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探し物

「どこに探しに行ったらいいのかな……?どこかありそうな場所を知りませんか……?」

〔……?〕

カレンが白雪姫の言葉を通訳します。

〔……?……!〕

「まずはこの部屋の中を探してみたら?隠す場所は沢山あるよ!だって」

「……たしかに……」

この部屋には沢山の机があり、なにやら扉付きの戸棚のようなものもあります。何かを隠すのには打って付けの場所です。

そこで、白雪姫たちは部屋の中を探し回りました。

白雪姫とカレンは机の中を覗いて回り、現実世界の人のうち2人ほどが、扉付きの戸棚を見ます。残りの4人ほどは他の教室に行き、他の人たちの助けを借りながら、他にもある同じような部屋の中を探すと言い残し(もちろんカレンがそのことを通訳して白雪姫に伝えています)、いなくなっていました。


〔……?〕

〔……〕

「……あら、あの中にはなかったみたいね」

カレンが扉付きの戸棚を指差し、現実世界の言葉を通訳して言いました。

「そんな……この部屋には無いってこと……?」

机の中を探していた白雪姫は、呟きました。

机の中にも、ペンダントはなかったのです。


と、その時。

不意に隣の部屋が騒がしくなりました。

〔……!〕

〔……!しらゆきひめ……!〕

「……白雪姫、ペンダントがあったみたいよ!白雪姫のことを呼んでるわ。さぁ、行きましょう!」

「ええ!」

白雪姫の顔がぱあっと明るくなりました。

白雪姫とカレンは、隣の部屋に行きました。


隣の部屋は、さっきまで白雪姫がいた部屋によく似ていました。同じように机と椅子が並び、扉付きの戸棚があるのです。

〔……!〕

〔……?〕

何人かの現実世界の人たちが、扉付きの戸棚の前で騒いでいました。

白雪姫が部屋に現れたことに気付くと、みんなが白雪姫のことを手招きしました。そして、戸棚の中身を白雪姫に見せます。

「あった……!」

そこには間違いなく、青いペンダントがありました。

戸棚の中はペンダントが放つ青い光でいっぱいです。

白雪姫はペンダントを手に取り、首にかけました。

〔しらゆきひめ、よかったね!〕

〔そのペンダント、綺麗!すごく似合ってるよ!〕

「皆さん、ありがとう……」

そう言ってから、気付きました。

「私……現実世界の人たちの言葉が分かる……!」

そう。

ペンダントをしてから、白雪姫は現実世界の人たちの言葉の意味が分かるようになったのです!

(このペンダントのお陰だわ)

そんなことを思っていると、現実世界の人たちも声を上げました。

〔あれ?しらゆきひめの言葉が分かる!どうして?〕

現実世界の人も、白雪姫の言葉が分かるようになったようです。おそらく、ペンダントのお陰でしょう。

「多分、このペンダントのおかげなんだと思います……自己紹介がまだでしたね。私の名前は、白雪姫です。今日が17歳の誕生日で……おとぎの国から来ました。来たというよりかは……飛ばされたんですけど。よろしくお願いします」

〔よろしくね!しらゆきひめ。私は花梨かりん。しらゆきひめと同い年だよ!だからそんなにかしこまって話さなくていいからね。しらゆきひめがおとぎの国に戻れるように、お手伝いさせてほしいな!よろしくね」

「か、かりんちゃん、だね」

〔私は風香ふうか!私もお手伝いするよ〕

「ふう、かちゃん、よろしくね」

その場にいる現実世界の人たちは、口々に〔私にも手伝わせて!〕〔私にも!〕と言い出しました。

「みんな、ありがとう……!」

ぽろり、と白雪姫の目から涙がこぼれました。


不意に、カツカツ、という音がします。

白雪姫たちが一斉に振り返ると、そこには……

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