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ワイド・フェードたち

 ルフィナの熱気に押されたメイナードはその後も少し話をされたが、ほとんど上の空だった。

 話の内容の八割は自慢話だったが、どれも英雄的活躍の賜であり、交通網の整備の重要性があらためて感じられるものだった。

 それらを聞いてから、ようやく社屋から出ると、すでに太陽が上まで昇っていた。


「出発は明日だから今日は準備をしてさっさと寝よう」

「良いベッドで寝れるのも今日までってことですね」

「あんまり感触を覚えすぎるのも良くない。恋しくなるからな」


 ペルペトゥアが取りようによっては怪しい話をするせいで、通りがかる人がぎょっとしてこちらを見た。

 メイナードは小さく頭を下げるが、あまり意味は伝わらない。

 気にかけていない様子のペルペトゥアが街を見渡しながら、行き先を考えていた。


「まずは質屋に行こう。良い道具が見つかるかもしれん」

「何か買うんですか?」

「武器と鎧がほしい」

「それって誰用です?」

「少なくともわたしは両方必要だ。メイナードはどうする?」

「……自分の分は考えてなかったです。というかペルさんは斧があるじゃないですか」


 戦闘で使っているから、アックスとかハチェットというのがより正しいのかもしれないが、ペルペトゥアが使っているのはメイナードの素人目で観察した限りでも、そこら辺の斧と違いはなかった。

 だから会話でもついついそのまま斧と言ってしまう。

 それをペルペトゥアは訂正することのもなく、話を続ける。


「いや、あれは一時的な武器にすぎない。といってもわたしは決まった武器なんて持ってないんだが、だからこそ今回も買い直したい」

「じゃあ斧も前にてきとうなのを買っただけなんですか!?」

「封鎖された街に武器を持ち込むのは足止めの格好の材料になるから、街に入ってから買ったんだ」


 とんでもない事実だった。

 城の扉を真っ二つに叩き割ったときも、四人の刺客を殺したときも、てきとうに買った武器で対処していたというのだから。


「凄いですね」

「武器がないときも仕事はあるから、何であれ武器にできなきゃダメなんだよ」


 椅子とかスプーンとか上着とかな、とペルペトゥアが続けるのをメイナードは驚嘆の思いで見つめた。

 ペルペトゥアは教会のスパイで、色んな仕事をこなしている人間なのだとあらためて実感が湧いた。


「でも武器屋とかそういうとこじゃなくて良いんですか?」


 メイナードはこれ以上聞くのは何か恐ろしいものを引き出しそうだ、と話を戻した。


 質流れした古い道具よりも、正式な流通ルートで取り扱われている武具のほうが良いのではないか、と思っての発言だ。

 そもそもメイナードはこの世界の武具がどういう形式で扱われているか分からないから、ペルペトゥアのやり方が合ってるのか間違っているのかも分からない。

 話を変えるにはちょうどいい質問だった。


「いいんだ。武器屋じゃまともな商品は高すぎる」

「でも教会なら出してくれますよね」

「個人で武器を買おうとしたら正規の値段の十倍は掛けられる。税金が酷いんだよ」


 騎士や自警団、傭兵団といった組織で武器を取り扱うのと個人で購入するのは、わけが違うそうだ。

 個人で危険な武器を所有するのは、それこそあまりにも街が負うリスクが高すぎる。

 私怨を剣で晴らそうとそこら中で刃傷沙汰が起きたら、自警団や騎士がいくら居ても足りない。

 その点、組織による購入は武器や人員の管理を行政ではなく組織に任せられるし、そもそも組織自体がある程度街に税を収めている以上、個人で購入した場合と比べて税を抑えても採算が取れるのだ。

