表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

91/221

第八十八話 決着

 

 丸岡城に籠城する織田軍は、いつまで経っても出てこない。弓を射かけたりしたが効果は見えない。


 すでに五日経ち、上杉の兵はまだ大丈夫だが、神保畠山の兵には疲れが見え始めている。そろそろ織田からの援軍が来てもおかしくないが、大半の兵を能登と中国の毛利に使っているはず。


「これはそろそろ撤退も視野にいれるべきか···」


 輝政も撤退の指示をだそうとした時、外から兵が入ってきた。


「輝政様、畿内方面より織田方に援軍あり! 軍旗は九曜紋、細川兵部大輔藤孝かと!」


「そうか···全軍を丸岡城より撤退させよ!」


 輝政の指示は早かった。すぐに丸岡城を攻めている将達に撤退指示の伝馬をだす。


「しかし、想定していたものより旗が多い···大軍を持ってきたのかそれとも···」


 考えを巡らせる輝政の腕を掴む。


「輝政、先ずは織田援軍と撤退する味方の動きを!」


「あぁ···そうだな。清胤と長親、撤退する味方を助けよ!」


「「はっ! お任せあれ!」」


 清胤達が本陣を出ていく。それと入れ替わるように定満さんと景綱さんが入ってくる。


「輝政様、上杉中継ぎの撤退完了いたしましたぞ」

「丸岡城に籠っていた敵本隊も打って出る動きがあります。これよりいかがしますか?」


「ここが引き際だな···戻ってきた景持に殿を。我らで神保畠山の軍の撤退を援助せよ」


「「はっ!!」」


 神保と畠山の軍を先に退かせ、上杉軍は丸岡城から出てきた織田軍を牽制する。その時、 


 ドドドドドドドドドドー!!


「これは火縄の音!?」


 先に退いた神保畠山軍の方から悲鳴が聞こえる。


 まさか、背後から銃撃!? いつの間に後ろに!?


 輝政の方を見ると悔しそうに顔を歪ませていた。


「そうか···細川殿のあの旗はこちらの目を集めるため···」

「俺らが注視してる間に退く道に先回りされたってことか!?」


 このままでは被害が増える一方だ。


「伏嗅衆、松尾衆(景亮配下の忍び四人のこと)!」


 俺が呼ぶと全員が目の前に並ぶ。


「銃撃の聞こえた所に行って鉄砲隊を追い払ってきてくれ!」


「「「「はっ!!」」」」


 足の速い忍びに鉄砲隊への対応を任せる一方、輝政は朝信さん長敦さんに神保畠山軍を助けに行くよう命じた。


 しかし、段蔵達が音のした場所に着いたときには既に移動した後で、人っ子一人いなかった。


 鉄砲隊がいなくなったことで立て直した連合軍は、これ以上は被害を出すだけとそそくさと撤退し、七尾城へ帰還した。

 また、織田軍も攻めてくることはなかった。


 手痛い反撃を喰らったものの、親織田派を一掃し織田軍を越前へと退かせた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