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第四十九話 苛烈

ここから、起こる出来事が史実よりも前倒しで進んでいきます。 

 

 俺達上杉勢は、参陣してくれた大名たちに北条方の城を攻めさせ、沼田城を攻めていた。一番槍を務めるのは七手組大将の一人、柿崎景家さんと越後の鬼、貞興兄だ。


 二人の隊は瞬く間に城に入り込んでいく。その勢いに呑まれた敵兵は瞬く間に四散していく。


 沼田城城主沼田康元も小田原へと逃げ落ちていく。


「四散した兵は捨て置いて構わん! 逃げる沼田城城主康元を討ち取り、疾く他の城も攻め立てよ! 北条側に対して一切の情けは無用、全て絶やせ!」


 政虎の言葉を聞いた先陣は沼田を抜けて岩下城、厩橋城へと進軍すると、それも瞬く間に落とした。


 政虎は落としたばかりの厩橋城に入城。先陣を那波城攻略へと向かわせた。


 本隊は一度厩橋城で待機。政虎、憲政さん、定満さんなど主要な将を集めて会議を行った。


「戦況は?」


 政虎の問いに定満さんが答える。


「はっ! 救援を申し出ていた里見の久留里を包囲していた北条の軍は、松山城まで退いたようです」


「ふん···行動の早いことだ。今川、武田の動きはどうなっている?」


「中島の話では今川、武田共に動きはまだないそうで···」


「そうか···まぁ今はいい。参陣した他の勢力はどうだ?」


 その問いには他勢力との繋ぎを請け負っている清胤が答える。


「どの城攻めも長引いている様子。中には既に家中から非難の声が出ている勢力もあるようで···」


「仕方のないことではある···な」


 皆が悩んでいると、憲政さんが声をあげる。


「関東での関東管領の就任式はまだ行われていない。全軍が集う場所、そうだな···鎌倉八幡宮にて執り行ってはどうだ?」


「なるほど···そう、ですね。そうしましょう。清胤、他の勢力に伝えよ。これより城を攻略しながら鎌倉へと進軍。そこで関東管領就任の式を執り行うため、皆参加するように」


「はっ!」


 指示を受け取った清胤は会議から抜けた。


「さて、これからどうなさる?」


「無論、北条を攻め立てる。苛烈に、果敢に。次の狙いは羽生、古河御所、そして松山だ」


「「「「はっ!」」」」


「今日はここで休む。明日、先陣が攻めている那波城に向かう。景持はここより兵站の指揮を頼む。皆、頼むぞ!」


 全員が頷く。今日は英気を養い、次の日の昼頃に進軍を再開した。


 那波城についた頃にはすでに城の中に鬼の旗や柿崎隊の旗がのぼっていた。


 景家さんと貞興兄が出迎える。


「御大将! お待ちしてましたぜ!」


「中は既に掃討しております。次はどこに?」


「早かったな···今日はこれ以上はいい。兵や馬を休ませよ」


「「はっ!」」


 それから一ヶ月ほど後に武蔵の羽生城を落とし、本陣を羽生へと移した。


 そうして上杉を中心とした連合軍はすこしずつ、でも確実に小田原へと向かうのだった。



クロスオーバー作品である野央棺様の"分枝世界の戦国記譚"もよろしくお願い致します!

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