 そういうこともあって、新品の武具を購入するのは難しい。


「その点質屋なら問題ない。武器を質草にするのは規制が掛けられてないからな」


 質屋は銀行の役割も果たしているところがあり、街との結びつきは強固だ。

 それゆえに質屋に規制をかけるのは街としても厳しいところがあり、質屋で武器を仕入れるのはある程度抜け穴となっている。

 もちろん質流れした物品を取り扱う上でも身分の証明などは必要だから、武器と個人の紐づけはなされる。

 それでも新品の武器が需要のままにひたすら捌かれるのと比べると小規模だから、グレーゾーンとして見逃されているのだ。


「じゃあない場合もあるんですね」

「よっぽどじゃなきゃ個人で武器を買おうとする奴なんていないから、大丈夫のはずだ」


 実際に質屋に入ってみると、メイナードの考えは杞憂であることが証明された。

 カウンターの奥に質草の並べられた棚があり、それを守るようにして髭面の男が立っていた。

 いらっしゃいませ、とも言わずに広げた新聞を畳んで、二人をじっと観察している。


「武器を買いに来た。適当な長さの剣はないか?」


 ペルペトゥアは男にさして威圧的に振る舞うでもなく、淡々とカウンターへ寄った。

 男がメイナードを一瞥してから、鋭い眼光をペルペトゥアへ向けた。

 修道服を着た人間が、質屋に入ってくるのが物珍しい様子だった。


「税はきちんと納めてる」

「そういう意味じゃない。本当に武器が欲しいだけだ」


 男はもう一度二人を等しく見つめてから、カウンターの奥へ引っ込んだ。

 カウンター裏にある棚には、武器のたぐいは置いておらず、貴金属の装飾品の類が所狭しと並んでいた。

 しばらくして男が戻ってくるなり、手招きして二人を店の奥へ案内した。


「多いから裏で確認してくれ」


 それが言葉通りの意味なのかメイナードに判別することはできなかった。

 二人して裏へ入ると、そこには表に並べられない数の質草が並んでいた。

 懐中時計、金のブローチ、宝石つきのネックレス、細かい紋様がびっしり刻まれた櫛。

 所狭しと色んな質草が並べられている中に、二人の目当てのものもあった。


「こいつは二本で一対か?」


 ペルペトゥアは一通り見分したあとに、短剣を指す。

 それは二本綺麗に並べられており、左右対称の飾りが柄に施されていた。

 黒めの柄飾りは室内の明かりを吸い込み、仄暗い雰囲気が漂っていた。

 

