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第四十八話 いざ小田原へ

ようやっと小田原攻めです。

 永禄元年/西暦1558年 


 政虎は北進してきた関東の雄、北条氏康を倒さんと信濃、関東あたりの豪族、小大名に対し味方になるよう号令を発布。


 安房の大名里見義堯より救援を願う使者が来たため、想定より早く出ることを決定すると、一ヶ月後に政景さんや景綱さんたちを春日山に残し、八千の兵を引き連れ小田原へと向かうこととなった。


 大将は、現在の関東管領である政虎と元関東管領である憲政さんの二人。

 味方になってくれる勢力を拾いながらの進軍だ。


 そして今日がその出発日である。


 絶さんが準備から何から一切を手伝ってくれた。


「景亮様、怪我の無いよう。無事政虎様と共にお戻りください」


「ありがと、大丈夫だよ。俺は本陣詰めだし。本陣が強襲されたり、政虎が本陣を伴って突撃とかしなければ武器を握ることもないさ」


「私は戦地には行くことが出来ません。ここより皆様の無事をお祈りしております」


「じゃあ行ってくるよ。絶さんも病気には気をつけて」


「はい! 景亮様もお身体に気をつけて。いってらっしゃいませ」


 俺は武器を持ち、頭を下げて見送る絶さんを背に政虎の元に向かった。


 外で段蔵と義守さんの二人と合流し、兵の集まっている場所に向かう。


 兵たちの目の前には政虎、憲政さん、定満さんがいる。


 定満さんが一歩前に進み出て口を開く。


「皆の衆、これより我らは北条討伐のために小田原まで進軍する! 安房の里見らを助け、関東に安寧をもたらすのだ!」


「「「「「「おぉぉぉぉぉぉぉおお!!」」」」」」


 兵の叫びが熱気となって軍全体を包んでいく。


「静まれぃ!」


 あれだけの声が一瞬で静まる。


「では軍の配置を言い渡す!」


 それぞれの部隊の配置を読み上げていく。貞興兄は先頭の第一陣。頼久はその後ろにつく第二陣。俺と清胤は本陣につく。


「皆異論はないな? では第一陣より出陣せよ!」


 その号令を皮切りに軍が一気に動き始める。俺は政虎の隣で馬を歩かせた。


 八千の兵は越後を出発してから順調に小田原への道を進んでいく。


 政虎は参陣した大名たちに小田原を取り囲む諸城を包囲、攻撃を命じると、上杉本隊は上野の沼田城、岩下城、厩橋城を攻めた。


 中島からはすでに、北条が今川、武田に援軍を求めたという話を聞いている。


 こっからはスピード勝負になるだろう。それからどれだけこの大軍を纏められるか···だな。


 このあとすぐ第四次川中島があるとすれば、ある程度見切りをつけていかないと···まぁ基本政虎のやることは間違ってないし、史実通り進めば大丈夫だと思う。


 俺は政虎に天下を取って欲しいとは思っていない。ただ日本の泰平に最短ルートで向かうため、そして越後の皆でそこに辿り着くため、政虎と一緒に考えて進んでいくだけだ。




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