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第五十七話 第四次川中島合戦

ストーリーを盛り上げるため、もっとも有名なストーリーに沿って進んでおります。色々史実と異なるところがありますが、わざとです。

 

 小田原城の戦いの結果、小田原城とその支城は落とすことが出来ず、松山城や古河御所を含めた城に今回参陣してくれた大名に渡し、北条方を見張るよう伝えることしかできなかった。


 それに加え、帰路の途中に松山城に入っていた上田朝直が裏切ったので再度攻略。城代として上杉憲勝を置いた。


 さて、史実では一度、越後に戻ってから行われる第四次川中島だが、今回は帰路の途中で行われることになった。


 俺達上杉軍は武田との戦いの際の布陣する場所について揉めていた。


 俺と政虎が推す妻女山と、旭山城と善光寺を推すその他の将で分かれていた。

 妻女山に決めた張本人である政虎と史実を知る俺の二人以外は反対派に回っている。


「何故妻女山のような場所に布陣するのです!」


 妻女山反対派を代表して定満さんが政虎に聞く。他の将もそれに続く。


「北条との戦で皆消耗しております!」

「そうです! 何も敵に攻撃されやすい場所を選ぶことはないでしょう!」


「静まれ!」


 しかし、政虎は全員を黙らせると、今回の策を伝える。


「此度の戦、武田本隊を直接叩く。今までは避けられていたからな···そのために、奴等を誘き寄せる必要がある」


 その話を聞くと一部の将ははっとした。


「奴らの動きを素早く察知し、一歩先を行く。皆、私を信じ付いて来て欲しい」


 迷いの一切無い政虎の目を見た家臣たちは全員頭を下げる。


「なに、私達はただ奴らが動くのを休みながら待っていればいい。下手に動かず、奴等が痺れを切らすのを待つ。その間に十分な休みはとれよう」


 その後、妻女山に入る本隊を囮に荷駄隊と兵五千を善光寺に送り、一方の本隊も武田の妨害を受けることなく妻女山に入った。


 上杉の川中島到着から大分遅れて川中島入りした武田は妻女山を新しく出来た城と取り囲むような位置にある塩崎城に入城。そこで睨み合いを始めた。


 こちらとしてはこの睨み合いに休みの意味も持たせているため、できることならどんどん引き伸ばして欲しい。小田原攻めのおかげで物資もある程度あるしね。


 この戦、重要な点は二つ。妻女山を降りるタイミングと混戦になった時の引き際だ。一つ目については政虎に任せておけばいいだろう。二つ目については俺もしっかり注視しておかなきゃね···


 それから三ヶ月。ようやく武田勢が塩崎城から新しい城(海津城というらしい)へと移動した。向こうはこっちが何もしないことをかなり焦れったく思っているようだ。


 まぁ、向こうさんは八幡原を横断したようだが、俺達は一切の攻撃をしなかったし、海津城にも攻めることはしなかった。相手を焦らすこと、余計な兵力は使わないことなどが主な目的だから元から選択肢に入ってないんだよね···。


 それから数日後、奴らはとうとう動き出した。 海津城を出て八幡原、つまり平野に布陣したのだ。


 さて、これからがこの第四次川中島の本番である。政虎は海津城の炊煙がいつもより多く、尚且つ平野に布陣するという行動から別動隊がいることを察知すると、俺を呼んだ。


「武田が動き出した。私の考えは決まっているが、そなたはどう思う?」


「武田は別動隊と本隊での挟撃をするつもりだと思う」


「あぁ、私であればそうする。別動隊がこちらを攻め、下山した所を本隊で討つつもりだろう」


「だったらこっちはやることは大胆に、でも粛々とやろう」


 俺の言葉に政虎は意地悪そうな笑みを浮かべた。


「そなたも同じ考えか···いいだろう。皆に伝えよ! これより妻女山を下山する! 物音を立てることなく、疾く粛々と行動せよ!」


 その日の夜、旗や陣をそのままに闇夜と霧に紛れ妻女山を下山。景持さん、村上義清さん、高梨政頼さんの三人を一千の兵と共に渡河部に配置すると武田本隊の目と鼻の先に布陣した。妻女山には俺と段蔵の二人からのプレゼントを用意してある。


 さぁて、いっちょ始めますか!


 明け方、霧が晴れるのと同時に柿崎隊を先頭として武田本隊に攻撃を開始した。


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