 男はそれを見て、小さく頷く。


「他の剣より少し高いし、これを買うなら両方とも買って欲しい。一対での販売になる」

「なるほど。じゃあこいつを頂こうかな。他に鎧なんかはあるか? 全身じゃなくても良いから、頭だけとか胸当てだけとかでいいんだ」


 男は二対の剣を袋に包むと、他の質草を避けて鎧を探す。


「全身揃ってるのは今はない。頭だけだとこいつかな。革の防具ならうちじゃなくて他に当たるべきだ」

「うーん、じゃあやめとくか。他に剣は?」


 短剣は二本ともペルペトゥアが使うから、もう一本探すというのはメイナードの分になる。

 メイナードは口を挟む機会が生まれた、と好機を逃さないように声をあげた。


「僕も必要なのかな、それ」

「いらないのか、剣。あっても困らないぞ」

「でも動きにくくない? 攻撃手段なら他に色々あるし。咄嗟に色んな手段を考えちゃうってのも考えものだろうし」


 ペルペトゥアは少し悩んでから、首を横に振った。


「いいや。むしろ色んな手段があることに慣れてくれ。それに剣を持ってないのに戦闘してるってだけで魔法使いってことがバレるのは避けたい」

「じゃあ取り回しやすい小さいので」

「分かった。おい、わたしが買ったのより小さいのはあるか?」


 ペルペトゥアは男に向かって声をかける。

 男は黙って、もっと小さい剣を探すべく質草を漁った。


「これは?」


 そういって差し出したのは、もはや短剣というよりもナイフに近いサイズのものだった。

 ペルペトゥアの要望があったときに出さなかった時点で、男にとってこれは武器じゃないということなのだろう。


「少し持ってみてくれ」


 メイナードは頷いて男から剣を受け取った。

 ずしり、と重い感触は木剣にない重量感だった。

 ナイフのようだ、といっても食事に使うようなものではない。

 ボーイスカウトのお目付け役何かが持っているような、サバイバルで使えそうなサイズの剣だった。

 身体の小さいメイナードが握ると、ちょうど良い大きさか、もしくは少し大きいくらいに見えた。

 小さいと感じたのは、男があまりにも大柄だったからに過ぎなかった。

 

「良いと思う。振り回す時は身体を支えちゃえばいいし」

「なるほど。じゃあこれも買おう」

「それだけでいいか?」


 ペルペトゥアは短く頷いた。

 それで話はまとまり、金貨七枚で二人分の武器を買うことができた。

 これが高いのか安いのかメイナードには分からなかったが、ペルペトゥアが不満を言わないところを見るに適正な価格だったのだろう。

 店を出た二人は、その後防具を探しに街を歩いた。


 **


 二人は結局、防具をほとんど買わなかった。

 ペルペトゥアは動き回るタイプの戦闘スタイルだから、防具をつけているとデメリットのほうが大きい。

 兜は多少だが視界を阻害するし、胸当てや各部関節のアーマーも動きが鈍る。

 攻撃は最大の防御、ということでペルペトゥアは防具の購入を見送った。

 そしてメイナードも、自前で防御できるということで防具の購入はしなかった。

 戦闘が始まれば周囲に水や土、木などを張り巡らせて防御するからだ。

 それにメイナードの身体に合うサイズの防具はオーダーメイドする他に買う手段はなく、明日出発という逼迫した予定の中では購入できるアテもなかった。

 

 そういうこともあって二人は武器だけを古い布に包んで宿へ戻った。

 昼食を取る前に、武器を宿に置こうと考えたのだ。

 普通なら貴重品は宿に残さないのが鉄則だが、セキュリティや客、スタッフの質が保証されている<カーラックス>で侵入盗などの心配をする必要はなかった。

 安心して二人は荷物を預けて、昼食をとるレストランを探そうと宿を出た。

 

「ちょっと待ってくれ。ルフィナからの紹介を受けて来た」


 車に乗り込むところだった。

 宿の向かいに四人の男女が立っていた。

 ルフィナが紹介すると言っていた、護衛だった。


「<ワイド・フェード>のフィル・フェラーだ。よろしく頼む、ペルペトゥア?」

「ああ、わたしがペルペトゥア。こっちがメイナードだ」


 メイナードが頭を下げて挨拶すると、面白がった様子の彼らが合わせて頭を下げた。

 それからフィルがペルペトゥアに書類を渡して、確認を取る。


「これが俺らの身分証明書。業務内容確認書はもう一枚ついてる方だ」

「なるほど。確かにルフィナに雇われている魔法使いだな」


 ペルペトゥアとメイナードが四人を見る。

 男二人、女二人の組み合わせだった。

 ルフィナが届け出ている魔法使いの護衛は十二人だが、八人足りない。

 

 フィルはペルペトゥアの疑問をいち早く察知し、先回りして答えた。


「残りの八人は今回の仕事に参加しない。四人が式典のときに追加で来る予定だが、それは関係ないよな?」

 

 道中ついていくだけの二人にとって、式典自体は無関係だった。


「他の八人はどこに?」

「別の事業所にいる。今回ルフィナ社長を護衛するのは俺らと百二十人の非魔法使い護衛だけだ」

「なるほど」

「これ以上は立ち話もなんだし、どこかに入ってしない?」


 フィルの横に立っていた女が、一歩前に出る。

 勝ち気な態度を辺りに振りまいて、自分は強いということを誇示しているかのようだった。

 魔法は本来ならばあり得ない奇跡を振りまく力だから、魔法使いとしての生き方を貫けば、自然と強さを示すほかなくなる。

 そうして人生を踏破してきた彼女には、自負すべき力と勝ち取ってきた成果があるのだろう。

 メイナードは彼女の自身に満ち溢れた態度を見ながら、賛同とも取れるような曖昧な相槌を返した。

 それがちょうど彼女の視界の隅に入っていた。

 

