動き出す人々
魔女は腹心の手下を1人呼び出しました。
「はい、何でしょうか?」
「済まないけど、これを持って来てもらえるかい?」
魔女はそういって、メモを手下に渡しました。
「分かりました」
手下はさっといなくなり、次に現れた時には何やら色々手に持っていました。
「持ってきました」
「ありがとう。このことは誰にも言ってはいけないよ。分かっているね?」
「はい、勿論です」
再び手下はいなくなりました。
「材料は全部あるね?……えーっと、砂糖に片栗粉、トカゲの尻尾、そしてミントの葉。よしよし。あとは私がルビーの欠片と泉の水を取ってこなくちゃね」
魔女はそう呟くなり、魔法を使ってルビーがある洞窟へと飛びました。
魔女はそこで、いくつかのルビーの欠片を拾い集め、次に洞窟の前にある泉へ水を汲みに行きました。
「……これは魔法の泉。人の病を治す力のある、祝福を受けた魔法の水。ただし、祝福は呪いにもなる。人の血と魔法の呪文さえあれば、これは呪いを生み出す水になる……」
魔女はそう呟きながら、いつのまにか魔法で取り出していた壺に泉の水を汲み、再び元の部屋へと戻ったのでした。
一方その頃、白雪姫は森の中で途方にくれていました。
「……逃げたはいいものの、行く場所がないわ……どうしましょう?」
白雪姫は呟き、溜息をつきました。
と、その時。
『……どうしたの、そこのお嬢さん?』
「……誰?」
突然聞こえて来た声に白雪姫は驚きながら、声の主を探します。きょろきょろしていると、その声は面白そうに声をあげました。
『こっちこっち!そっちじゃないよ!……そう、こっちさ……それで目線をもう少し上げてごらん!』
白雪姫が目線を上げると、そこにはリスがいました。
「あら、あなただったのね!」
「そうさ。お嬢さん、名前は?」
「白雪姫よ。あなたの名は?」
「僕の名前かい?スカラーさ。よろしく」
「よろしく、スカラー」
「で、白雪姫。ため息なんかついちゃって、どうしたんだい?」
「——実はね……」
白雪姫は今までの経緯をスカラーに話しました。
「……という訳なの」
「君のお母さんは随分と酷い人だね!つまり、君は今行き場所がなくて困ってる訳だ、そうだろう?それなら、いい場所があるよ」
「本当?」
「もちろんさ!付いて来て!」
白雪姫がスカラーに案内されて来た場所は、一軒の山小屋でした。
「ここは7人の小人たちの家だよ。あいつら、みんな根は優しいからきみのことを大歓迎してくれるはずさ!今は仕事に行ってて留守だけど、勝手に入っても怒られやしないさ。風が強くなってきたし、このままだと風邪をひくよ。さ、中に入りな!」
「ありがとう、スカラー!」
白雪姫はスカラーにお礼を言って、小屋の中に入りました。