていたタオルで、石鹸を泡立て始める。


「じゃあ、よいしょっと」


その小さな手でタクヤの大きな背中を洗い始める。


「どう?痒いところはありませんか?にゃんちゃって♪」


戸惑うタクヤとは対象的にノリノリなノア、ネコミミがピコピコはねている


「はぁ、わかったよ、ありがとなノア。」

「にゃは♪どういたしまして〜、じゃあ綺麗にしちゃうよ?」


そうしてノアが背中を洗っていいると


「じゃあノア、次はノアの頭を洗っていいか?お礼にな」

「いいの?やったぁ!…あ、じゃあ流すね」


ノアがシャワーを手に取る


「気持ちいい?タクヤ、ササッと流して〜次は私の髪を洗って?」


流し終わると次にノアがイスに座るタクヤの前にピコピコ動くネコミミが2つ、それにタクヤはゆっくりと手を近ずける



「んにゃ?どうしたの?にゃは♪私のミミふわふわでしょ?」


ノアが何かを言うがタクヤは聞く耳を持たずにネコミミを撫でている


「ねぇタクヤ?どうしたの?って、にゃっ…そんなにミミ触られたら…ち、ちょっとタクヤ?んんっ…ねぇってば!」


そのノアの声でタクヤは我に返った


「……あ、ノア、ごめん…じゃあいくぞ?」


するとタクヤはシャンプーを手に出すと、その艶やかな髪に触れる


「にゃあ、気持ちいいにゃ〜」

「そうか?それなら良かった」


話しながらもノアの髪を綺麗に洗うタクヤ


「そういえばノアのしっぽってこんなふうになってるんだな」

「しっぽ?そっか、見たことないんだっけ?ほれほれ〜さっきのお返しだぁ〜」


ノアがしっぽをゆらゆら揺らす、それがタクヤのお腹辺りに当たって非常にくすぐったい


「ちょ、ノアさんやめて!分かったから…謝るからごめんって、あはは」


風呂場からは二人の笑い声が響いて来るのだった。



9時、リビングにはソファに座る二つの人影があった、その片方には二つのミミがついている


「タクヤ、いつもお疲れ様」

「どうしたんだ?改まって」


ノアが少しうつむいて口を開く


「だって、お仕事忙しいのに私のお世話もっとしてるから…いっつも迷惑かけちゃったりしてるし…」

「なんだ、そんなことか、いや、いつも迷惑をかけてるのはこっちの方だ、飯も作ってもらってるし家事全般やってくれてるしな、感謝しかないよ」


その言葉にノアは顔をあげる、ノアは笑顔だった


「にゃはは、じゃあお互い様だね!」

「そうだな、じゃあこっちからも……ノア、いつもお疲れ様、そしてありがとう」


その後、二つの人影は無くなり部屋を照らす明かりは無くなったのだった。









どうも、むしゃとらです!

まず初めに…

今回の後編長くなってしまいすいません、詰め込めるだけ詰め込もうとしたらめちゃくちゃ長くなってしまいました!ですが、次から落ち着くと思われるのでw

さて、今回3回目の投稿ですが、いかがだったでしょうか?

私自身、語彙力が欠損しているのでなかなか上手く表現できないところがあったりするかも知れませんがそれでも楽しんでいただけたら嬉しいです。

それでは、また来週会いましょう!





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