「この子も頷いてるし、それがいいよね?」

「じゃあ、まあ」


 ペルペトゥアは消極的な賛同。

 相手の魔法使いたちはいつものことなのか、特に何も言わずに彼女に従った。

 乾獣の牽く車に六人で乗り込む。

 ペルペトゥアはさっさと端を確保したせいで、メイナードは勝ち気な彼女とペルペトゥアに挟まれる形になった。

 向かいにはフィルがいる。

 

「それで、どこへ向かうんだ?」

「ここのレストランあんまり知らないんだったら俺らがおすすめのとこでいいよな?」

「じゃあそれで」


 ペルペトゥアの何のこだわりも感じさせない言葉。

 メイナードはようやく、彼女が意図してそうした無関心な態度を取って情報を与えないようにしていることに気づく。


 フィルたちは気づいているのかいないのか、レストランをどこにするかで盛り上がりつつ、最終的にはフィルが推した店に決まった。


「個室があるから、話をするのにもちょうどいいはずだぜ」

「でもあそこのパンってちょっとボソボソしてない?」

「スープ吸わせるためにあえてそうなってるんだよ、あれ」

「え、知らなかった!?」


 四人で勝手に盛りあがっているのを横目に、レストランへ着く。

 ペルペトゥアは帰るときのためにどこかで待機しておくように、御者へ頼んで店に入る。

 二階建て木造の店構えは、結構立派なものだった。

 昨日二人が行った<ディリスイン>ほどではないが、中々に綺麗だ。

 入るとすぐに四人の顔ぶれに気づいた店員が個室に案内してくれる。

 小さな会議室ほどの大きさの部屋は、明かり取りの窓から道路が見下ろせる二階にあった。

 

 おすすめでコースを頼んだ六人は、メイナードとペルペトゥアを除いた全員がアルコールを口にした。


「メイナードくんはともかくペルペトゥアさんは頼まないの?」

「ペルでいい。わたしは飲酒はしないんだ」

「へえ、教会って厳しいんだね」

「個人の趣向にすぎない。それより、自己紹介がまだだったな。わたしはペルペトゥア・ボニージャ。教会の魔法使いだ」


 メイナードも慌ててコップをテーブルにおいて、ペルペトゥアに続く。


「僕はメイナード・アシュベリーです。同じく教会の魔法使いです」


 四人が二人を珍しそうに眺めた。

 続いて口を開いたのはフィル・フェラーだ。


「俺はフィル・フェラー。ルフィナ社長に雇われた魔法使いで、<ワイド・フェード>のリーダーだ」


 ペルペトゥアが口を挟む。


「その<ワイド・フェード>というのは?」

「四人のグループ名ってやつだ。十二人の魔法使いが三つのグループに分かれてて、それぞれにグループ名がついてる。名前に役割とかが察せたり数字を入れたりはしないってのがルフィナ社長との取り決めで、だからこんな名前になってるのさ」

「なるほど。定期的にグループ名を変えたりも?」

「人事移動でグループメンバーが変わることもある」

「大変だな。フィルはどんな魔法を使うんだ?」


 ペルペトゥアは誰もが聞きにくいことを、単刀直入に言った。

 全員が出方を探り、一瞬の無言が生まれる。

 それを割いたのは、勝ち気な彼女だった。


「具体的にどんな魔法を使うかについて話をする気はないわ」

「それは君個人の考えかな?」

「いいえ。グループの総意よ。そもそもあなたたちは自己紹介の時に魔法の詳細について話してないじゃない。お互いが連携を取るために必要なのは、どんな魔法を使うかじゃなくて、どういう戦闘スタイルかを話すだけで十分だわ」


