第七十五話 準備
もうお気付きの方もいると思いますが、タイトルを変更しました! 前言ったのよりも早くなりましたが、これで分かりやすくなったと思います!
次の日、俺達は再び綾さんと対峙していた。
「では、三人共。良いのですね?」
その質問に三人で顔を見合わせ頷く。二人の顔には一切の迷いも見られなかった。
「「「はい!」」」
「···昨夜与えた時間は、良いものになったようですね。では、婚姻の儀の日取りや家臣達への通達など細かいことを決めなければなりませんね。政景様と憲政様にも手伝っていただきましょう···その前に二方に急ぎ知らせなければなりませんね。中島!」
「はっ!」
綾さんが中島さんの名前を呼ぶと、外から声が聞こえた。
「今の話を坂戸城にいる政景様と御館にいらっしゃる憲政様に伝え、こちらに来ていただくよう伝えて下さい。勿論、他の者には一切洩らさぬよう。全てを整えてから他の者に伝えます」
「はっ」
その日の夕方、坂戸城から政景さんがやって来た。俺達は憲政さんと政景さんに婚姻することを告げると大変喜んでくれた。
そして、婚姻の儀までの日程や場所、準備するものなどを綾さんと憲政さんが中心となってこと細かく決めていく。
結果、時期は一ヶ月後。家臣や味方の大名、豪族を御館に呼んでの三人での儀式を行うこととなった。出立の儀は大部分を省き、俺の屋敷を出立する屋敷と見立ることになった。つまり俺は当日、御館で待機し、政虎と絶の二人は前日から俺の屋敷で待機、御暇請いの式を行うことになる。前日に新婦側で行われる御暇請いの式は近衛の親族がいないため、絶も一緒に行うことになった。
政景さんが唸っているあたり、かなり変則的な進行であることが分かる。
当日は俺の屋敷から御館までの進路は閉鎖。市民もその時間のみ退去してもらうことに。
これは政虎が俺と結婚したという話が出回るのを極限まで避ける方法のひとつ。あくまで内密にというのは俺と政虎が頼んだんだが、それは俺という特異点をできるだけ隠すためだ。どこかで噂がねじまがり、政虎と絶が婚姻した···とかになってくれれば万々歳なんだけどね。
家臣の人達に関しては隠すわけにもいかないからそこは仕方ない。味方の大名も裏切る可能性のない大名や豪族のみ伝えることになっている。例えば越中神保や能登畠山、安芸里見には間違いなく伝えるだろう。北条攻めの際に味方になっていた大名や豪族たちは北条側に付く可能性がかなりあるのでそこにはノータッチ。
それから重要なのは儀や式の際の三人の並びだ。婚姻はするものの俺と政虎はいわゆる内縁状態だからね···。
結果として親族のみ参加するものは俺真ん中に政虎と絶が両脇に座る形で、家臣やら大名やらが参加するものは政虎真ん中に俺と絶が両脇に座る形に決定した。
そりゃ家臣の前で大将が側付きの側に付くなんて出来るわけないし。
ついでになぜ親族のみの時は俺が真ん中かといえば原因は綾さんにある。
「政虎も国主とはいえ女子。せめて親族のみの式は女子らしくありなさい」
とかなんとか。政虎も忙しいなー···女性っぽくおしとやかにしろだの国主なのだから男のように強くあれだの。どっちも似合うけどさ。
そんな感じで着々と婚姻の儀の準備が進んでいった。
途中からは親族にあたる山浦国清さん、山本寺定長さん、上杉景信さん、八条義春さんの加わった。
そして一週間後。綾さんは政虎に主だった家臣団を集めるよう指示した。
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