第六十九話 永禄元年の終わり
終わらせ方が荒くなってしまったかなーと少し後悔してます。その内書き直すかもしれませんが、今はこれでご容赦ください!
さて、貞興兄を探していた俺であるが、一向に見つからない。
小島家の屋敷にも行き、貞興兄の奥さんに聞いたら、どうやら町の外にいるのだとか。
しっかし貞興兄の奥さん綺麗な人やなー···勝ち気で貞興兄を尻に敷いてるみたいだけど。喋った感じも大和撫子ってよりは強い女性って感じだった。まぁ子供っぽいところのある貞興兄の手綱を握ってるんだからそりゃ大人しくちゃ勤まらんか。
まぁそんなこんなで町の外に出て少しした場所で貞興兄達を見つけた。
貞興兄だけでなく、頼久や清胤。政虎の猶子である国清さん。本庄実乃さんの子秀綱さん。若き七手組大将の一人である新発田長敦さん。揚北衆の一人、鮎沢盛長さんもいる。同年代くらいの集まりか。
今現在は貞興兄と長敦さんが仕合をし、他の人は地面に座って見学していた。
俺は清胤の所に近づいて声をかけた。
「清胤!」
「ん···? 景亮か」
清胤が反応すると、周りに座っていた人達も俺に気付いて近寄ってくる。
「景亮殿ではないですか。今日は来ないかと思っておりましたよ」
「いや、まず呼ばれてないんだけど···」
「あっ···そういえば昨日屋敷に行ったらいなかったので声を掛けてませんでした」
おい頼久。
「父上が、昨日景亮殿は政虎様と坂戸城に向かったと言っておりましたが、戻ってきたのですね」
「あぁ、昨日戻ってきたんだ。んで? 皆は何をやってるの?」
「見ての通り鍛練だ。まぁ、やはりあの二人には手も足も出ないがな」
そう言って全員が今も戦っている二人の方を向く。
目でギリギリ追える早さで槍やら剣やらを突きだす二人。貞興兄に関しては手と足も使った喧嘩殺法だ。
「あの二人はいつ頃からやりあってんの?」
「そうですね···半刻は当に過ぎているはずですが」
「流石は七手組の大将と越後の鬼といった所でしょうか」
俺が来てからもずっとやりあっている。そろそろ二人共疲れてもおかしくないはずだが···。拮抗しているため、勝敗がつきそうにない。
結局お互いの武器が突きつけられたところで仕合は終わった。
二人がこっちに戻ってくる。
「お、景亮じゃねぇか!」
「うっす! 二人とも」
「景亮殿も来たのだから、この中の誰かと仕合しては?」
「いや、俺は止めとくよ」
この連中とやったら怪我する自信しかないわ。今日はのんびりとしたいのです。
このまま再度鍛練に入るという戦闘ジャンキー達と別れ、飯を食いに一度屋敷に戻った。
それから数ヵ月後、長尾家に女児が誕生した。時はすでに永禄元年の終わりに近くなっていた。
越後に住まう将兵にとっては束の間の平穏だったものの、関東との境では北条との小規模の戦いが起き続けていた。
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