 理にかなった話だった。

 ペルペトゥアは頷いて、彼女に同意を示す。


「じゃあわたしから話す。わたしは近距離で斬り合うが、動き回ることもあって広域に効果をもたらす魔法との相性は良くない」


 ペルペトゥアはさっさと場の流れを固めてしまった。

 これで<ワイド・フェード>のメンバーもどういった魔法を使うのか、ある程度の情報を提示しなければいけなくなったのだ。 

 しかし勝ち気な彼女の方はそれを一切苦とは思っていない様子で、にやりと口角を上げた。


「わたしはアーリン・ヘイゼル。フィルと同じく<ワイド・フェード>のメンバーでルフィナ社長に雇われてる。魔法は弓矢と同じような射程が長いタイプだけど広域を攻撃するようなタイプじゃないわ、これでいい?」


 ペルペトゥアは薄笑いを浮かべて、頷いた。


「そういった形で問題ない。実戦で連携していく内に分かるものもあるだろう」


 次はフィルだった。


「俺は中遠距離で使うタイプの魔法だ。相手に一発与えたら後遺症が残るような攻撃を使う」

「なるほど。アーリンと併用して撃ち漏らしを防ぐようにして使うのか?」

「その時々によるな。状況によっては俺は後ろで指揮を執るだけのこともある」


 なるほど、とペルペトゥアは呟いた。

 それからフィルではない方の男が口を開く。

 この中で一番の巨体で、肩幅がペルペトゥアの二倍はある。


「じゃあ次は自分で。自分はレックス・モージズ。距離を問わないタイプの攻撃をする。ただ殺傷力はないから、主に周りの補助に使ってる」

「全員を見渡す後方についてることが多いのか?」

「そういうこともある」


 大柄な身体に似合わない繊細そうな声が、部屋に響いた。


「じゃあ次は私かな? 私はサンディ・ブライトン。補助系の魔法を使うけど、近距離での戦闘行動もできるよ。とにかく遊撃的に動くことが多いから、広域攻撃タイプとの相性は悪いかな」

「四人のバランスが取れていていいな。この四人が何かと戦っているのを、ぜひ見てみたい」

「そうはならないことを願ってるよ。戦闘はないほうが良いに決まってる」

 

 アーリンほど自信たっぷりではないが、陰気というほど暗くはない。

 そうして四人の自己紹介が終わると、メイナードに視線が集中した。 


 まだ魔法の説明をしていないのは、メイナードだけなのだ。

 普段こうした説明に慣れていないから、しどろもどろになりながら話を始める。


「僕はえっと、広域で攻撃できるタイプかな。殺傷力はコントロールできるからある程度は抑えがきく……と思う。ある程度広域の防御も出来るし、補助も可能だと思う。近接は……戦闘に慣れた相手だと厳しいかも。魔獣なら何とか相手にできると思う」


 なんとか自己紹介を終えたメイナードは相手の反応を伺うべく、四人を見た。

 四人の反応はあまり思わしくなかった。


「あー……つまりどういう感じなんだ?」


 フィルが率先してメイナードへ質問をぶつける。


「えっと、広域が得意ってことで良いと思う」

「じゃあペルとは相性が悪いな。最近組み始めたってとこか?」


 メイナードがなんと答えようか迷っているところに、ペルペトゥアが口を挟んだ。


「まあ、気にしないでくれ。こいつはコントロールが効く。わたしの指示で動くと思っていてくれていい」


 ペルペトゥアがこれ以上喋るな、とメイナードへ目顔で釘を差していた。

 メイナードは小さく頷いて口を閉ざす。

 四人はそれを見て、ひとしきり笑った。

 とても良いペアには見えていないようだった。

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