第百三話 松尾虎千代
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永禄五年/西暦1562年
年が変わってすぐの事。突然絶が体調を悪くした。直ぐに医者を呼んで診てもらう。診察が終わると医者は俺と絶、凜の前で診断結果を告げた。
「胸の痛みに吐き気、味覚の変化···全てを踏まえた結果、妊娠によるものと思われます」
「そうですか···え? それって···」
「景亮様、絶様。おめでとうございます。これより暫くは絶様に無理をさせないよう気遣いくだされ」
「えぇーーーーー!!??」
「景亮、煩いぞ!」
「ごめん···」
というわけで絶が妊娠した。どうやらコウノトリさんが運んできてくれたようだ。
突然の出来事+初めての事であたふたする俺を余所に回りは直ぐ様動き、凜と綾さんを中心とした女性の方々が万全な体制を整えた。その中には貞興兄や頼久の奥さんもいた。直ぐに必要なものが揃い、屋敷の一室を子供用の部屋にするために空けた。
女性の何とも心強いことか。こういう時男の俺は何一つできない。清胤や政景さんに話を聞いてもそんなもんだと言われた。
それからは暇があれば絶の顔を見に行く様にした。やっぱり心配だからね。
凜も政の合間と、仕事終わりの夜には必ず絶の元に行っている。
そんな二人の心配っぷりが可笑しいのか絶は俺が顔を見せるとクスクス笑う。
人生の先輩たる綾さんの元、絶の妊婦生活は順調に過ぎていった。
さて、それから大分立った十月の事、畿内では織田が備前を治める宇喜多直家を降し備前を傘下に置き、関東では北条が古河御所を攻め落としたりなど周囲の動きが活発化していた。一方の武田は伏嗅の情報によると、信玄が表に出てくることが減り、代わりに子勝頼が出てくることが増えたようだ。こちらもそろそろ動き始めるかもしれない。
そんな中で絶は無事出産を終えた。松尾の性を継ぐ男の子。俺の、絶のそして凜の大事な家族だ。
入室の許可が医者と手伝っていた女中から出ると、俺と凜は駆け込むように入室した。額に汗を滲ませる絶の腕には生まれたばかりの赤ちゃんがしっかりと抱えられている。
「お疲れ様、絶···」
「可愛い男児だ。絶、よく頑張った」
「ありがとうございます、旦那様。それに凜様。どうか私達の子を抱いて上げてください」
絶から渡された赤ちゃんを凜が愛しそうに抱きかかえる。綾さんの子供達で馴れているのか手際がいい。
「ほら、景亮。そなたも」
そう言って俺に赤ちゃんを渡してくる。
「か、抱えかたってどうするんだ···!? 凜、教えてくれ!」
「はぁ···いいか、首の後ろをここで支えながら···」
「ふふっ」
凜の指示通りに抱える。その光景に絶が、周りにいた全員が笑う。
幼名松尾虎千代。凜の兄、本来の上杉景虎の幼名を貰った俺の初めての子供は沢山の人に見守られて生を受けた。
クロスオーバー作品である"分枝世界の戦国記譚~黒の章~"もよろしくお願い致します!




