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第四十一話 松倉城攻め

 

 松倉城内に、段蔵と義守さんのおかげで無事入り込んだ俺は、段蔵に時限式爆弾などを任せて、義守さんが調達した神保側の兵の鎧を着こむ。


 潜入任務なんてスパイみたいで興奮してくるぜ!


「景亮様、城門を開けましたらすぐに本陣に。既に清綱殿には伝えておりますゆえ」


「ありがとう。んじゃ俺は兵の話を聞いてみるよ」


「では、私は城門を一度見て参ります」


 ということで、義守さんとも別れ兵の話を聞くことにした。


「···まったく。家の殿様は一体何を考えてるんだか」


「神保だけじゃなく、畠山だけでなく越後の上杉まで来るとはな···もう負け戦だってぇのに」


「こりゃもう逃げちまう方が良くねぇか?」


「ばっかやろう。囲まれてるんだぞ? 捕まっちまうぜ」


 ···成る程。どうやら兵は椎名の殿様の判断に賛否両論みたいだな。ってことはそんなに纏まってないってことか···。


「おい、そこのお前はどう思うね?」


 やっべ、俺が呼ばれた···仕方ない。話に付き合おう。


「町の噂じゃ三つの軍が囲むように攻めてきてるみてぇだしなぁ···城に籠るのも何時まで持つか···」


 その言葉に全員が溜め息をついた。


「どうやら親上杉の家臣方は殿様に降伏を勧めてるみてぇだしなぁ」


 その言葉に俺は答える。


「上杉の殿様は聞くと優しいお方で、裏切った家臣も許すほどの大きな器をお持ちらしい」


「それはいい殿さまだなぁ! この越中もそのような方が納めてくれりゃ争いも無くなるだろうに」


「もしこの城が落ちたら上杉の方に降伏しようかね···」


 戦は求めてない···か。降伏してきたら全員許すよう清綱さんに伝えよう。


 それにしてもいい加減始まってもいい頃だと思うんだけど···


 その時、城のいたるところで爆発が起こった。


 人の悲鳴や怒号が聞こえる。


 始まったか!?


 火の手が上がり、兵も慌てふためいている。


「かっかっか! ほーれほれ、もっといくぞ!」


 ···派手すぎだろ。ちょっとは忍べや。


「いかん、もう駄目だー。城門を開けるぞー!」


 義守さんの声がしたと思ったら城門が開く。混乱している兵は槍も持たず、一目散に駆け出す。


「えぇーい、止まれーい! 止まらぬかー!」


 家臣の一人か殿様本人か、混乱する兵を制止する声が掛かるが一度崩れた軍はそう簡単には立て直せない。


「景亮様! 我々も城を出ましょう!」


 出口から駆け寄ってきた義守さんと合流し、城門から外へ出て、遠回りしながら本陣に向かう。


 戦場では武器を持たずに駆け出した兵が取り囲まれ、投降しているのが見えた。

 松倉城内に兵が雪崩れ込んでいくのも見える。


「景亮! 無事だったか!」


 本陣では清胤と清綱さん、長実さんが待っていた。


「ただいま! 戦況は?」


「景亮殿、鳶加藤、義守のおかげで戦は決まったようなものだろう。投降してきた兵の処分をどうするかを考えていたところよ」


「味方に引き入れる。将も兵も関係なく、投降した兵に血を流させる必要はない」


「なるほど···政虎様でもそうなさるでしょう。いい判断かと」


「では畠山、神保にもそう伝えましょう」


「あとは椎名が降伏してくれれば、この越中も落ち着くでしょうな」


やっと政虎の所に向かえる。そう思ったその時、伝令の兵が飛び込んできた。


「伝令! 神保当主と一部の将兵が松倉城を脱出、一向一揆勢と合流するため、勝興寺に向かった模様!」



 戦はまだ、終わりそうになかった。



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