2話 はじめてのおつかい
ものの30分足らずでドラゴンは骨の山へとなった。鍋ができる15分程の間で残っていたドラゴンは丸焼きにされ先に骨のみになっていた。
ドラゴンの声も聞こえなくなり、こんがり焼けた肉のいい匂いや、不思議でスパイシーな匂いに連れられ避難していた住民の一部が帰ってきた。そして特大の骨付き肉を喰らうマッパに唖然としその傍に落ちているドラゴンの頭に全てを理解し崩れ落ちていた。
『ご馳走さまなの。ブートそろそろ行くの。』
『全部食っちまったし、そろそろ行くか!』
そしてブートと呼ばれたマッパはおもむろにドラゴンの首の所まで行くと後頭部あたりに生えた細い棘を一本抜くと爪楊枝がわりに使いながら何処かへ向かってこの場を離れ始めた。
『あ、貴方達!!待ちなさい!』
ようやく正気に戻ったシオナが一行を呼び止めた。
そしてマッパは振り返って全てをさらけ出した。
『いやぁっ!、、あ、貴方まず何か着なさい!、そもそもなんで裸でそんな堂々としていられるのですか?!!』
『森で暮らしてた時はずっと裸だったからなー、すまんすまん。』
『すまんすまんじゃなくて何か着てくだい!そうよ、隣の彼女のマント借りて来なさい!』
すると隣の少女が少しビクッとすると
『ダメなの。この中服ない、の。』
爆弾発言をしながら恥じらってマントをギュッと深く着込む姿はとても扇情的で同性のシオナでさえ悩殺ものだった。
『ウソなの。服は着てるの。でもこのマントはダメなの。、、、ブート、これ着るの。』
変態少女(嘘 はペコっと謝ると先ほどの鍋と同じようにどこからともなく男物の服を取り出しブートに差し出した。
『さんきゅ、ロッタ。』
そしてマッパはスキンヘットへと戻った。
着替え終わると今度はブートが問いかけた。
『それであんたは俺達に何の用?、行かなきゃ行けない所があるから用事もう終わったならもう行くけどいい?』
問い正され呼び止めた本来の目的を思い出しシオナは食い下がった。
『よくありません!貴方達何者ですか?!、特に貴方!ドラゴンブレス直撃してピンピンしてるなんて聞いた事ありません!!』
『俺はブート、んでこっちはロッタ。通りすがりの旅人です。なんで無事かと言うと鍛えてるから。これでオッケー??、ならじゃあね。』
明らかにふざけた回答にシオナの怒りが爆発した。
『私はシオナ・ルーと申します。こんな事言いたくありませんが、ルー家はこの国では顔がききます。わ、私に無理やり、ら、裸体を見せるなんて守衛に突き出せば不敬罪を適用させて一生牢屋にでも入れられますのよ!!、立場をわきまえて嘘偽りなく私の質問に答えなさい!』
『一つ、俺は人の国の法なんて守る気無い!二つ、そもそも俺を捕まえられると思ってるわけ??、三つ、てかルー家とか知らないから。』
『ねぇ、ブート。お使いの相手の名前、ルーなの。ギルター・ルー。』
『え、マジで?!、ならこいつにあの手紙渡せばお使いおわり??、ちょっとまって、今、て、、が、、、み、あっ!!』
ブートは胸元をゴソゴソと探り固まった、
『やべ、さっき燃えちった笑。』